「葉酸」とは?|妊娠しやすい体づくり・妊活のための栄養素
2016/12/07
2016/12/07
妊活中の方にとって、妊娠しやすい体づくりに重要な栄養素といえば、まず「葉酸」があげられるでしょう。なぜ妊娠と葉酸の関係が深いのか、葉酸はどうやって、どの程度摂取するのがよいのかなど、詳しくご紹介していきます。
葉酸と妊娠・妊活との関係
葉酸とは水溶性のビタミンB群の一種で、妊娠中であれば胎児が育つ上で欠かせない栄養素と言われています。また、妊活中の方であれば子宮内膜の強化など、妊活をサポートする栄養素と言われています。
■厚生労働省は葉酸を1日400μg摂取することを推奨
厚生労働省は、成人における1日の葉酸摂取推奨量を240μg(0.24mg)としています。さらに、「妊娠を計画している女性、または妊娠の可能性がある女性は神経管閉鎖障害のリスク低減のために400μg(0.4mg)/日の摂取が望まれる」としています。妊活中の場合、妊娠1ヶ月以上前からの摂取が良いとされています。
■葉酸不足で先天異常のリスクが高まる
「神経管閉鎖障害(しんけいかんへいさしょうがい)」とは赤ちゃんの脳や脊椎が正常につくられない症状、二分脊椎や無脳症などの先天異常を起こしてしまう障害で、葉酸の欠如により発症リスクが高まると言われています。このことから葉酸は妊娠初期から必要な栄養素と言われ、未然に防ぐためにも妊娠する前から摂取することが重要だと考えられます。
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葉酸を多く含む食品
■葉酸は体内で生成できない?
ただ、葉酸は体内で生成できないことがわかっています。外から補給するものとして、まず食品が考えられます。食品の中では、枝豆やホウレンソウなど緑の野菜に多く葉酸が含まれています。緑の野菜以外では、大豆製品の納豆や海藻にも含まれています。また、甘栗や果物も葉酸を含むので、甘いものが好きな方は普段のおやつを甘栗や果物に置き換えてみてもよいかもしれません。
葉酸とは|葉酸の歴史とビタミン
■葉酸は、猿の貧血から発見
葉酸は、妊娠時の巨赤芽球性貧血の研究をしていたイギリスのウイルス博士が、1931年に酵素エキスの中から貧血予防物質として発見しました。猿の貧血予防に効果があったので、そのことが由来して「ビタミンモンキー」から「ビタミンM」と言われるようになったようです。
■ほうれん草からも葉酸を発見
そしてその10年後、ほうれん草の葉からも同じ物質が発見されました。それがビタミンB群の9番目に発見されたものだったので、「ビタミンB9」と言われるようになりました。そのため葉酸は、「ビタミンM」「ビタミンB9」とも言われることがあります。
■子宮内膜を厚くし、妊娠しやすい体に
ビタミンB12も血液を造るために必要なビタミンです。さらに葉酸の働きを活性化させる効果があるので、葉酸と一緒に摂取すると効果的だと言われています。葉酸とビタミンB12を摂取することで子宮内膜も厚くなり、妊娠しやすい体になるようです。ビタミンB12は肉・卵・乳製品など動物性食品に多く含まれているほか、アサリ、シジミなどの貝類、タラコ、サンマ、レバーなどにも含まれています。
■葉酸とビタミンC、一緒に摂るのがおすすめ
また、ビタミンCもビタミンB12のように活性型なので、葉酸と一緒に摂るとより効果的だと言われています。ビタミンCは新鮮な野菜やフルーツに多く含まれています。
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葉酸は食事だけでは摂りにくい
■葉酸は食品から摂るのが難しい
このように葉酸は妊娠と深い関係があると言われていますが、食品から葉酸を摂取するのは実は難しいのです。なぜなら葉酸は加熱に弱く、水に溶けやすいからです。
そのため生野菜のときの葉酸量を基準として摂取した場合、大幅に葉酸が不足してしまいます。例えば加熱することにより、アスパラガスの葉酸は90%、菜の花やブロッコリーの葉酸は60%前後、モロヘイヤやほうれん草の葉酸は40%程度にまで減少します。
■1日に350gの野菜でも足りない。葉酸不足に陥る理由
さらに体内で吸収される量はその半分となるため、生野菜のときから比較すると実質1/4程度しか体内に吸収されないようです。そのため1日350gの野菜を摂取していたとしても、妊活中の女性の体には葉酸が不足しているということになります。
葉酸の摂取はサプリがオススメ
■妊娠しやすい体づくりには、手軽にサプリで
食事だけで補うのが難しい葉酸を摂取するためには、サプリメントがよいでしょう。サプリメントなら手軽に持ち運びもできるので、外出先でも安定して葉酸を補うことができます。また、厚生労働省もサプリでの葉酸の摂取を推奨しています。
葉酸サプリメントの選び方は、葉酸サプリは病院?市販?産婦人科医おすすめサプリをご紹介でご紹介しています。
参考:【葉酸を含む食品と目安量に含まれる葉酸量】
(平成17年文部科学省「五訂増補日本食品標準成分表」より算出)
鶏レバー※(50g)…葉酸650μg(0.65mg)
牛レバー※(50g)…葉酸500μg(0.50mg)
豚レバー※(50g)…葉酸405μg(0.41mg)
からし菜(1本50g)…葉酸155μg(0.16mg)
枝豆(80g)…葉酸141μg(0.14mg)
なば菜(2本40g)…葉酸136μg(0.14mg)
ホウレンソウ(2株60g)…葉酸126μg(0.13mg)
アスパラガス(3本)…葉酸114μg(0.11mg)
春菊(3株60g)…葉酸114μg(0.11mg)
ブロッコリー(2房)…葉酸105μg(0.10mg)
アボカド(1/2個100g)…葉酸84μg(0.08mg)
マンゴー(1/2個90g)…葉酸76μg(0.08mg)
いちご(中5粒)…葉酸68μg(0.07mg)
納豆(中1パック50g)…葉酸60μg(0.06mg)
さつまいも(中1/2本100g)…葉酸49μg(0.05mg)
日本かぼちゃ(4cm角2切60g)…葉酸48μg(0.05mg)
甘栗(大3個)…葉酸44μg(0.04mg)
オレンジ(ネーブル)(中1個130g)…葉酸44μg(0.04mg)
焼き海苔(1袋5枚入り)…葉酸38μg(0.04mg)
サラダ菜(2枚40g)…葉酸28μg(0.03mg)
きな粉(大さじ1杯7g)…葉酸18μg(0.018mg)
※各種レバーについてはビタミンAの過剰摂取に注意するのがよいでしょう
妊活では日常から栄養バランスの取れた食事をすることが基本だといわれています。その上でサプリでの葉酸摂取が推奨されています。妊娠を望まれている人は、サプリでも葉酸摂取をしながら、日常生活では上記のような食品を食事に取り入れてみてはいかがでしょうか。
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