不妊治療と仕事の両立はストレスが一杯。どんな病院を選ぶべき?
公開日:2019/06/05
更新日:2021/10/27

不妊治療は仕事との両立には負担がかかることが多いと言われています。その負担がストレスになると、不妊治療に良い影響を与えません。今回は六本木レディースクリニックの小松院長に、不妊治療と仕事の両立でどんなことがストレスなのか、治療と仕事の両立がしやすいクリニックはどのようなクリニックなのかお話をお聞きしました。
不妊治療と仕事の両立によるストレスとは?
― 不妊治療と仕事の両立によるストレスはどのような際に感じるのでしょうか。
小松先生:患者様を見ていると、不妊治療と仕事を両立する際には、排卵日に合わせてお休みを取ったり、自分の代理を探したり、業務量の調整をしたりすることが多いようです。 「周りに迷惑をかけてしまっているのではないか」と精神的にストレスを感じる方や、不妊治療を理解してもらいにくい職場であれば周りからのプレッシャーを感じることもあるではないかと考えています。
また、職場内でうまく調整できない場合は治療のために仕事を辞める方もいます。こういった状況から、仕事をしながら不妊治療をしている患者様の中に、ストレスを抱える方が多いと考えています。
ストレスで女性機能に影響も?
女性の月経は脳の視床下部や下垂体がコントロールしているので、ストレスを受けることで脳や下垂体機能のバランスが崩れることがあります。
卵巣は下垂体からの制御を受けているため、下垂体からのホルモン分泌が崩れると卵巣からのホルモン分泌も崩れることにより、月経が止まったり、月経不順、不正出血を発症したりすることがあります。
それに加え、ホルモンバランスが崩れると肌荒れやニキビなどの身体症状、抑うつ、イライラ、睡眠障害などの精神症状をひき起こすこともあります。
ストレスが不妊の原因になる?排卵障害、着床障害に影響?
― ストレスが妊娠にどのような影響を及ぼすのですか?
小松先生:まだはっきりと解明されていませんが、ストレスによりホルモンバランスの乱れが生じ排卵障害、着床障害などに影響を与え、不妊の原因になる可能性があります。
不妊治療自体がストレスに。適度に発散も大切。
― ストレスや仕事とどう向き合って、不妊治療にのぞむべきでしょうか?
小松先生:仕事は生活の基盤ですし、人によっては生きがいとなっている場合もあります。また、ストレスはこの世の中で生きている以上避けられないものです。なので、仕事やストレスとうまく付き合いながら不妊治療をしていく必要があると思います。
不妊治療は先が見えない治療であり、長期に渡るケースもあります。不妊治療自体がストレスとなるので、ストレス発散のために趣味に持ち、他に目を向けることも有効です。その際の趣味というのは、読書や音楽鑑賞など受身的な趣味よりは、多少お金や時間のかかる能動的な趣味、例えば旅行や楽器演奏、スポーツなどが良いと思います。
またどうして妊娠できないのか、ということを本人が理解できずに治療を受けている場合に、不妊治療がストレスになることが多いんですね。
不妊治療クリニックに通院中の方は、担当の医師や看護師、カウンセラーなどとよくコミュニケーションをとり、不妊になっている原因を明確にした上で、治療成績などを理解し、治療に望む態度が必要ではないかと思います。
不妊治療と仕事を両立する際、どんな病院を選ぶべき?
― 不妊治療と仕事を両立する際、どんな病院を選ぶのが良いですか?
小松先生:通院自体がストレスにならないように以下のような点に気をつけて選んで頂きたいと思います。
- 仕事に支障を与えないで通院できる病院
- 病院の都合ではなく、患者様の都合に配慮してくれる病院
- 期間や回数など、必要最小限の通院になるように配慮してくれる病院
- 最短で妊娠できるように患者様に合ったプランを考えてくれる病院
- 仕事後でも通院できるよう、夜遅くまで診療している病院
診療時間・曜日はホームページに載っているところが多いので、土日祝も診療しているのかや、夜何時まで受付しているのかをあらかじめ調べておくとよいでしょう。 また先程も述べたように、自分の受けている治療内容について気軽に質問ができる環境であることも考慮すべきだと思います。カウンセラーや担当医がきちんと質問に回答してくれるかどうかもチェックして頂きたいと思いますね。
六本木レディースクリニック小松院長のご紹介
小松 保則 医師 (こまつ やすのり)
経歴
帝京大学医学部付属溝口病院勤務 母子愛育会総合母子保健センター愛育病院 国立成育医療研究センター不妊診療科 六本木レディースクリニック勤務 資格・所属学会 日本産科婦人科学会 専門医 日本産科婦人科学会 日本生殖医学会 日本産婦人科内視鏡学会
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