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不妊治療カウンセリングで「感情のジェットコースター」を解消

2015/12/21

2015/12/21

皆さんは、不妊治療カウンセリングに対してどのようなイメージをお持ちでしょうか。カウンセリングというと、「心の病を抱える人のもの」「心を操られてしまいそうで怖い」というようなイメージをお持ちの方も少なくないと思います。
今回はまだカウンセリングを受けたことがない方向けに、不妊治療のカウンセリングとはどのようなものなのか、どのようなタイミングで受けるとよいのか、一人かパートナーと一緒かどちらがよいのか、などをお話していきます。

不妊治療カウンセリングとは①|実際のエピソード

わたしが不妊治療のコーディネートをする中で、精神的な負担を強く感じていらっしゃる患者様へカウンセリングをお勧めすることがよくありました。クリニックでご用意している無料のサービスだったのですが、実際にご利用される方はとても少なかったのが印象的です。

そのような状況の中、実際にカウンセリングを受けられた方からは、
「心が軽くなりました」
「これまで考えずに避けてきたことと向き合ういいチャンスになりました」
「改めてパートナーと素直な気持ちで話してみようと思います」
など非常にポジティブな感想を頂戴しておりました。

そのことから、カウンセリングを上手に取り入れることは、治療中の様々な感情と上手に付き合い心の負担を軽くすることに効果的なのだと実感しています。

不妊治療カウンセリングとは②|ピンチになる前に予防を

不妊治療中の女性であれば、大きな気持ちのアップダウンを伴うことは、皆様ご経験済みでいらっしゃると思います。正に「感情のジェットコースター」。急上昇、急降下の様子を簡単にご想像いただけるかと思います。

新しい生理周期が始まる度に、今月こそは!とわくわくする気持ちでスタート。次の生理が近くなると、ちょっとした体調の変化に敏感になり「ひょっとしたら」と期待が高まります。そして次の生理が来ると、結果が出なかったことに傷付きます。

この感情の変化だけでなく、治療のことを誰にも相談出来ない悩み(特に、精子や卵子などの配偶子の提供を伴う治療の場合)、普段使用することのない薬の使用による不安、治療そのもののストレス、お仕事をされている方はお仕事との両立における悩み、経済的な負担など更なる悩みやストレスがあります。

更に、妊娠判定の結果が残念なものである場合には、
「こんなに頑張って治療をしても結果が出ないなんて…」
「女性として失格と言われたような気がします」
「夫に申し訳ないです」
など、陰性結果に肩を落とされるだけでなく、ご自身を責めてしまうような気持ちになってしまうケースも多く見られます。

「もうだめだ!」
と心が悲鳴を上げてしまう前に、あなたが信頼できるカウンセラーへご相談してみてはいかがでしょうか。

専門知識のあるカウンセラーに相談をすることで、お一人で心に抱えている不安や、焦り、苦しい気持ちとどのように上手に付き合っていけばいいのか、またその気持ちがどこから来ているのかを理解することが出来ます。

プロのカウンセラーはお話いただく内容や、ご相談者のプライバシーを厳守することはもちろん、じっくりお話を伺い心の負担を軽減します。

不妊治療カウンセリングとは③|心のトレーニングをする

カウンセリングは、ストレスや不安と上手に付き合うための「しなやかな心」を手に入れるためのトレーニングです。パーソナルトレーナーをつけて、理想のボディラインを目指すようなイメージですね。あなたが信頼できるカウンセラーを見つけてカウンセリングを始めることは、心のトレーニングの第一歩。最初はカウンセラーと一緒に心のトレーニングをしていただき、その後は徐々にご自身で実践し、自分自身との付き合いが上手に出来るようになります。

不妊治療カウンセリングとは④|まずは一人で相談を

パートナーと治療をされている場合、パートナーと二人三脚で治療に臨まれることはもちろん大切ですが、どうしても男女には考え方や受け止め方の違いもあります。

例えば、
•話をしても真剣に取り合ってもらえない感じがする
•気持ちを分かってもらえず言い争いになってしまう
•私だけ真剣に治療に取り組んでいる気がする
•相手が協力的ではない
など、パートナーとの心のすれ違いを感じ、不満を感じたり心細い思いをされていらっしゃる女性は多いです。

このような理由からも、まずはお一人様でのカウンセリングをお勧めします。カップルでのカウンセリングでは、隣にいる相手を気にしてしまってなかなか本音が話せないことがあります。治療によってお二人の関係がぎくしゃくしてしまっている場合は特に、個別でのカウンセリングがお勧めです。

不妊治療カウンセリングとは⑤|日本と欧米における解釈

まだまだ身近なものとは言えないカウンセリングですが、最近では、日本国内のクリニックや病院でも専属カウンセラーのいる医療施設が増えています。心のサポートの大切さが認識され、適切なサポート体制が整えられていることを実感し、とても嬉しく思っております。

外国映画のワンシーンでも、登場人物がカウンセリングに通っている様子をご覧になったことがあるかと思います。欧米におけるカウンセリングは、人々の生活の中でもっと身近な存在です。映画のカウンセリングシーンでも、多くの場合、精神的な疾患の治療というより悩みを解決するために話を聞いてもらう、というものが多いと思います。

まだカウンセリングを受けたことがない方は、一度相談してみるとよいでしょう。カウンセリングを通して、ストレスや不安と上手に付き合えるしなやかな心を手に入れ、あなたらしく、前向き、現実的、そして快適な治療生活になりますように願っております。

筆者紹介

越智 彩霧(おちさぎり)
上級心理カウンセラー、コーチ。バルセロナ在住。
2011年から、医療コーディネーター・通訳として、専門クリニックにて200名以上の不妊治療・妊活中女性をサポート。ヨーロッパに住む中で得た気付きを活かし、日本人女性が抱えている悩みを解決すること、エルフエスティーム(自己肯定間、自尊心)を強化することを得意としている。

HP: http://www.sagiriochi.com/
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