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不妊治療は保険適用?医療保険には加入したほうがいい?

      2019/01/24

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不妊治療の検討中に気になるのが、高額と言われる治療費です。タイミング法や人工授精といった初期の治療は数万円程度で済みますが、体外受精や顕微授精のような高度生殖補助医療となると妊娠までに100万円以上の費用がかかることも珍しくありません。この記事では、これらの治療費をカバーする医療保険について解説します。

公的医療保険が適用されるのはタイミング法のみ

不妊治療は、タイミング法、人工授精、体外受精、顕微授精へとステップアップしていきます。検査の結果や妻の年齢によっては最初から体外受精が選択される場合もありますが、タイミング法から治療が始まるのが一般的です。

そして残念ながら、公的医療保険が適用されるのはタイミング法のみとなっています。

タイミング法は、排卵日を予測し、妊娠しやすい時期に性行為のタイミングを指導してもらう不妊治療方法です。卵胞の発育や頸管粘液の分泌の状態などを確認して排卵日を特定します。タイミングをとった後は、実際に排卵しているか、黄体ホルモンが正常に分泌しているかなどを調べます。費用の目安は、保険適用で約数千円〜3万円程度です。

出典:岡本ウーマンズクリニック http://www.okamotoclinic.gr.jp/funin/timing/index.html
丘の上のお医者さん 女性と男性のクリニック
http://www.okanouenooisyasan.com/knowledge/infertility/05/

ただし、タイミング法の際に受ける超音波検査には、保険適用できる場合とできない場合があります。一般的に、排卵誘発剤あるいはhCG(排卵を起こすための薬)を使用する周期での超音波検査は、保険適用となります。ただし、回数に制限があるため注意が必要です。気になる場合は医師や看護師、会計を担当している医療事務の方に質問してみても良いでしょう。

出典:ASKAレディースクリニック
https://aska-cl.com/chiryouhi/chiryouhi-jinkou.html

人工授精は、男性から採取した精子のうち、元気な精子だけを人工的に子宮へ注入する不妊治療です。保険は適用されず、料金は人工授精の施術1回につき約1~3万円です。

体外受精は、女性の身体から採取した卵子と男性の身体から採取した精子を容器の中で受精させる不妊治療です。受精卵が順調に細胞分裂をくり返し、胚と呼ばれる状態に成長したところで子宮に移植します。保険適用外の自費診療のため、費用は医療機関によって大きく異なり、採卵と胚移植の施術で約30万~60万円が相場です。

顕微授精は、体外受精で妊娠できなかった場合や、体外受精をしても妊娠できないと考えられる場合に行われる不妊治療です。細いガラス針に質が高い精子を入れ、卵子にガラス針を刺して精子を注入することで、受精を促します。こちらも保険適用外で、費用の総額は約40万~100万円となっています。

人工授精以降の治療は自由診療のため、検査やタイミング法を受けた時に保険適用だった項目も自費扱いとなります。血液検査や排卵誘発剤の薬代、超音波検査といった項目も保険適用外になるということです。

出典:
一般社団法人日本生殖医学会
http://www.jsrm.or.jp/public/funinsho_qa13.html
京野アートクリニック
https://ivf-kyono.jp/medical/cost.php

不妊治療で保険金が受け取れる民間の医療保険

不妊治療を受ける方が増えるにつれ、高額になりがちな不妊治療費を民間の医療保険でまかないたいという声も増えてきました。

そんなニーズを受け、不妊治療の際に保険金がおりる民間の医療保険が現れました。不妊治療については、加入から2年以上経過していないと保険の対象にならないという条件があるため、現在治療を受けている方には適さないかもしれませんが、見直しの参考にしてみてください。

それでは、不妊治療をカバーする医療保険の特徴や加入条件、注意点などをみていきましょう。

日本生命保険の「シュシュ」

出産や不妊治療、がん、急性心筋梗塞、脳卒中などをカバーする医療保険です。日本国内の病院または診療所で特定不妊治療(体外受精または顕微授精)を受けた際に、最大12回まで給付金を受け取れます。

給付金額は、1回~6回目までは1回につき5万円、7回~12回目までは1回につき10万円です。例えば、7回の特定不妊治療を受けた場合は、40万円を受け取れます。ただし、加入から2年以上経過してから受けた特定不妊治療が対象です。

出典:日本生命
https://www.nissay.co.jp/kojin/shohin/seiho/shussan/
https://www.nissay.co.jp/kojin/shohin/pdf/goryui.pdf

アクサ生命の「スマート・ケア」

特定不妊治療における採卵、胚移植だけではなく、男性の精子を精巣または精巣上体から採取する手術も対象となります。給付金はコースによって異なりますが、1回限りの受け取りで最大5万円です。

こちらも保険に加入してから2年以上に受けた治療が対象です。また、戸籍上の配偶者または自分の妊娠を目的とした場合にしか適用できません。さらに、胚の凍結保存のみを目的とした採卵や採精も対象外です。

出典:アクサ生命 スマートケア
https://www.axa.co.jp/product/medical/smart-care/

不妊治療中でも加入できる民間の医療保険

不妊治療を始めてから、「保険に入っておけばよかった」と思う方もいらっしゃるでしょう。しかし、不妊治療中は「病気療養中」と見なされてしまい、新たに保険に加入できないことがあります。

ここでは、不妊治療中でも加入できる民間の医療保険をご紹介します。

不妊治療中の告知義務違反に注意

不妊治療中に保険に加入する場合は、告知義務違反に注意しましょう。告知義務違反とは、加入時の身体の状態に関する情報を適切に告知しないことを言います。

医療保険によっては加入時に健康上の条件を設けていますが、自分の身体の状態が医療保険への加入条件を満たしていないにも関わらず健康だと偽って告知すると、契約解除や契約取り消しに繋がります。

下記の保険は、不妊治療中でも加入できますので、偽らずに申告するようにしましょう。

アイアル少額短期保険の「子宝エール」

子宝エールは、過去1年以内に排卵誘発剤の投与、人工授精、体外受精、顕微授精を行っている20~69歳までの女性が加入できます。

不妊治療にかかる費用を保障するのではなく、不妊治療中でも加入できるという特約を、通常の医療保険に追加した保険です。

ただし、卵巣過剰刺激症候群、骨盤腹膜炎、帝王切開、子宮内膜ポリープ、切迫流産を含む流産、切迫早産の治療を目的とした入院と手術は保険の対象外です。

エストロゲンの過剰や過少、卵巣ホルモンの機能障害など卵巣の機能障害、妊娠中毒症や子宮外妊娠、子宮内膜症、乳腺症、チョコレートのう胞といった女性特有の疾病は保障されます。

なお、給付金は、入院で5日以上入院した場合に日額5,000円、所定の手術を受けたときに1回10万円となっています。

出典:アイアル少額短期保険株式会社 子宝エールパンフレット
http://www.air-ins.co.jp/products/pdf/kodakara.pdf

エイ・ワン少額短期保険の「エブリワン」

タイミング法、排卵誘発、人工授精を行っている場合にも加入できる医療保険です。

不妊治療の費用が保障されるのではなく、異常分娩、乳がん、子宮筋腫、その他の病気やケガなどが保障されます。

30~34歳の女性の場合、月額2,440円で入院1日あたり5,000円、5日以上入院する場合は入院一時金として25,000円、入院中に手術した場合は50,000円の給付金を受け取れます。

出典:エイ・ワン少額短期保険株式会社 
https://a1-iryou.com/
https://a1-iryou.com/news/topics/1193/

執筆者

加藤良大
医療ライター。医療機関のHP・ブログ・情報サイトの記事執筆経験10,000本以上。不妊治療・婦人科・美容医療・歯科など様々なジャンルの記事を執筆中。