医療費控除の申請方法について|確定申告が必要?
2016/02/22
2021/01/25
不妊治療は高額になることが多いので、医療費控除が不妊治療に適用できるのかというのは重要な問題かもしれません。今回は不妊治療における医療費控除の申請条件・申請方法・確定申告についてまとめています。
医療費控除の申請方法①:医療費控除とは
体外受精や顕微授精などの高度生殖医療は健康保険の適用外であり、不妊治療には高額な費用がかかってしまうものです。ただ、他の病気と同じように、多額の医療費用がかかる不妊治療は医療費控除の対象になっています。不妊治療の際に助成金を受けたとしても、医療費控除の対象になるので、確認しておくのが良いかもしれません。
そもそも医療費控除とは、かかった医療費の一部を税金(所得税)から控除することです。 医療費控除は確定申告をしなければならない、確定申告の際に必要なものなどの必要条件があります。 どのような不妊治療が不妊治療の医療費として認められるのか、医療費控除の申請条件・申請方法について知っておきましょう。
医療費控除の申請方法②:医療費控除の確定申告
通常、医療費控除は1年間の不妊治療費が10万円を超えていたり、所得金額の5%を超えていたりする場合に、確定申告をすることで医療費の一部を税金から控除することができます。その際、ご夫妻ともに収入がある場合は、収入の多い方が確定申告をし、医療費控除を請求したほうが得になります。過去に医療費控除の申請をしていない方であれば、過去5年間分までさかのぼって申請することもできるそうです。
医療費控除対象の医療費は合わせて計算することができるといいます。つまり、不妊治療にかかった医療費だけでなく1年間の医療費をあわせた通算金額が医療費控除の対象となる金額になります。特に保険適用外の体外受精や顕微授精などの不妊治療をおこなった年は医療費が高額になりがちですので、医療費控除を申請するのが良いかもしれません。ただし、確定申告・医療費控除の申請の際には領収書が必要になってきますので注意が必要です。
医療費控除の申請方法③:医療費控除の手続き
医療費控除の申請の際に必要なものは以下の通りです。
・医療費の領収書やレシート
・源泉徴収票の原本
・医療費控除分の内訳書
・保険金や助成金などの明細
・身分証明書
・還付金を受け取る口座番号や印鑑
確定申告書に必要事項を記入し、領収書と一緒に税務署に提出すると医療費の控除分が返金されます。不妊治療にかかった医療費から10万円および医療保険金・助成金を差し引いたものが対象です。その金額に課税所得額に応じた税率をかけた金額が手元に返ってきます。基本的には医療費控除の申請から約2ヶ月ほどで指定の口座に振り込まれるようです。
医療費控除については、税務署へ確定申告をしなくてはいけません。最近ではインターネットを利用して作成をすることも可能になっています。プリントアウトして、必要書類を同封後に郵送すれば申請ができるとのことです。国税庁のWEBサイトにも確定申告・医療費控除の申請の手順が詳しく載っています。税務署では書類の不備がないかどうかもチェックしてくれますので、分からない場合は直接税務署に行くと良いでしょう。
一般的に税務署が混みあうのは、2月~3月の確定申告の時期です。4月頃の空いている時期に行ってみるのがおすすめです。
医療費控除の申請方法④:医療費控除の対象になるもの
不妊治療の医療費控除の対象となる(=医療費として認められる)費用、ならない費用の例は以下のようなものがあります。
1.医療費控除の対象になる費用
・通院にかかる交通費
・治療に伴う急な体調不良などで使用したタクシー代
・医療目的で購入した市販の薬代
・入院時の食事代・差額ベッド代・必要とされる備品代
2.医療費控除の対象にならない費用
・サプリメントや栄養ドリンク、健康食品など、薬以外の費用
・車のガソリン代
・妊娠判定薬や排卵検査薬
・入院のために準備したパジャマなど用品の代金
・1日がかりの検査の時の昼食代
交通費や市販の薬でも対象であったり、タクシー代は対象なのにガソリン代は非対象であったりと少しややこしいので、事前に知らないと間違えて医療費控除の申請をしてしまいがちです。不妊治療の医療費控除の対象・非対象をしっかり確認して、領収証を保管しておくようにしましょう。
医療費控除の申請方法⑤:医療費控除の計算方法
不妊治療における医療費控除の申請をした後に、実際にいくら手元にもどってくるのでしょうか。還付されるべき税は所得税と住民税となります。税率というのは、年収に応じて変わってきますが、一般的なサラリーマンの年収の所得税と住民税は合わせて20%と言われています。
・不妊治療における医療費控除の計算方法
医療費 -(助成金額+医療保険の給付金額) - 10万円 = 医療費控除額
例えば、不妊治療をおこなった年の1年間の医療費合計が70万円、助成金が15万円、医療保険が0円だった場合、医療費の合計から助成金分と、10万円を超えた額が医療費控除の対象になるので10万円を引いて、最後に税率の20%をかけます。
70万円 - 15万円 - 10万円 = 45万円 × 20% = 9万円
が医療費控除で手元にもどってくるお金になります。
不妊治療の場合には、医療保険の給付金を受け取っていないことが多いかと思います。医療費控除の制度をすれば、少しでも不妊治療費の負担を和らげることができることができるかもしれません。
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