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保険適用の不妊治療、医療保険活用で体外受精、顕微授精の治療費をもっと抑える

2019/01/15

2022/08/26

保険適用になった不妊治療。治療費が以前より安くなったとはいえ、どのくらい安くなったのかご存じですか。また、治療費をさらに安くできる方法の1つとして医療保険を活用するのもオススメです。また、不妊治療中だと医療保険自体に加入出来ないケースもありますが、治療中であっても加入できる保険もご紹介しています。

巌香奈日本不妊カウンセリング学会認定 不妊カウンセラー

不妊治療、保険適用になって治療費はどう変わった?

不妊治療は、一般的にタイミング法に始まり、人工授精、体外受精、顕微授精と、ステップアップしていきます。また、不妊検査の結果や女性の年齢、男性の精液検査の結果によっては治療開始時に体外受精や顕微授精が選択される場合もあります。不妊治療といえば、治療費負担が大きいことで知られていましたが、2022年4月より不妊治療の保険適用が開始となり、多くの患者にとっては大幅な治療費負担の軽減となりました。では実際どのように変わったのでしょうか。

・人工授精

保険適用以前は3~5万円くらいかかってましたが、3割負担となり、5460円となりました。実際のところ、人工授精に伴い薬などの費用負担を合わせるとおよそ8,000円位だと言われています。

・体外受精、顕微授精

体外受精、顕微授精は保険適用以前は、50-60万ほどかかっていました。体外受精、顕微授精は採卵を伴うため、卵がいくつ採れて、胚盤胞まで培養し、いくつ凍結できるのか、といった内容により、費用は若干異なってきます。しかし、保険適用になったことで、15万円ほどになることになります。

一方で体外受精、顕微授精の場合、1度の採卵で済めば良いですが、採卵を繰り返し行う必要があるケースでは、助成金が出ていた時よりも、かえって治療費負担が大きくなるケースもあります。そこで、活用できそうな手段の一つとして、医療保険があります。医療保険の中には不妊治療の治療費の一部を負担できるものもあるのです。

不妊治療にメリットのある医療保険ってどんなものがある?

不妊治療でも医療保険に加入していることで、治療の補助として給付金が出る民間の保険があります。3割負担という不妊治療に加えて、給付金が出ることで、さらに治療費を抑えることができます。今回は不妊治療で給付金が出る医療保険を紹介します。

日本生命保険の「シュシュ」

  • 対象年齢:18歳~40歳(保険期間により異なります。)  
  • 保険の内容:産後に一人出産することでお祝い金として10万円、2人目で30万円など、子ども6人までお祝い金が出ます。癌(悪性新生物)、急性心筋梗塞、脳卒中にかかった場合、300万の保険金が出る。
  • 「シュシュ」のメリット:特定不妊治療の費用をカバーするのみならず、産後のお祝い金、3大疾病にも備えられ、様々なリスクにも備えられる。
  • 「シュシュ」のデメリット:加入年齢期間に申込む必要があるため、41歳以上の方は入れない。また、加入してから2年間は不担保期間であるため、加入タイミングによっては、メリットを活かせない。

出典:日本生命 https://www.nissay.co.jp/kojin/shohin/seiho/shussan/ https://www.nissay.co.jp/kojin/shohin/pdf/goryui.pdf

アクサ生命の「スマート・ケア」

  • 対象年齢:80歳まで
  • 保険の保障内容:約1000種類の手術などをカバーしており、日帰り入院から一時金を受け取れる医療保険。1回の入院、または手術で特約基本給付金額の5倍(基本給付金額5,000円の場合は2.5万円)が給付されたり入院が1ヶ月以上など長期にわたる場合、特約基本給付金額の10倍(基本給付金額5,000円の場合は5万円)が給付される。回数は無制限。妊娠を目的とした体外受精、顕微授精において、「採卵」「胚移植」「精巣または精巣上体からの採精」いずれかの施術を行う場合に、不妊治療の給付金が最大上限1回で受けられる。
  • 「スマート・ケア」のメリット:40歳以上でも、加入することが可能。男性不妊に対しても対応。
  • 「スマート・ケア」のデメリット:加入して責任開始日から2年間は不担保期間であるため、すぐに不妊治療を開始する場合は、給付金が得られない。また、不妊治療における給付は、最大1回のみであるため、複数回採卵や胚移植をする方にとっては、治療費を劇的に抑える手段にはなり得ない。

出典:アクサ生命 スマートケア https://www.axa.co.jp/product/medical/smart-care/

&Life新医療保険Aプレミア(女性サポート給付金付がん診断給付特約)

  • 対象年齢:16歳~40歳
  • 保険の保障内容:入院給付金を日帰り入院から入院5日目まで、一律5日分を受け取れたり、公的医療保険制度の手術料の算定対象の手術や、先進医療に該当する手術を受けたときに手術給付金を受けられる、といった基本の保証に加えて、「女性サポート給付金付がん診断給付特約」というオプションを付ける事で、不妊治療と出産に備えることができる保険です。不妊治療の保障内容として、採卵または胚移植の合計が1~6回目まで2.5万円、7~12回目まで5万円の給付金が得られる。出産1回で5万円、2回目で15万円、3回目で25万円など、回数に応じて給付金が貰える。
  • &Life新医療保険Aプレミアのメリット:不妊治療の治療費のカバーのみならず、出産に関わる給付金が得られる点や、女性特有のガンにも備えられる点。多胎妊娠により複数の子を出産した場合は、それぞれの子について1回の出産として出産給付金が出る。
  • &Life新医療保険Aプレミアデメリット:加入年齢期間に申込む必要があるため、41歳以上の方は入れない。 また、加入してから2年間は不担保期間であるため、加入タイミングによっては、メリットを活かせない。

不妊治療中でも加入できる医療保険はある?

不妊治療が長引く中で、思わぬ女性疾患が見つかったり、発症するケースもあります。既にご自身で加入している医療保険でカバーできる場合は活用することがおすすめですが、不妊治療を開始後、医療保険には加入していなかった、という方もいらっしゃると思います。不妊治療は、保険会社が「病気」として見なすケースが多く、一般の医療保険に加入することができない場合があります。そこで、不妊治療中であっても加入できる保険についてご紹介します。

アイアル少額短期保険「子宝エール」

  • 対象者:過去1年以内に、排卵誘発剤の投与/人工授精/体外受精(顕微授精を含む)といった不妊治療を行っている女性のうち、(申込日現在において予定している場合を含みます。) 不妊治療以外の健康状態に問題のない方。
  • 保険の保障内容: 女性疾患で入院した時や、入院、手術の際に給付金が出ます。なお、以下の様な疾病の保障がされます。
    ①卵巣の機能障害(エストロゲン過剰・減少、卵巣ホルモンの機能障害など)
    ②妊娠や分娩の合併症(妊娠中毒症、子宮外妊娠など)
    ③悪性・良性新生物、上皮内新生物(乳がん、子宮がん、卵巣がん、子宮筋腫など)
    ④乳房や女性性器の疾患と障害(子宮内膜症、乳腺症、チョコレートのう胞など)
  • アイアル少額短期保険「子宝エール」のメリット:不妊治療中でも加入ができ、不妊治療が必要でなくなった場合は、通常の医療保険として更新することができる。40歳女性でも月々2,000円前後とリーズナブルな保険料で続けやすい。卵巣過剰刺激症候群(OHSS)・骨盤腹膜炎・子宮内膜ポリープ・帝王切開・卵巣過剰刺激症候群(OHSS)・切迫早産の6つ以外の疾病については保障される。
  • アイアル少額短期保険「子宝エール」のデメリット:不妊治療自体の保障はされないため、治療費のカバーにはならない。不妊治療中のリスクとして一般的な卵巣過剰刺激症候群(OHSS)、卵巣過剰刺激症候群(OHSS)といった内容は保障されない。

出典:アイアル少額短期保険株式会社 子宝エールパンフレット http://www.air-ins.co.jp/products/pdf/kodakara.pdf

不妊治療中の告知義務違反に注意

不妊治療中に保険に加入する場合は、告知義務違反に注意しましょう。告知義務違反とは、加入時の身体の状態に関する情報を適切に告知しないことを指します。自分自身の健康状態を偽って報告することで、契約解除や契約取り消しに繋がりますので注意が必要です。