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まずはここから!不妊の基礎検査

2024/01/26

2024/02/13


「自分は妊娠できる体なのかな…」

 とみなさん不安に思ったことはありませんか?とくに女性は毎月生理があり、自分の身体と向き合うことが多いのでちょっとした変化でも不安に感じることもあるのではないでしょうか。

 不妊の定義は、妊娠を望む健康な男女が避妊しないで性交をしているにもかかわらず、1年を経過した時点で妊娠しないものをいいます。
 1年以上たっても妊娠しない場合、また女性の年齢が35歳以上の場合では、6か月以上経過しても妊娠しない場合は、妊娠を阻害する原因がないかチェックすることが大切です。

 不妊にはさまざまな原因がありますが、加齢もその一つです。男女とも、加齢によって妊娠する力/妊娠させる力(妊孕力)が低下することが分かっています。
 不妊は女性側に原因があると思われがちですが、実は男性側に原因があることも多く、また、男女両方に原因がある場合も考えられますので、病院での検査はパートナーと話し合い、一緒に受けることが理想的です。

 このコラムでは、不妊の基礎検査に焦点をあて、その重要性や一般的な検査手段について説明していきます。
 

看護師・不妊カウンセラー 野中綾子

大阪府下の不妊クリニックで看護師として勤務中。心に寄り添う看護をモットーに日々患者様に向き合っています。

女性側

①超音波検査


 超音波断層装置の経腟プローブを膣の中に入れ、骨盤内の様子をモニター画像に映し出す検査です。これにより、子宮や卵巣の状態を観察したり、卵胞の発育具合を見たりすることができます。また、子宮や卵巣の状態から、子宮筋腫、子宮腺筋症、卵巣腫瘍などの疾患についても診断できます。

 

②子宮卵管造影


 X線造影室で行います。子宮卵管造影検査は、X線による透視をしながら子宮口から子宮内へ造影剤を注入し、子宮の形や卵管が閉塞していないかを見る検査です。また子宮の奇形や子宮筋腫、ポリープの有無も一緒に確認することができます。
 少し痛みを伴う検査ですが、この検査の後自然妊娠することも少なくないこともあり、大切な検査です。
 卵管が両方とも閉塞している場合には、卵管鏡または体外受精へステップアップを検討します。

 

③血液検査


 ホルモン検査や感染症・糖尿病など全身疾患に関係する検査を行います。ホルモン検査の中には、女性ホルモン・男性ホルモンや卵巣を刺激する卵巣刺激ホルモン・黄体化ホルモンが含まれますが、その他にも母乳を分泌するプロラクチンや甲状腺ホルモンの検査も行います。ホルモンは月経周期によっても変化しますので、月経期・黄体期などに分けて検査します。
 
❖FSH(卵胞刺激ホルモン)・LH(黄体形成ホルモン)
 脳下垂体というところから分泌され、卵巣を刺激するホルモンです。FSHは卵胞を育て、LHは排卵を起こし黄体を形成します。脳下垂体機能、卵巣機能を評価します。


❖エストロゲン
 卵巣から分泌される女性ホルモンです。卵胞の発育などを評価します。


❖プロゲステロン
 排卵後に卵巣から分泌されるホルモンです。排卵の有無や、受精卵に必要な黄体の働きを調べます。


❖プロラクチン
 脳の下垂体から分泌され、乳汁の分泌を促進されるホルモンです。分泌が多いと排卵が抑制され無月経となります。


❖甲状腺ホルモン検査(FSH・FT3・FT4)
 TSHは脳下垂体から分泌される甲状腺を刺激するホルモンで、FT3・FT4は甲状腺から分泌されるホルモンです。甲状腺疾患による無排卵や月経異常がないかを調べます。


❖テストステロン
 男性ホルモンの一種です。副腎という臓器や卵巣から分泌されている、分泌が多いと月経異常にかかわります。


❖抗ミュラー管ホルモン(AMH)
 AMHとは発育過程にある卵胞から分泌されるホルモンで、女性の卵巣予備能を知る指標になると考えられています。AMH値を調べることで、卵巣が赤ちゃんとなりえる卵子をどの程度排卵する能力があるか(卵巣予備能)を知ることが可能です。
 AMH値はあくまでも卵子の数の目安であるため、卵子の質を表してはいません。値が低ければ、卵子の数が少ないというだけで、不妊となるかどうかには関係しません。

 

④クラミジア検査


 クラミジアの検査は子宮頸管の擦過物をとって調べる抗原検査と血液で調べる抗体検査があります。クラミジアに感染すると卵管炎や腹膜炎をおこし、卵管が狭くなってしまったり、卵管の先が癒着してしますことにより卵子が卵管に取り込まれなくなってしまうことがあります。
 抗体の血液検査を行うことで、以前感染していたかどうかも明らかにすることができます。クラミジア抗体が陽性の場合には、卵管機能が落ちていて妊娠しづらくなっている可能性があります。

 

⑤ヒューナーテスト


 女性の身体は、排卵日が近づくと頸管粘液が増え、精子を受け入れやすい状態になります。そのような時期に、この検査を行います。
 排卵日が近づいた検査当日の朝や前日の夜に夫婦生活をもち、受診していだきます。
 子宮頸管粘液を採取し、精子が到達しているか、きちんと運動しているかを確認します。
 きちんと運動している精子が確認できた時は、当然妊娠する可能性があります。
 精液検査ではきちんと運動している精子が多く診られても、女性の体内に入ると動かなくなる場合もあります。

 

⑥抗精子抗体


 ヒューナーテストにより抗精子抗体の存在が疑われる場合、採血によって調べます。
 抗精子抗体とは精子を外敵とみなし、精子の動きを妨げてします抗体の事。男女とも抗精子抗体を持つ可能性はあり、不妊の原因となります。
 

男性側

①視触診


 精巣(睾丸)や精巣上体の大きさや硬さ、精巣静脈瘤の有無などを検査します。

 

②超音波検査


 陰嚢部の超音波検査により、精巣容積、精巣の性状(精巣腫瘍の有無など)、精巣静脈瘤の有無などを調べます。

 

③精液検査


 精液量、精子濃度、運動率、運動の質、精子の形態、感染の有無などを検討します。精液は2-7日の禁欲期間(射精しない期間)の後にマスターベーションで全量を採取します。男性の精液性状は日に日に変動するため、悪い結果が出た場合でも再検査をして問題ないとされることもあります。

 

④ホルモン検査


 男性ホルモン(テストステロン)や性腺刺激ホルモン(LH・FSH)、プロラクチンなどの血中値を測定します。
 

 

まとめ

 女性の妊娠できる期間は限られています。女性は年齢が上がるほど妊娠が難しくなっていくこと、いつごろまでに妊娠・出産が可能なのかなど、正しく知っておくことが大事です。子どもが欲しいと思ったら、ためらわずに検査を受けてみましょう。