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不妊治療のステップアップの時期

2023/12/01

2024/02/13

不妊治療のステップアップの時期

 

 こんにちは。本日は不妊治療のステップアップの時期についてお話させて頂きます。

 この記事を読んで下さっている方は、既に治療をされており、まさに今ステップアップすべきかお悩み中かもしれませんが、これから治療を始めていこうかと考えている方にも、是非とも読んで頂ければと思います。

 

 私は普段、不妊治療専門クリニックにて従事しているのですが、2022年4月の不妊治療保険適応に伴い、治療の方針やステップアップの時期も変化してきているように感じます。

 以前は原因不明不妊症に対して、タイミング療法を6周期→人工授精を6周期→体外受精というステップアップ療法が一般的でしたが、最近では年齢や不妊期間によって積極的なステップアップや、最初から体外受精を選択する方も増えてきています。

 海外では、高年女性に対しては第一選択として体外受精を勧めるべきであるという意見も多いです。

 高年女性の場合、通常のステップアップ療法で不妊治療を行うと、タイミング療法や人工授精といった一般不妊治療で時間を費やし、年齢に伴う妊孕性(妊娠する力)の低下が懸念されます。そのため、初めの段階で不妊原因を精査し、妊娠方法別の妊娠率を考慮し、医師と相談した上で、自分たちはどの治療から始めていくのか方針を決定していくことが大切だと思います。

 以上のことを踏まえ、パートナーとステップアップを検討する際のポイントをお伝えします。

 

看護師・不妊カウンセラー示村英実

・妊娠を望む方の少しでも力になりたいという想いから看護師を目指しました。正しい知識を提供するとともに、一人ひとりに耳を傾け、寄り添うサポートを心掛けています。共に歩んでいきましょう!

治療を始める際に何周期行うか決めておく

 これから治療を始めるのであれば、自分たちは何周期タイミング療法をしてから、人工授精にステップアップするのか、あらかじめパートナーと決めておくことをお勧めします。

 決めておくことで、ステップアップの時期に迷いにくくなります。また、治療に関してはもちろんのこと、妊娠や出産後の育児について、互いの考えを知る機会にも繋がります。このことで、治療途中でパートナーと意見の相違も生まれづらくなりますよ。

治療法別の妊娠率を知っておく

 例えばタイミング療法と人工授精では、さほど妊娠率は変わらないと言われています。

 また、人工授精は回数を重ねたからと言って妊娠率が高くなる治療ではないのをご存知でしょうか?

 人工授精で妊娠した方に、後から「何回目で妊娠しましたか?」と聞くと、約90%の方は回目までに妊娠されています。そのため、人工授精の回数は3~6回程度を目安に考えて頂ければと思います。もし今人工授精を始める前であれば、前述のとおり、自分たちは何回行うか決めておくと良いと思います。

 また、ちょうど3回目にあたる時期であれば、自分たちは体外受精まで考えているのかなど、話し合う良い機会かと思います。

 そして体外受精も年齢によって妊娠率が違います。日本産科婦人科学会のARTデータブックによると、総胚移植あたりの妊娠率を不妊女性の年齢別にすると20歳台で45.9%、30~34歳で42.5%、35歳~39歳で36.1%、40~44歳で21.1%、45歳以上で6.5%となり(表1)、加齢に伴い妊娠率が低下することは明らかとなっています。

生殖補助医療(ART)の妊娠率と流産率の目安(表1)

 

妊娠率

流産率

30歳未満

46%

16%

30~34歳

43%

18%

35~39歳

36%

25%

40~44歳

21%

40%

45歳以上

7%

61%

 

 是非、こうした妊娠率も念頭に置きながら、自分たちでおよその治療計画を立てておくことをお勧めします。

身近に治療に関して話せる相手を作ろう!

 最後にステップアップを考えたとき、一番に感じることは不妊治療に対する不安ではないでしょうか。治療を始めてみたものの、思ったように妊娠につながらず、このままで良いのか、どうすれば良いのか、いつになったら妊娠できるのか、今とても辛い時期ですよね。先の見えない治療だからこそ、不妊治療は時折、辛い気持ちになることもあると思います。

 不妊治療はセンシティブな内容も多いので、気軽に話せる内容ではないかもしれません。しかし、一人で悩みを抱えていると、答えが見いだせなくなることや、考えが後ろ向きになってしまうこともあると思います。

一人で抱え込む必要はない!

 不妊治療は女性側だけの治療ではなく、パートナーとともに治療をしているので、パートナーと一緒に悩みを分かち合える機会が作れると良いかと思います。しかし、生活リズムが合わない、パートナーだからこそ話しにくい内容もあるかと思います。そんな時は治療に関して話せる相手や、通院している病院の看護師や心理カウンセラーと話すのも手だと思います。また、今はSNSなどを通して医療者や同じように不妊治療をしている方とコミュニケーションがとれる機会もあります。対面では難しくても、オンライン上では話せることもあるのはないでしょうか。

自分の好きなことを継続しよう!

治療上の都合で好きなことが出来ない時期もあるかもしれませんが、趣味など、ご自身の好きなことを是非とも続けてほしいです。治療ばかりの生活にならないよう、仕事や家事で忙しい毎日かと思いますが、生活の中にあなたの楽しみを散りばめて下さい。治療に向き合って頑張っている自分を、どうぞ大切にしてあげて下さいね。