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体外受精の妊娠率|20代と30代の違い。年齢とともに下がる?

      2016/11/22

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不妊治療をステップアップした先に行われることが多い「体外受精」は、必ずしも妊娠するとは限らないにもかかわらず、多額の費用がかかります。また、体外受精の妊娠率は年齢別で大きく異なり、20代、30代、40代とどんどん下がっていく傾向にあると言われています。体外受精を検討している方は、自分の妊娠率がどれくらいなのかという点も気になってくるところでしょう。
そこで今回は、年齢別に体外受精の妊娠率についてまとめました。

体外受精の妊娠率が年齢とともに下がる理由

自然妊娠の場合でも、年齢を重ねていく度に妊娠率は下がっていくと言われています。この妊娠率の低下は、卵子の老化が原因として考えられおり、加齢とともに、徐々に質の良い卵子が育ちにくくなり、卵子が育って排卵しても受精しない、受精をしても分割や着床が正常に行われないという状況を招いてしまうようです。
体外受精の場合、「卵子の成熟」を目指し、「排卵誘発」、「採卵」、「精子の調整」、「体外受精」「胚移植」という手順で治療が進められます。しかし、受精卵の作成と子宮への移植までは人工的にサポートできても、着床するかどうかは自分の体の状態で左右されるそうです。これは、母体の生殖能力である「妊孕力(にんようりょく)」が低下するためで、妊孕力は20代~30代前半をピークとして低下していくと言われております。

20代の体外受精の妊娠率

卵子や母体の妊孕力が高い20代は、30代以上と比較すると妊娠率が高いと言えます。そのため、20代で体外受精を行った場合の妊娠率は約40%と比較的高い確率ではあります。ただし、20代であっても生まれつき婦人科系疾患などを持っている場合にはまた状況は変わってくるので、20代の体外受精だから一概に成功率が高いとは言い切れない現状もあります。

30代後半~40代の体外受精妊娠率

では、体外受精でも妊娠率が下がる傾向にある、30代後半から40代の妊娠率を見てみましょう。
上述の通り、20代で40%あった妊娠率は30代になると下がり始め、35歳で約35%となり38歳で約30%にまで減少すると言われています。これは、加齢で卵子が老化した事が原因となり、体外受精で受精卵を培養、移植できても妊孕力があまり高くないことから、着床に至らない可能性が高いためだそうです。40代以上では体外受精の妊娠率は約20%、45歳で約5%以下ですので、40代の1年間で急激に妊娠率は低下すると言われております。
これらの妊娠率から考えると、タイミング療法から体外受精へとステップアップして不妊治療を受けていく場合、妊娠するまでに数年間かかってしまう可能性が高いと言えるでしょう。
数字的にも、40代よりも30代、30代よりも20代と年齢が若いほど妊娠率が高いため、最近では人工授精を飛び越えて、タイミング療法で妊娠しなければ体外受精を検討するという方も増えているそうです。

新鮮胚移植と凍結融解胚移植|体外受精の妊娠率は違う?

体外受精の妊娠率は、移植時の胚の状態によっても異なるようです。2010年の統計データによれば、体外受精が行われた65,239件(周期)あった中で、新鮮胚移植を行ったのは27,378件、妊娠にいたったのは6484件でした。そのため、移植周期辺りの妊娠率は23.7%になります。
また、凍結融解胚子宮内移植(顕微授精も含まれた数字)の治療成績は、2010年は82,269件(周期)を実施し、その内移植が行われたのは79,944件で、妊娠にいたったのは26,905件でした。移植周期辺りの妊娠率を割り出すと、33.7%と新鮮胚移植と比較して約10%も妊娠率が高いことがわかっています。
新鮮胚移植は一回の生理周期で、採卵から胚移植までを行うために、母体の状態が整っておらず万全でない場合があるそうです。しかし、凍結融解胚移植は一度の採卵と培養で得られた全ての胚を一度、凍結保存し、採卵周期ではなく子宮内膜が理想的な状態の周期に移植を行うため、子宮や母体の状態が良いことを確認しての移植が可能だと言えます。母体の状態が良ければ、妊娠率も高くなるため有効な治療法と考えられるでしょう。
近年、この凍結融解胚移植を行う病院が増えているようなので、体外受精の妊娠率は上がっているかもしれません。