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いつまでに何人欲しいのか。不妊治療は戦略が大事。

2019/09/25

2019/09/25

 

不妊治療は長期化すると「先が見えなくて不安」、「経済的にも負担が大きくなる」など、「大変」というイメージを持たれています。
しかし、浅田レディース品川クリニックの院長、浅田先生によれば不妊治療においては、戦略をもって取り組むことが大切、とのこと。ベストなやり方で早く妊娠に至るためには、いったいどんな戦略をたてれば良いのかお話をお伺いしました。

 

1回の採卵で二人目、三人目も。戦略的に行う不妊治療とは

ー 貴院の方針でもある「one and done」とはどういった方針なのでしょうか。

浅田先生:「one and done」というのは、その人の卵巣予備能に合わせて適切な卵巣刺激を行い、1回の採卵でより沢山の卵子を採り、胚移植を複数回出来るようにする、ということです。

卵子というのは鶏が卵を1個ずつ産む様に出てくるわけではなく、実はヒトを含む哺乳類では、卵子は生まれる前に沢山作られ、卵巣に保存されています。その後、2度と作られることはありません。卵巣予備能(卵巣に残された卵子の数の目安)に従って、一定の割合で、ある程度の数の卵子がいつも同時に育っているんです。

通常、ヒト以外の哺乳類は、右の子宮、左の子宮、と、子宮が二つあるのですが、ヒトは一人の赤ちゃんを生むために子宮が一つになり、成長中の良い卵子も捨てて、1個の卵子だけを排卵するわけです。

この1個の卵子の排卵に合わせてタイミングを取ったり、人工授精を行う、というのが一般不妊治療なんですね。体外受精になると、注射を打って刺激をして、途中で捨てられてしまうはずの沢山の卵子を同時に育てて、まとめて採れるようにします。

その結果、妊娠率が高くなります。どの位の卵子が採れるかというのは卵巣予備能に比例しているんです。

体外受精のメリットは妊娠・出産の時期を計画できること

10年位前から凍結保存の技術が進歩したことで、まとめて採った受精卵を保存することができるようになりました。

しっかりした体外受精を行えば、ある程度の数の受精卵がきちんと確保でき、しかもそれが凍結保存できる。凍結保存することによって時間が止まり、卵子の老化を止めることができるわけです。あとは、自分の都合に合わせて移植していけば良い。

ある程度計画的に、妊娠・出産がコントロールできるんです。体外受精の一番のメリットはそこにあるんです。

浅田先生

年齢に応じて、必要な卵の数は変わってくる

30代前半だと、一人の赤ちゃんが生まれるためには卵子が10数個必要になります。30代後半になると20個~40個位、40代になると80~90個必要、というように、ほとんど倍々に増えていきます。
これは、年齢を重ねて卵子が古くなることによって受精現象が起きたとしても、染色体異常が増えていくからです。

簡単に言うと、卵子が古くなることによって細胞分裂のシステムが少し故障するというような感じです。そのため、沢山の卵子が必要になってきます。

例えば、30代のカップルが12個必要だったとしましょう。いっぺんに12個とれれば採卵が1回で済みます。20個採卵出来たとしたら、1人ではなくて、2人・3人分が1回の採卵で出来てしまうわけです。

または、38歳で体外受精をした場合、その38歳の時の受精卵が凍結して残っていれば、41歳でも42歳になっても、38歳の妊娠率をキープできます。

年齢より卵子の老化が問題

ー 例えば40代前半で移植した場合でも、その人が30代後半に卵を20個凍結していたら、30代後半のその卵の数で、妊娠が望めるということですよね。つまり、卵子の老化の方が問題であるということでしょうか。

浅田先生:そうです。若いうちに、「one and done」で受精卵を卵巣予備能に見合っただけの数が凍結保存できれば、後は凍結時の年齢のままの妊娠率をキープした状態で計画的に妊娠でき、非常に大きなメリットを得ることができます。

卵巣予備能を知り、子供を何歳で何人欲しいのか、不妊治療の戦略を

卵巣予備能はAMHである程度わかります。年齢と卵巣予備能、この二つの情報を基に、自分の人生の中で何人子供が欲しいのか、いつ欲しいのかという計画を練り、それに対して当然戦略を決めなければいけないわけです。

その戦略がないまま、いつ妊娠できるか分からないような妊娠率の低い治療を延々と繰り返していると、「不妊治療は大変だ」ということになります。

患者様の中には、見通しもなく闇雲に治療を続け、時間とお金を無駄にし、より良い治療をしていたら早く妊娠していただろうと思われる方が沢山いらっしゃいます。

正しい情報を得て、自分がどのような作戦で行くのか決めることが重要です。どの治療にも、治療方針という見通しがあり、その見通しがしっかり立っていない治療を続けていてはいけない、というのが私の意見です。

浅田レディース品川クリニックのロビー

浅田レディース品川クリニックのロビー

ー 現在の凍結技術は高くなっているということですが、卵子凍結をすれば良いのでしょうか?

浅田先生:卵子凍結は実用的にはなってきましたが、凍結に対しては受精卵の方が強いんです。今のガラス化法(Vitrification)というやり方は、受精卵を瞬時に凍結する技術です。

今は分割期でも、胚盤胞期でも、凍結融解時の生存率は99%以上です。これが、卵子凍結になると生存率が95%ぐらいになります。

凍結というのは、技術の進歩によりだんだん実用化されてきました。技術が低い時代には、卵子が壊れてしまい、デメリットがメリットを上回ったため実用化はされませんでした。

しかし現在では、99%以上がサバイバーになったので、凍結することのデメリットを考えなくても良くなったんですね。そのため、当院は「Freeze All(フリーズオール)」で受精卵を全て凍結しています。

凍結胚の方が新鮮胚(凍結していない胚)より妊娠率は高い


採卵のために注射を打った周期にそのまま(胚を)戻すという従来の体外受精(新鮮胚移植)は、妊娠率が低いんです。凍結した胚の方が妊娠率は高い。それは、新鮮胚移植の場合、ホルモン状態が異なっているために子宮内膜の受容の状態が悪いからです。

昔は凍結障害があり、受精卵(胚)を凍結しても、結局壊れてしまったら移植にまでたどり着けないため、新鮮胚移植を沢山行っていました。

その際に余った胚は凍結しておく、というやり方です。しかし、今は凍結障害が殆どなくなったので、新鮮胚移植を行なうより、子宮内膜の整った刺激をしていない周期に戻した方が良い。それが「Freeze All(フリーズオール)」の理論です。

卵子凍結をしておけば、妊娠は後ろ倒しでもOK、と考えるのは間違い?

ー 凍結技術が高くなって、卵子凍結をしておけば、妊娠は後ろ倒しでもOK、と考える人もいるのではないかと思いますが

浅田先生:卵子の場合は、卵子で凍結すると、未だに受精卵より凍結障害が少し多い。

卵子は受精して精子が入ると、卵の表面近くにある表層顆粒というカルシウムのつぶつぶがはじけてバリアを張り、強くなると言われています。それは2匹目、3匹目の精子が入りにくくするためと言われています。定かではないですが、強くなるのは間違いありません。

浅田先生

未受精卵子を保存しておくというのは、少々効率が悪いのです。例えば10個の卵子があったときに、精子を普通に振りかけると、受精率は65%~70%位です。

当院が顕微授精を行うと受精率は85%ですが、正常な受精は80%くらいです。つまり、10個卵子があっても受精卵になるのは8個です。そこから分割するのはまた少なくなるわけですね。ですので、例えば受精卵が12個あったら1人の赤ちゃんになるという割合も、未受精卵子の場合で考えるとその倍くらいの卵子が必要になってくるんです。

未受精卵子の場合は、ご主人との遺伝子の組み合わせによってその後の成績が影響を受けます。
卵子凍結は受精卵より多くの数が必要ですが、確かに時間は止められます。だから将来的には一つの戦略となっていくと思います。

しかし、卵子凍結を行っていた施設の中には、卵子だけの保存を中止し始めている施設があります。また、妊娠の効率を考えると、卵子の保存を30代後半で行うのでは遅いんですね。もっと早い段階で凍結をしておかなければいけない。

当院では、がんの患者さんのように医学的理由がある場合に限り卵子凍結をしています。
がんの患者さんの場合、一生懸命採卵し、たとえ凍結卵子の数が少なくても、それが癌の化学療法の辛い時の希望の糧にもなるわけです。

「大丈夫。卵子はあるから可能性はゼロではない。だから頑張ろう」と。ただ、一般の人が「卵子はあるから、結婚は遅くても大丈夫」と考えることはやめてほしいですね。卵子を保存したから安心だなんて、誰にも言えないわけですから。

卵子凍結するより先に妊活を考えて欲しい


卵子の凍結よりも、まず早く結婚することを考えてほしいですね。その後、子育てが待っているので、40歳で出産した場合、子供が成人する頃には60歳になるわけです。ご主人が自分よりももっと年上だったらご主人は定年になる、そういった事も考えた方が良いと思います。

 

卵子の凍結は昔は実用的ではありませんでしたが、次第に実用的になってきています。でも私は、今のところ医学的な理由に限っています。

事実婚、LGBTの婚姻等、多様化すると卵子凍結も一般的に?


卵子凍結も、そのうち線が引けなくなってくるという気もします。事実婚が増え、また色々な人を受け入れていかないと結果的には子供が増えていかなくなるでしょうね。
LGBTの婚姻、事実婚等、婚姻や家族の形の多様化に伴い、卵子凍結も更に求められてくると思うので、それも受け入れていかなければいけないのかなとも思っています。

がんの患者さんに対して治療後に備えた未受精卵子の凍結を行う一方、健康な状態の方については将来に備えた未受精卵子の凍結を行なわない、というのは矛盾している部分があるとも感じています。
社会が変化していく中で、将来的には、未受精卵子の凍結に関する方針も変わっていくのかなという感じもしています。

【浅田先生の考え・浅田レディースクリニックがよく分かる記事はこちら】

不妊治療のパイオニア。治療の見える化で患者に寄り添う治療を

浅田義正先生のご紹介

浅田義正
医学博士
日本産科婦人科学会認定 産婦人科専門医
日本生殖医学会認定生殖医療専門医
1982年3月
名古屋大学医学部卒業
1988年
名古屋大学医学部附属病院産婦人科医員として「不妊外来」および、「健康外来(更年期障害・ホルモン補充療法)」の専門外来を担当
1992年
医学博士
1993年~1994年
米国最初の体外受精専門施設に留学し、主に顕微授精(卵細胞質内精子注入法:ICSI)の基礎的研究に従事
The Jones Institute For Reproductive Medicine, Eastern Virginia Medical School, Norfolk, Virginia
1995年
名古屋大学医学部附属病院分院にてICSIによる治療開始。以後、辞職まで名古屋大学の顕微授精症例の全症例を自ら担当同年5月、精巣精子を用いたICSIによる妊娠例の日本初の報告
1998年
ナカジマクリニック不妊センター開設
2004年3月
浅田レディースクリニック開院(現・浅田レディース勝川クリニック)
2010年3月
医療法人浅田レディースクリニック開設
2010年8月
浅田レディース名古屋駅前クリニック開院
2018年6月
浅田レディース品川クリニック開院

浅田レディース品川クリニックの病院詳細
浅田レディース名古屋駅前クリニックの病院詳細
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