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自然周期法の体外受精、実際どんな方法で行う?

2019/09/26

2022/12/06

前回のコラムでは、「あいだ希望クリニック」の会田先生に、自然周期法に向いている方、自然周期法はどのような方法なのかお伺いしました。今回は、自然周期法の体外受精は実際どんな考えで、どんな方法で行うのかおうかがいしています。

 

体外受精は卵管の代わり?卵子が育つ卵管の機能とは。

ー 自然周期法における体外受精というのは、自然妊娠でどのような事で上手くいかない場合に行われると考えた方が宜しいのでしょうか。

会田先生:体外受精というのは卵管の代わりを外でやるということなんですよ。 受精卵は卵管の中を通ってきて、育ってきて、細胞分裂が進み、桑実胚(そうじつはい)という形で子宮内に入り、胚盤胞になって、卵が殻から孵化して、そのまま着床するということになるんです。

つまり、卵管の代わりを外で培養するということが体外受精なんですね。 卵管の機能というのが、実は検査ができないんですよ。

卵管が通っているのかどうかは分かりますが、卵管が卵子を捕まえることができるかとか、卵管内の培養環境がいいのか悪いのかという事を、今の状況からすると調べられないんです。

なので結果論で行くと、体外受精が必要な人というのは主に卵管に問題がある人。 体外受精を、外で受精して培養して育てるというのは、卵管の代わりを外でやっているんだよという認識なんです。

卵管がしっかり働いてる人は、体外受精はやらなくていいと思っています。

やってみて上手くいかない、ということになると、その時の卵子が良くなかったとか、精子の問題なのか、 受精卵自体の遺伝子や染色体の異常なのかとか、様々な原因が考えられます。

体外受精では卵管の環境を再現することが大切。

ー 卵管は通っていればいいのかなと思っていたのですが違うのですね。

会田先生:まずは、卵管の機能として「卵子を捕まえること」、「中で受精の場を作る」、「受精を促す」ということ。

最終的には卵管液から栄養を吸収して、卵子が育ってくるのでそういう環境が整っているということが大切ですね。

ー 卵管の中で育っているということですね。

卵管の間で、卵子は細胞を増やしながら育ってくるので。卵管の中の状況というのは本当に大切です。

ー 体外受精では培養液の中でその環境を再現しているということになりますか?

会田先生:そうですね。本来であれば受精卵にとっては卵管の中の方が本当はいいはずなんですよ。

私達が、培養するという環境では、培養液やインキュベーターという培養庫がありますが、いわゆる万人受けする環境なので、その人にとって良いかどうかは、ある意味やってみなければわからないですけれど。

自然周期の中でも移植の時期は、卵子が初期の分割胚という4細胞期、6、8細胞期などで移植するか、胚盤胞というところまで育てるか、という話があります。

多くは胚盤胞まで育てた方が移植すると妊娠率が高くなるため、胚盤胞移植を行う施設がほとんどです。 当院では、あまり受精卵を外で育てたくないのもあるので、初期胚で移植をするということを最初に行います。こちらで預かっている期間がだいたい2日間なんですね。

卵子を採卵して、人生3万日のうちのわずか2日間だけ、こちらで預かりますよと患者さんに言っていますので、そういう意味で、より自然に近いということで。 そこで妊娠しない場合は、中の卵管や子宮の環境が外より良くないのではないか、育てる栄養が足りないのではないか、といった様々な原因が考えられるので、そういった方は、胚盤胞まで育てて移植をするという方法を取ります。

実際に体外受精というのは容器の中に培養液が入った容器の中に、卵子を一つ入れて上から精子をよく「ふりかけ」とかいいますが、ふっと入れることで、卵管の先で出逢っている状況がその中で起きるわけです。

その後「受精しているよ、分割しているよ」と確認できたら、子宮の中に入れてしまう。 そのためにはいかに良い卵子を採るか、いかに良い状態の精子と受精することができるか、ということが妊娠の大部分を決めるのではないかと。

いかにいい卵子を採るか、と考えると自然周期法が良いのではないかと思います。

自然周期法の採卵のタイミングはいつ?どうやって行う?

ー 採卵をするタイミングというのは、排卵直前ということになりますか?

会田先生:それが一番良いです。その採卵のタイミングを診るためにホルモン値の計測をします。

ホルモン値の計測によって、だいたいいつ頃排卵するという予測がつくので、それに向かってぎりぎりまで引っ張ったタイミングで行うというのが通常です。

そのためにホルモン値の採血は必須になるんですけど、刺激周期法メインの施設ですと、ホルモン値はあまり関係ないことが多いんですね。

ある程度薬でコントロールし、卵胞の大きさで20ミリを超えたら、その日の夜にhCGという薬を打って、2日後の午前中に採卵しましょう、という流れになるので、ホルモン値を見ていないこともあります。

ホルモン値を見ないと、卵胞が大きくても実は卵子の中身が入っていないこともありますし、ホルモン値が低く出たりするんですよ。

自然周期法の場合は、例えば、今日来て明日の朝の4時くらいに排卵するだろうなといった事がかわかるんですよ。 排卵する6時間位前から採卵はできるのですが、できる限り、排卵ギリギリで採卵した方がいいんですね。

それでも夜中の10時とか12時とか、クリニックの診療時間外に排卵、ということもあるので、排卵を抑える薬を用いながら、本当は排卵して卵管で精子と出会える時間くらいに採卵することもできるようになってきたんですよ。

本来は排卵させないようにする、ボルタレンという薬を使うと、卵巣に穴が開かなくなり、排卵しなくなることがあるんですね。痛み止めの効果もあるので使っています。

本当は卵子が卵巣に浮かんでいる時間じゃないと採卵はできないのですが、そのような薬を用いることで、採卵可能な時間を18時間位引き延ばせるので、病院の診療が行われている午前中に採卵が可能になります。

かつ、採卵の時間を引き伸ばすことによって、本来、卵管にいる状態の卵子ということになるので、卵子にとってはベストなタイミングになります。早すぎる時期に採ると未成熟卵になってしまうんです。

自然周期法の針は細い?痛みも少ない?

ー 貴院での採卵時の針は特殊なのでしょうか。

会田先生:針は細いですね。当院で採卵に使用している針は、採血で使っている針と太さはほぼ一緒です。

また、採卵する卵子の数が1個~2個のことが多いので、麻酔などをしないほうがいいんですよ。麻酔の副作用もありますし。そうすると、採卵と採血って、そんなにやってることが変わらないんですよ。

超音波の機械をグッと充てると、膣の皮下組織のすぐ下に卵胞があるというような状況なので、そこを少し刺すだけなんですよ。 短い場合は、本当に3mm位で刺せてしまうんです。

1cmもあればだいたい刺せます。採血も皮膚を超えて、血管に1cmくらい刺して行うので、やっている事はあまり変わらないんじゃないですか、と。

となると、針の太さが変わらないから、痛さもさほど変わらないんです。採血と変わらないから、麻酔もする必要ないということで、行っていません。

ただ確かに、10個とか20個とか多く採卵をする施設だと、針も太いでしょうし、痛みもあるでしょうから、麻酔をした方が良いとは思います。

私は今まで3万件くらい採卵をしているのですが、(痛くて)1人もできなかった人はいないですね。どんな痛がりの人もできたから大丈夫だと思います。

採卵前から大騒ぎしていた方が、「先生いつ刺すの??」といわれて「もう刺したよ」といったら、「早く言ってよ」と言われたことはありますね。(笑)

痛い時ももちろんあるんですけど、ほぼ採血と変わらないので。 麻酔のために太い針をさすとか、点滴とかをするとか、副作用を考えるとできるだけしないほ うがいいかなと思いますね。痛み止めは、先ほども話に出ていたボルタレンなどを使っていますので。痛みは少し抑えると言うことにはなりますね。

自然周期法における体外受精について大変分かりやすくご説明いただきました。体外受精は卵管の代わり、というお話や、痛いイメージがあった採卵も、採血と同じ太さの針、と聞くと少し印象が変わってきますね。会田先生ありがとうございました。(不妊治療net編集部)

 

会田先生のご紹介

会田 拓也

経歴

1997年3月 順天堂大学医学部卒業
1997年4月 順天堂大学医学部産科婦人科教室入局
2002年10月 山王病院リプロダクションセンター
2003年3月 順天堂大学大学院医学研究科卒業
2006年1月 越谷市立病院産婦人科
2006年12月 高崎ARTクリニック院長
2009年12月 加藤レディスクリニック
2011年9月 Shinjuku ART clinic 診療部長
2014年7月 あいだ希望クリニック 院長就任

所属学会・資格

順天堂大学医学博士 日本産科婦人科学会専門医 日本生殖医学会 日本受精着床学会 日本卵子学会 日本IVF学会

※あいだ希望クリニックは、2022年11月30日をもって閉院しております。