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特定不妊治療助成金|対象治療は?いくらもらえる?気になるあれこれを解説

2019/10/23

2021/12/21

体外受精や顕微授精といった不妊治療は治療費が高額になると言われています。そこで申請すべきなのが特定不妊治療助成金です。体外受精の治療費はおよそ50万円かかると言われていますが、助成金を活用すれば自己負担が約20万円に抑えられることも。そこで今回は、意外と知られていない助成金のあれこれについて解説します。

特定不妊治療助成金とは?対象となる治療は?

不妊治療における助成金制度ってどんな制度?

不妊治療における助成金制度とは、不妊治療の中でも特定不妊治療と呼ばれる体外受精や顕微授精の治療を受けた場合に、その治療費の一部を国やお住まいの自治体が助成する制度です。

不妊治療における経済的な負担を軽減するために、国や自治体がお金を戻してくれる仕組みととらえることができそうです。

2021年1月に不妊治療助成が拡充された

年々加速する上司高齢化問題への対策として、政府は2021年1月から不妊治療費用に対する助成金の総額を約370億円に拡充することを決定しました。2020年度当初予算と比較すると約2.5倍もの増額がなされています。

これに伴い、特定不妊治療助成の内容が変更されました。拡充前と拡充後の変更点については、以下のコラムでも解説しています。

▶2021年から不妊治療の助成拡充|所得制限や助成回数が変更?気になる変更点について解説

国と自治体の助成金、どう違う?

助成金の受給資格は国と自治体とでは異なる場合があるようです。

国の助成制度で対象になる治療費は、体外受精と顕微授精ですが、お住まいの自治体によっては一般治療費や人工授精の治療費についても助成金を受け取ることができる場合もあるそうです。

また、受給資格を満たしている場合は、国と自治体の両方から助成を受けられることもあるようです。

このコラムでは、国の助成制度の内容を中心に見ていきたいと思います。自治体の助成金の受給資格については、お住まいの自治体へお問い合わせしてみてください。

特定不妊治療助成金とは|どんな人が受けられる?

対象になるのはどんな人?

厚生労働省のHPによると、助成金受け取りの対象者は、「特定不妊治療以外の治療法によっては妊娠の見込みがないか、又は極めて少ないと維持に判断された夫婦(治療期間の初日における妻の年齢が43歳未満である夫婦)」とされています。

助成金拡充以前では、夫婦合算の所得が730万円未満という所得制限もかけられていましたが、2021年1月からの不妊治療助成の拡充に伴い、所得による制限は撤廃されました。

年齢によって助成回数が異なるってほんと?

助成を受けられる回数は年齢によって変わってきます。拡充後からは1子毎に6回まで、40歳以上43再未満の方は1子毎に3回までとなっています。

拡充前では生涯で6回まで(40歳以上43再未満の方は3回まで)という回数制限がありましたが、拡充後では1子あたりへの回数制限へと変更されています。

助成金はいくらもらえるの?

助成額は、1回当たり最大30万円受け取ることができます。

拡充前では、1回当たり15万円(初回のみ30万円)が上限とされていましたが、拡充度は1回辺り30万円が上限となりました。

拡充前と拡充後を比較すると、以下のようになります。

 
拡充前
拡充後
所得制限 730万円未満(夫婦合算の所得)

制限なし

助成額 1回15万円(初回のみ30万円) 1回30万円
助成回数

生涯で通算6回まで
(40歳以上43歳未満は3回)

1子ごと 6回まで
(40歳以上43歳未満は1子ごと3回)
対象年齢 妻の年齢が43歳未満 変更せず

参照:不妊に悩む夫婦への支援について - 厚生労働省

助成金の盲点|受取には数か月かかることも

国へ助成金の申請をしてから、その結果通知が届き、助成金を受け取るまでに約2か月程度かかるとされています。自治体からも助成金を受け取る場合は、国から受け取った助成金額を差し引いた額を計算し、自治体へ申請するため、さらに1、2か月程度かかるようです。助成金を活用する場合は、この申請から受け取りまでのタイムラグがあることに注意しながら治療費の捻出を考えるのがよいでしょう。

対象にならない場合、ほかに資金の捻出方法はある?

651d88f37211903ac2996d459df2317e_s-min 上記の計算式でも助成の対象にならない方や、対象であっても治療を継続するため、さらにお金が必要な場合もあるでしょう。また、助成金や医療費の控除は、治療で支払ったお金の一部が後から戻ってくるので、治療のために今、資金が必要という方も多いと思います。

そうした方がお金の心配をせずに、安心して不妊治療に臨んでいただけるようなサービスとして不妊治療ローンを提供している金融機関もあります。「今必要な治療」を先延ばしにしないための選択肢の一つとして、利用を検討してみるのもよいのかもしれません。

特定不妊治療助成金を申請したらいくら受け取れる?

助成金の活用事例|体外受精で治療費 50万円を支払った場合

(35歳で初めて助成金を受け取られた方) 助成金実質負担額 上記の例では、実質の負担額はもとの治療費の4割となります。 助成金の制度を活用し、少しでも治療費の負担を抑えながら、不妊治療にまつわるお金の不安を減らしていきましょう。