アメリカの不妊治療③自費で払えるか不安に。1回の移植で200万以上?
2018/10/16
2018/10/16
日米両方の不妊治療クリニックへ通院経験のあるアメリカ東海岸在住のマナミさんによる、アメリカでの不妊治療体験レポート第3回目です。治療費の不透明さに加え、医師の治療方針とは裏腹に、保険会社の保険内容に左右されてしまいがちなアメリカでの不妊治療。マナミさんは結局いくらで治療を受けられたのでしょうか…?
アメリカでの不妊治療|背中を押した夫の一言
私も夫も、いつからでも治療を始めたい気持ちはありましたが、私は同時に、少し躊躇もしていました。アメリカでは治療費の見通しがつかず、私たちに払える費用感なのか?と思ったからです。幸い夫が前向きな人で「極端な話だけど、子供(今既にいる第一子)に1000万以上の価値があると思うでしょ?それなら、お金のことは後で考えればいいから後悔のないようやれることはやろう」と言われ、確かにお金では計れない大事な存在ですので、すぐに治療を始めることに決めました。
日本でもアメリカでも共通して言えることですが、不妊治療をする上で経済的な不安は避けられないと思います。
高額な医療費ということに加え「ゴールがない」といいますか、一体どの位の期間、治療をするかわからないので、お金がいくらかかるかわからない漠然とした不安をかかえる方も多いと思います。
アメリカの不妊治療、1回の移植で220万円以上?
日米の違いとしては、日本では、例えば一回あたりのIVF(体外受精)やAIH(人工授精)の値段が病院ごとに明確に表示されていますよね。
アメリカでは、まず保険が使えない場合(全額自費)は、大体の金額を提示してもらえます。私が通っていた病院は、採卵周期は大体13,000ドル(日本円で約145万円)、それに薬代が大体1ヶ月で2,000-3,000ドル(日本円で約22万~33万円)かかります。
移植は自然周期で1回2,500ドル(日本円で約28万円)、ホルモン補充周期ですと、これに薬代が大体2,000ドル(日本円で約22万円)程かかります。
どこの病院も妊娠成功率の表示が義務付けられており、成功率が高い病院ほど値段も高いです。
凍結にもお金がかかりますので、日本と違い、少しでもコストを抑えるため新鮮胚移植が主流です。
請求書に毎回ドキドキ。保険のおかげで100万円以下に。
保険が一部カバーしてくれる場合は、実際に病院で採血やエコーを受けても、当日には支払いません。数ヶ月してから手紙で請求がきますので、いくらかかったのか毎回ドキドキしていました。
私の場合ですが、初診の血液検査7,500ドル(日本円で約84万円)は保険適応で500ドル(日本円で約5万6千円)ほどに、その後の基本的な検査はほとんど50ドル/回(日本円で約5千6百円)でした。後からわかってホッとしたのですが、体外受精も3回までは1回600ドル(日本円で約6万7千円)ほど、それ以降は全額自費になりましたので、今思うとかなり良い保険だったと思います。
元々入っていた保険は一切不妊治療がカバーされなかったので、年間3000ドル(日本円で約33万6千円)払い、一部負担される保険に二重加入したのですが、結果的には人工授精6回に採卵1回で、100万円かからないくらいだったと思います。
夫の転職で保険も変わる。不妊治療のカバーがない保険に。
ただその保険が有効なのは一年間のみでした。アメリカでは夫の所属(会社や学校)が変わる度、勤務先が契約している保険に必ず変えなくてはいけません。夫の職場が変わり、この夏から契約が始まった保険は不妊治療のカバーが一切なかったので、秋以降の移植は自費ということになります。
ちなみに、アメリカの人はこんな高額な医療費を払えるのか?と誰もが考えると思いますが、IVF用のローンも組めますし、お得なセットの料金を用意している病院も多いのです。
例えば、IVF2回分くらいの金額で3回までできるが、1回、もしくは2回目で妊娠したら損をするというようなセットの料金設定がある病院もあります。
第4回、アメリカの不妊治療④合理的な治療で精神的負担も軽減?着床前スクリーニングも選択可に続きます。
*体験にもとづくお話のため、本コラムの内容がアメリカのすべての病院や保険にあてはまることではありません。
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