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着床障害の原因を探るために。子宮内フローラ検査は有効?

      2018/12/27

待合室-min

福岡県天神から徒歩1分の好立地にたたずむIVF詠田クリニック。不妊治療netの中では「説明が的確でわかりやすい」「納得のいく治療が受けられる」といったお声が多く、1999年の開業以来、不妊の原因について追求し続ける事を大切にされています。不妊原因の中でも、今回は着床障害の検査について詠田院長に、お話をお伺いしました。

早い段階で的確な診断に繋げるために。不妊原因の追求が重要。

――貴院のホームページに、詠田先生が最も大切にされている事の1つとして「不妊の原因を追求すること」を大切にされているとありますが、不妊原因の追求が重要だというお考えに至ったきっかけは何だったのでしょうか。

詠田先生:体外受精・顕微授精などの ART治療も卵管因子、男性因子の方に行えばすぐに妊娠に至りますが、治療に取り組む中で ART治療 を行っても妊娠に至らない患者様がおられることを経験し、着床障害に早くから取り組んできました。着床には胚の因子だけではなく、子宮形態や血流環境と様々な要因が複雑に交差します。早くそれらの原因を取り除くためには早期に的確な診断が必要と考えてきました。

――貴院では「説明が的確でわかりやすい」「納得のいく治療が受けられる」といった声が多く聞かれますが、患者様にその原因や治療内容をお伝えする際に何か配慮されていることはあるのでしょうか。

詠田先生:自分自身を高校生の頃に戻して、何も医学を知らなかった時期に帰って患者様に一つ一つ原因の説明をしています。例えば、 生理不順に誘発剤を簡単に渡すのではなく、どこ が原因で生理不順で、この薬剤はこのような効果があります、と説明すると患者様はよく理解されて、ご自身で治療に向き合うようになります。患者様自身が 理解できる説明をすることが最も大切だと思っています。

――患者様ご自身が治療と向き合えるようになる、ということですね。

着床障害における子宮内フローラ検査は有効

――不妊の原因は患者様によって異なると思いますが、例えば、なかなか着床に至らない・何度も流産してしまうといった場合に検討されることはどのようなことがあるのでしょうか。

詠田先生:子宮の形態(子宮腺筋症、筋腫)、子宮の解剖学的位置(手術や内膜症の疾患による子宮の傾き)・子宮や骨盤の血流障害など、着床に関する解剖学的要因の経過、子宮内のサイトカインネットワークや、フローラなどが変化し恒常的な状態が変化した結果が着床障害です。内診、超音波、MRI、血液検査で原因を見極め、一個一個を解決しながら追加できる検査として子宮内フローラ検査やそれに対する積極治療を行っています。

――原因不明の場合、諦める患者様も中にはいらっしゃると思いますが、着床障害における子宮内フローラ検査は、原因不明の方にも有効だと思われますか?

詠田先生:詠田先生:有効だと思います。2~3回良好胚移植にて妊娠に至らない場合は積極的におすすめしています。

子宮内フローラ検査の結果、悪い場合はどのような治療で改善?

――貴院でも子宮内フローラ検査を導入されていますが、導入に至った背景や、どのような点に着目されて実施しているのでしょうか。

詠田先生:細菌性腟症*の妊婦では、妊娠中の早産に関連するとの報告があり、着床改善、妊娠後の早産予防目的にフローラ検査の導入を決定しました。腸内フローラなどの報告もあり免疫力上昇という点にも着目しています。

――貴院で子宮内フローラ検査を実施してから、それ以前と何か変化はありましたか?

詠田先生:以前に比べ子宮、膣内単在菌の意識が高くなり患者さんも検査を受けることに積極的になりました。また、β群溶連菌が比較的多く頸部より検出されており、これらの治療にも役立っています。

――貴院の場合、検査結果が悪かった場合、どのように治療や改善をはかっていくのでしょうか。また、子宮内フローラの環境を良くすることで着床率が上がるのでしょうか。

詠田先生:当院では、ラクトフェリンと乳酸菌を内服、膣内投与で処方しています。副作用のない薬剤ですので治療に苦慮することはありませんが、患者様によって治療に時間のかかる方もおられます。着床率はやや改善したと思われます。

――どのような方に、子宮内フローラ検査を受けて頂きたいと考えていらっしゃいますか?

詠田先生:流産既往歴のある方、良好胚移植2~3回で妊娠に至らない方、膣炎やその他の感染症をおこしやすい方に受けて頂きたいですね。

詠田先生からのメッセージ

不妊治療は早く開始されることをおすすめします。原因が1個で、なおかつ小さければ、早く妊娠することができます。多くの要因が複雑に絡んで不妊症になられている方は、ひとつひとつ確実に解決していくことが重要です。着床障害もその中の1つです。着床は不妊治療の最終プロセスです。良好な胚を移植したにもかかわらず着床に至らない状態という条件があります。早く着床障害であることに気づき、身体に負担のない検査や治療を開始することをおすすめします。

詠田由美院長のご紹介

院長写真2-2

1980年福岡大学医学部卒業
1989年より福岡大学医学部にて体外受精研究を開始
1995年福岡大学病院不妊治療グループリーダー
1999年福岡大学病院を退職し、アイブイエフ詠田クリニックを開業
日本産科婦人科学会認定産婦人科専門医
日本生殖医学会認定生殖医療専門医

*膣内細菌のバランスが崩れたときに起こる腟の感染症のこと。

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