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卵子・精子に優しい顕微授精?ピエゾICSIとは?|桜十字渋谷バースクリニック取材

      2018/12/18

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この春、渋谷から徒歩5分の位置に開院された桜十字渋谷バースクリニック。今回は、桜十字渋谷バースクリニックで導入されている卵子と精子に優しい顕微授精「ピエゾICSI(イクシー)」について井上院長にお話をお伺いしました。

ピエゾICSI、卵子・精子に優しい?従来の顕微授精と何が違う?

――――編集部:貴院ではピエゾICSI(ピエゾイクシー)を導入されていますが、ピエゾICSIとはどのような顕微授精なのでしょうか。一般的なICSIとどのような違いがあるのでしょうか。

井上先生:Piezo-ICSI(ピエゾICSI)はもともとマウスのICSIを可能にするためのもので、動物実験で広く使われていました。ヒトでも行われておりましたがあまり普及しておりませんでした。しかし針の改良により一般化しております。従来の顕微授精(ICSI)では、針の先端が尖ったピペットで精子の尾部を傷つけて「不動化」という精子が受精能を獲得し、受精しやすい状態にする処理を行います。

一方で、Piezo-ICSI(ピエゾICSI)では先端がフラットなピペットを用いて、精子の尾部にピエゾパルスという振動を与えながら精子の不動化を行うため、精子へのダメージが最小限になります。卵に関しては、従来の顕微授精(ICSI)ですと、針の先端が尖ったピペットで透明帯を穿刺した後、卵細胞膜を刺入し推し進め陰圧をかけて精子を入れます。一方、ピエゾICSIは先端がフラットなピペットを用いて、ピエゾパルスという振動を駆動し透明帯と卵細胞膜を穿破する方法を取るため、細胞質を変形させずに透明体を穿破できる上に、卵細胞膜を破る際、細胞質を吸引しないため、卵にやさしく培養士間で差が生じにくいといわれています。

顕微授精ピエゾICSI

従来の顕微授精(ICSI)ですと、針の先端が尖ったピペットで透明帯を穿刺した後、卵細胞膜を刺入し推し進め陰圧をかけて精子を入れます。一方、ピエゾICSIは先端がフラットなピペットを用いて、ピエゾパルスという振動を駆動し透明帯と卵細胞膜を穿破する方法を取るため、あまり細胞質を変形させずに透明体を穿破できる上に、卵細胞膜を破る際、細胞質を吸引しないため、卵にやさしい方法です。

ピエゾICSIはどんな人に向いている?

――――編集部:どのような方が、ピエゾICSIに向いているのでしょうか?細胞膜の弱い卵子であっても、ピエゾICSIの場合、受精する確率が高まるのでしょうか。

井上先生:従来の顕微授精(ICSI)を行い、正常に受精が見られる患者さまに対しては、極めて有効的な方法であるとは言えません。一方で、遺伝子的な要因や体質などが考えられますが、患者さまによっては細胞膜が弱い、あるいは細胞質の組織構造が正常では無いなど、変性しやすい性状の卵子しか採取出来ない患者さまがいらっしゃいます。
そういった患者さまに対して、従来の方法で施行した場合、ICSI時の負荷によって変性する割合が一般的な方よりも著しく高くなることが多くのART施設で報告されています。

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Piezo-ICSIの場合、受精率はもちろんのこと、ICSI時の変性率が抑えられるので、その分卵子の生存率と受精率が上がると考えられます。また、高齢になると卵子の質が低下して変性しやすい卵子が採取される機会が増える傾向にあるため、高齢の患者さまに対しても有効な技術の1つであると考えています。

顕微授精の1つの選択肢「ピエゾICSI」。卵子、精子に優しい顕微授精ということで高齢の方や細胞膜の弱い方に向いているそうです。これから顕微授精を検討される方はクリニックに相談しても良いかもしれません。

桜十字渋谷バースクリニック院長のご紹介

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井上 治
医学博士
日本産科婦人科学会認定 産婦人科専門医
日本生殖医学会認定 生殖医療専門医
母体保護法指定医

福岡大学医学部卒業
慶應義塾大学病院 産婦人科医局入局
東京歯科大学 市川総合病院勤務
桜十字渋谷バースクリニック院長
■所属学会
日本産科婦人科学会/日本生殖医学会/日本受精着床学会/日本産婦人科内視鏡学会/
日本人類遺伝学会/日本抗加齢医学会

桜十字渋谷バースクリニック公式サイトhttps://www.sj-shibuya-bc.jp/
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