高齢出産とダウン症の関係とは?|原因、確率について
2016/03/21
2016/03/21
女性が高齢になると生まれた子供がダウン症になる可能性が高まると言われています。今回は高齢出産とダウン症の関係性や原因、確率についてまとめています。また、『高齢出産まとめ|何歳から?定義やリスク、ダウン症、出産後について』では、高齢出産の定義やリスク、出産後についてまとめています。
高齢出産とダウン症の関係①:原因について
まず高齢出産は何歳からの出産のことを言うのかわからないという方も多いかもしれません。『高齢出産は何歳から?|高齢出産の定義とリスクとは』では高齢出産の年齢や定義についてまとめています。
日本産婦人科学会では、35歳以上の初産婦を「高齢出産(初産)」と定義しています。高齢出産になるとダウン症の可能性が高まる原因は染色体異常にあると言われています。高齢になると女性は卵子や受精卵、男性は精子の分裂異常を引き起こします。それが染色体異常の原因となり、子供がダウン症になりやすくなるそうです。女性の卵子は、12歳~15歳頃に生成され、年齢を重ねていくと一緒に卵も老化していってしまい、卵子や精子が老化していれば染色体に異常を及ぼすことがあるといいます。染色体異常が発生した場合の約20%が父親が原因で、約80%は母親が原因とされ、女性の影響を受けることが多いといいます。ただ、分裂異常が起こるタイミングや条件が様々であるためダウン症の原因は正確には特定されていないといいます。
高齢出産とダウン症の関係②:ダウン症になる確率
日本の新生児の中で約1000人に1人の確率でダウン症であると言われています。ダウン症は体細胞の21番染色体が1本余分に存在して、合計3本(トリソミー)を持つことが原因で発症します。女性の年齢が25歳での出産の場合は1200人に1人の確率でダウン症になるのに対し、35歳以上の高齢出産の場合は290人に1人とダウン症になる確率が上がります。ダウン症の約80%以上の子供が35歳以下の女性から生まれるという統計データもあるようです。
赤ちゃんの染色体異常は、ほとんど偶然的なもので、両親のどちらかが染色体異常を持っているケースもあるのですが、いずれも予防は出来ません。卵子の老化は、染色体異常の赤ちゃんが生まれる原因のあくまで1つですが、なるべく早い段階で妊娠や出産を検討するべきという医師や専門家が多いです。
その他には、精子の奇形もダウン症などの染色体異常を起こしているという研究結果もあります。精子の奇形の原因も加齢が関係していると言われているため、女性だけでなく男性の高齢も染色体異常に影響していると考えられています。
高齢出産とダウン症の関係③:ダウン症の出生前検査
高齢出産になる場合、出産前にダウン症であるかの検査である出生前診断を行うことができるそうです。出生前診断とは、妊娠9~22週頃に行われる「胎児に奇形や病気、染色体異常がないかどうか」を調べる検査の総称のことです。出生前診断の精度は上がってきており、ダウン症をはじめとする染色体異常の病気などが事前に分かるようになってきたそうです。
しかし、出生前診断にはリスクも伴います。確定診断と言われている羊水検査や絨毛検査では、腹部に針を刺して羊水や繊毛を採取します。そのため、流産や羊水流出などのリスクが高まってしまいます。また、検査の結果、ダウン症であることが分かった時に、どのようにするかはご夫婦に委ねられるようです。出生前診断は不安を取り除いてくれることもあるようですが、リスクがあるので。夫婦間や医師との相談の上、決定していくようにしましょう。
『45歳でも妊娠したい|40代の不妊治療ブログまとめ』では高齢出産を目指す方、実際に高齢出産を経験した方のブログをまとめています。参考になる部分があるかもしれません。
出生前診断の方法
- 超音波診断
お腹に超音波を当て、痛みを感じずに診断を行うことができます。胎児や子宮内の様子を映像化することができ、胎児の心拍や体重、身長、血液、骨格などを診察することが可能です。 - 血清マーカー検査(クアトロテスト)
母親の血中にある物質を調べ、お腹の赤ちゃんの染色体数や神経管閉鎖障害の可能性を「パーセント数値」で予測します。妊娠15週~21週までの間にしか受けることができない検査で、この検査結果を元に羊水検査を受ける場合、18週までになるため早期に検査をする必要が出てきます。 - 羊水検査
赤ちゃんを子宮内で守っている羊水を少し採取して、羊水中のアルファフェトプロテイン値を測定する検査です。血清マーカー検査よりも、「染色体」や「遺伝子」異常があるかを正確に診断する事ができるのですが、200分の1から300分の1の確率で検査の後、4週間以内に流産したり死産したりするリスクがあるそうです。 - 絨毛検査
妊娠10週~12週の時期に結果を知ることができる検査です。しかし、胎児奇形発生の原因になる可能性があり、こうしたリスクの高い外的刺激は、器官形成期が過ぎてから行う方が良いとされ現在はほとんど行われていません。
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