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不妊治療と仕事の両立は何が問題?なぜ大変?

      2019/04/09

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前回、六本木レディースクリニック小山先生より、働く女性にとっての妊活のハードルとその乗り越え方についてお話して頂きました。今回は、不妊治療と仕事の両立は具体的に何が問題で、なぜ大変なのかについてお伺いしています。

不妊治療と仕事の両立は、何が大変なのか。そのハードルとは?

前回のコラムで妊活における3つのハードル「妊活開始の後ろ倒し」「タイミングの不一致」「妊娠しやすい体作りの必要性」とそれらに対する具体策をお伝えしましたが、今回は、不妊治療と仕事の両立におけるハードルについてお話しします。夫婦共働きが当たり前な現代、働く女性にとって、妊活と仕事の両立も大変ですが、不妊治療と仕事の両立は通院・治療が発生する分、大変さが増えると考えています。

不妊治療と仕事の両立のハードルには、まず「病院に行くのが遅れる」ということが挙げられます。仕事が忙しいと、ただでさえ時間がない中、病院へ足を運ぶことを後倒しにしがちです。30代後半など、妊活を考える上では比較的年齢が高い場合、自分たちだけで妊活をしばらく続けて、病院に行くタイミングが遅れてしまうことによって、不妊治療の成功率をさげてしまうケースもあります。
次に「通院のタイミング、時間が取れない」ということも、よくお伺いします。仕事の内容によっては、通院のタイミングが合わなかったり、時間が取れないなどといったケースもあるでしょう。卵胞の成熟などのタイミングに合わせて通院が必要な場合、会社に「いつ病院に行く」など、明確な日にちを伝えるのが困難なケースもあります。また、ご夫婦共に不妊の原因があったり、夫婦そろって足を運ぶ必要がある場合、時間がなかなか合わないというケースもあります。

不妊治療による仕事への影響は何がある?

悩み
普段、患者様から不妊治療は仕事に影響があるという声を伺います。その具体的な内容には、以下のようなものが挙げられます。

不妊治療による仕事への影響①勤務時間内の通院が難しい

排卵を促すための促進剤を用いる治療では、その後、卵胞の成熟度に応じて治療を行う必要があります。そのため、排卵日の前に卵子を取り出すケースでは、タイミングに合わせて通院して頂く必要があるのです。そのタイミングを通勤時間内に確保することが非常 に難しいため、嘘を言って休みを取り後ろめたい思いをした、という人もいるようです。
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不妊治療による仕事への影響②治療(採卵)・薬による痛みや不調

採卵や薬は個人の状況に応じて異なるものを使用しますが、中には薬の副作用で体調不良になり、その後仕事にならない、といった人もいます。体に負担のかかる治療になれば、その日の仕事が難しくなる、ということもあるのです。
腰痛,女性

不妊治療による仕事への影響③周囲の理解が得られない

最近、企業によっては福利厚生の一環で、不妊治療のための休暇を設けているところもあると聞きます。しかし、患者様の中には、部下を抱えるポジションにいる方もいます。立 場上、なかなか不妊治療していることを職場に言えないということがあるようです。また、上司の理解に左右されるケースもあり、「次はいつ通院するの?」と聞かれる場合もあるようです。
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不妊治療による仕事への影響④ストレスを抱える

治療の肉体的な負担に加え、自身の職場の人間関係や、仕事の負荷によってストレスを抱 えてしまう人が多いと考えています。ストレスを抱えることによってホルモンバランスの 乱れにも繋がるため、治療にも影響します。

ここで、六本木レディースに通院されていたお客様の中で、働きながら通院された方のお声をご紹介します。
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会社勤務を続けながら治療をすることで、以前の病院では時間が読めず何度か会社に迷惑をかけ上司に呼ばれましたが、今回、完全予約制で時間も予定通りで全くストレスもなく、短期間で妊娠することができました。本当にありがとうございます。全院のスタッフの方々、先生方はもちろん、こんなに優しく毎回接してもらえて卒業でき、感謝の気持ちでいっぱいです。涙が止まりません。ありがとうございました。

この方の場合、通院時に時間が読めず、会社に迷惑をかけた、という経験をされています。
中には、会社に迷惑をかけることで、逆に通院を止めてしまうケースもあるため、上記に述べたような不妊治療における仕事への影響は大きいと感じています。

不妊治療と仕事の両立。何が課題?

仕事と不妊治療における課題は、大きく患者、医療、社会それぞれ課題を抱えているのではないかと思います。ここで、それぞれの課題について挙げてみたいと思います。
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不妊治療と仕事の両立|患者が抱える課題

仕事と不妊治療を両立している患者様は3つの課題を抱えていると感じています。
1:現状把握の大切さを理解し切れていない
患者様の多くは、加齢による妊孕性や卵子の老化といったことを知りません。そのため、妊娠に対する知識が不足していることで、自分はまだ大丈夫、と漠然と思っている患者様が多いのではないかと思っています。不妊の定義は1年以内に性行為を定期的に行っているにも関わらず妊娠しない状態のことを指すのですが、年齢が若い方の場合、仕事が忙しく、自己流の妊活をしていてなかなか授からないまま、4年が経過してしまいました、という方もいます。つまり、自分自身の体が妊娠しやすい体であると過信して仕事を優先し、妊活が後回しになってしまうという課題があります。
2:パートナーとともに不妊に向き合えていない
患者様の中には、パートナーが不妊治療に積極的でないケースが多々あります。そのため、男性側の協力が得られず、女性だけが一方的に頑張っている、といったケースも見受けられます。不妊検査に先にお越しになるのも、女性の方が圧倒的に多いため、パートナーの協力を得られていないという課題があります。
3:不妊治療と両立しにくい働き方をしている
患者様の中には、フルタイムで働いている人が少なくありません。また、残業などで仕事を遅くまで行うことによって、ストレスにさらされ、ホルモンバランスを崩し、不妊につながってしまうということも考えられます。

不妊治療と仕事の両立|医療における課題とは

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不妊治療と仕事を両立させるには、患者様ご自身が、通院の調整をすることもありますが、一方で病院側でも仕事との両立に寄り添って運営する必要があります。しかしながら、必ずしもそれができるところばかりではありません。仕事をしている人が会社帰りや、早朝に通えるような病院が多ければいいのですが、そうでないのが現状です。全ての病院が早朝や夜間診療を行なう事が実現しにくいといった状況も課題の1つだと思います。患者様のライフスタイルに合わせて病院側も運営できれば、より妊娠しやすい状況へ導けるのかもしれません。また、医師によっては、仕事をしないほうがよい、と勧めるケースもあるでしょう。または「●日にいらしてください」と、通院出来る前提で話をされるケースもあると思います。つまり、医師の仕事に対する理解不足も課題の1つになっているのではないでしょうか。

不妊治療と仕事の両立|社会における課題とは

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まず、不妊治療と仕事の両立における社会的な課題として、大きく分けて3つあると思っています。1つ目に晩婚化や共働き世帯の増加していること、2つ目に長時間労働、3つ目が画一的な働き方しかないこと。このような事が挙げられると思います。まず、1つ目の晩婚化や共働き世帯の増加については、女性も当たり前に大学を出て社会人になるのが一般化し、さらにキャリアを形成していくようになったことで、女性にとって大きなライフイベントである結婚や出産が後倒しになっている事が挙げられます。また、2つ目の長時間労働は、最近度々話題になっていますが、長時間労働を行なうことで、夫婦が互いに疲弊し、妊活に取り組めないといったケースもあると考えています。また、3つ目に働く女性のキャリプランが未だ画一的だと考えています。1つの会社に入ってから、ライフプランに伴ってキャリアチェンジをできる企業が少ないのではないかと考えています。例えば妊活中には、労働時間を超過しない仕事に就いたり、テレワークなどを柔軟に取り入れる、といったキャリアプランを形成できれば、少なくとも女性にとって身体的負担も軽減されると思います。

このような課題がある中で、不妊治療と仕事の両立において具体的に何をどう気をつければ良いのか、次回お話ししたいと思います。
次のコラムを読む▶「不妊治療と仕事の両立、何を気をつければ良い?
六本木レディースクリニック

六本木レディースクリニック小山院長のご紹介

小山 寿美江(こやま すみえ)院長

小山院長

小山院長

日本産科婦人科学会 専門医/日本生殖医学会 生殖医療専門医
1999年 琉球大学医学部医学科卒業
2000年 東京医科大学病院救急救命センター
2001年 東京女子医大病院腎センター
2003年 緑風荘病院 血液浄化療法センター
2006年 昭和大学病院産婦人科
2009年 昭和大学病院産婦人科 助教
2010年 東京衛生病院産婦人科
2012年 木場公園クリニック勤務
木場公園クリニック 分院 院長
2016年 六本木レディースクリニック勤務

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