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不妊治療と東洋医学の関係

2016/04/27

2016/04/27

近年、不妊治療においては西洋医学のみならず漢方や鍼灸などの東洋医学も注目されてきているようです。では東洋医学が不妊治療にどのような効果をもたらすのでしょうか。今回は東洋医学と不妊治療との関係を紹介していきます。

不妊治療と東洋医学①|近年注目されている東洋医学

不妊治療の第一線で活躍する医師やメディカルスタッフが執筆した書籍「不妊治療ステップアップベストガイド」(発行:株式会社エス・エム・エス)でも、次のように述べられています。

最近では、お灸や鍼、漢方薬など、不妊治療に東洋医学のアプローチを取り入れるケースも増えています。

近年、不妊治療に対する意識が高まっているので、西洋医学以外の方法も探して東洋医学の良さに気づく方も多いようです。

不妊治療と東洋医学②|西洋医学と東洋医学のちがい

まずは、東洋医学でできることをよく知っておきましょう。たとえば、「女性ホルモンを分泌するツボはありますか」と質問されることがよくあります。残念ながら、そういったツボは存在しません。西洋医学のように、この薬を飲めば◯◯が増えるといったものではないのです。また、生殖器に子宮内膜症、子宮筋腫、卵巣嚢腫などの疾患がある場合、外科的治療が必要となります。西洋医学と東洋医学は「不妊・妊娠・出産」というゴール設定は同じでも、考え方やアプローチは異なります。東洋医学にできることは、体を整えること、いわば妊娠しやすい土壌づくりです。
西洋医学と東洋医学の両輪で、不妊治療の効果を高めることが期待できます。特に、生殖器に何の問題もないけれど妊娠できない、もしくは妊娠しても流産してしまうという原因不明の不妊に対して、効果を発揮することが多々あります。

西洋医学は病気になった部分を治療するという方針で、東洋医学は根本から身体を整えるという方針のようです。近年、西洋医学の不妊治療と漢方や鍼灸などを並行して行う方も増えているらしく、排卵誘発剤など薬で弱った身体を整えるべく漢方を飲む方や、鍼灸で冷え性を改善しタイミング法で妊娠される方も多いと言われています。

不妊治療と東洋医学③|東洋医学で妊娠しやすい体づくり


体を整えるために基本となるのが、「気・血・水」の3つのエネルギーです。これらのエネルギーは、全身を走っている経絡(※)という通り道を流れています。東洋医学では、人の体は「気・血・水」が密接なつながりをもって、維持されていると考えられています。この中のいずれかが過剰になる、不足するなどの「気・血・水」の乱れによって、体の不調が起こります。つまり、妊娠しやすい体をつくるということは、「気・血・水」のバランスを整えるということなのです。
※ 経絡は20本存在するといわれている、気・血・水が流れる通り道。この経絡の流れを調整するところがツボ。
・気(き)
3つの中で最も重要なエネルギーです。体を成長させる、内蔵を動かす、血や水を循環させるなど、体の機能を正常に保ち生命を維持します。まさに生命力そのものです。
・血(けつ)
各器官に栄養を与え、体に潤いを与えるという役割を持ちます。一般にいう血液と同じような働きをしますが、東洋医学では精神活動を支えて心の安定を保つ働きも担っています。
・水(すい)
血液以外の水分、つまり体液のことです。皮膚や内臓、筋肉、靭帯、目、耳、鼻、口、舌などに潤いを与えて、体の動きを円滑にします。また、体の熱を冷ます、便通を促す働きもあります。

東洋医学においては、よくこの「気・血・水」という言葉が出てきますが、その中でも特に気と血が充実していることが妊娠には必要だと言われています。そして「気・血・水」の過不足によって体質が6タイプにわかれるようです。体質6タイプについては不妊治療と東洋医学|東洋医学における体質6タイプのコラムで紹介しています。

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引用元『不妊治療ステップアップベストガイド』
引用部分著者:天使のたまご 代表 藤原亜季/銀のすず 院長 鈴木元
発行:株式会社エス・エム・エス