ICSIとIMSIの違いって?
2024/02/24
2024/02/26
不妊治療の用語として「ICSI」や「IMSI」などの言葉を目にしたことはありませんか?
日本語? 英語?? なんて読むの???
似たような言葉だけども、いったい何だろう?
こんな疑問を持たれたことはないでしょうか。
このコラムでは2つの違いについて理解を深めていきましょう。
不妊治療の種類
まず、不妊治療には大きく分けると「一般不妊治療」と「生殖補助医療」の2つに分類されます。
「一般不妊治療」は、
タイミング法、人工授精などのことを指し、外来などの診察室で行える比較的容易な治療法です。
「生殖補助医療」は、
採卵・採精から始まり、受精・培養・凍結・融解・胚移植までの一連の流れのことをいいます。
また、この生殖補助医療のことを「体外受精」と呼ぶこともありあます。
このうち生殖補助医療の受精(媒精)法には、「体外受精」と「顕微授精」の2種類あるのですが、
じつは「ICSI」も「IMSI」も「顕微授精」のなかに分類されるのです。
ICSI(イクシー)とIMSI(イムジー)
一般的に「ICSI」のことを「イクシー」と呼び、IMSIのことを「イムジー」と呼びます。
この呼び方は、正式名所の頭文字をとった略語の読み方になります。
上記の顕微授精の種類の表記では「ICSI」と「IMSI」の違いは、「形態学的な方法で選別した」という部分に違いがありました。
では、「形態学的な方法」とはどんな方法なのでしょうか?
ICSIは、通常は、顕微鏡の200~400倍というレンズの倍率で拡大して、良好な精子(直進的な運動をしていて頭部の形が正常な形)選別しています。
一方IMSIでは、1000倍以上の特殊的に強拡大にすることで精子頭部の細部まで観察することが出来るようになりました。これにより厳密な精子の選別が行えます。
精子の異常
精子頭部の形は、正常なもの、奇形(異形)なものがあり、たとえ見かけ上形が正常であっても空胞がある精子もあります。
こういった異常な精子は、未熟またはDNAが断片化(損傷)しているといわれており、受精卵の染色体異常を引き起こし結果として着床率や妊娠率の低下、流産の可能性を引き起こしていると言われています。
IMSIの効果
ICSIでは確認できない精子の頭部空胞の有無を確認することにより、形態学的に成熟した良好な精子を選別することができるようになります。
IMSIを行うと、後期胚(胚盤胞)までの発育が上昇、また実施した受精卵(胚)を移植すると妊娠率が向上および流産率も低下するなどの臨床成績の改善が期待されるといわれています。
しかし、まだ臨床データが少ないために検討が必要な段階です。
IMSIを行うためには
IMSIは、先進医療となりまずは保険診療としての顕微授精(ISCI)を選択する必要があります。また、先進医療はどこでも受けられるわけではないため厚生労働省に認められた限られた施設でしか行えないのが現状です。
もしくは、治療費を全額自己負担というかたちであればやってくれるかもしれませんが、特別な装置を必要とするためどこでも受けられるとは限りません。
そのため事前に出来るかどうかを確認する必要があります。
まとめ
最後にICSIとIMSIとの違いについてまとめました。
|
ICSI |
IMSI |
呼び方 |
イクシー |
イムジー |
費用 |
保険適用 |
先進医療(現在) |
違い |
通常の顕微鏡下で選別 |
より高倍率で精子を観察できるため |
メリット |
ー |
着床率・妊娠率向上、流産率低下 |
デメリット |
ー |
先進医療であり、特別な装置を必要と
するためどこでも受けることが出来ない |
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