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クロミッドとは?気になるその効果や副作用

      2019/02/15

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不妊治療において処方されることが多い「クロミッド」。クロミッドとは、どのような効果がある不妊治療薬なんでしょうか。今回は、その効果や副作用についてご紹介します。

クロミッドとは?

排卵を人工的に起こす作用がある薬で、いわゆる「排卵誘発剤」のひとつです。「クロミッド」というのは商品名にあたり、 成分名としては、「クエン酸クロミフェン」と呼ばれます。

クロミッドは以下の①~③に記載しているような、タイミング法からステップアップした不妊治療で用いられています。

①体外受精や人工受精などの不妊治療を行う
②生殖補助医療で採卵をする
③原因が特定できないものの、通常のタイミング法では妊娠しない

クロミッドを処方する対象は、排卵障害はないのに妊娠しない人。また、脳からのホルモン分泌が不足することで卵巣の機能がうまく働かず、排卵障害が起きている人です。

排卵誘発剤にはいくつかの種類がありますが、自己管理ができ、通院回数が少なくすむ内服タイプの薬がよく使われています。
排卵誘発剤の種類と効果は?副作用はある?

内服する排卵抑制剤を開始するときには、まずクロミッドが処方されることが多いです。同じ内服としては「セキソビット」という排卵誘発剤もあります。

クロミッドを使用しても排卵が起こらない・副作用が強く出るという人には、代わりにセキソビットが処方されます。

セキソビットはクロミッドよりも排卵作用はやや劣りますが、クロミッドとの相性が合わないときにはその効果が望めます。また長期使用による副作用が起こりにくい点も、クロミッドの次に選ばれる理由です。

参考:「参考元URL:一般社団法人 日本生殖医学会 不妊症Q&A / Q9.排卵誘発剤にはどんな種類がありますか」
http://www.jsrm.or.jp/public/funinsho_qa09.html (最終閲覧日2019年1月31日)

クロミッドの効果とその仕組み

クロミッドがどのような仕組みで排卵を促すのか、合わせてその効果を解説します。

通常、卵巣は脳の視床下部(ししょうかぶ)というところから分泌される黄体化ホルモン(LH)と卵巣刺激ホルモン(FSH)によって、その機能がコントロールされています。
さらに視床下部のホルモン分泌を操作しているのが脳の下垂体(のうかすいたい)というところです。下垂体で性腺刺激ホルモン放出ホルモン(GnRH)が分泌されると、視床下部がLHやFSHを活発に分泌します。
LHとFSHの刺激により、卵巣は卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモン(プロラクチン)を放出するのですが、今度はエストロゲンが脳(下垂体と視床下部)に作用してGnRHやLH、FSHの分泌を阻害するのです。
脳からGnRHやLH、FSHの分泌量が減ると、卵巣はうまく卵胞を育てることができなくなり、排卵障害が起こります。

クロミッドには、卵巣で分泌されたエストロゲンが脳へ作用するのを防ぐ働きがあります。このエストロゲンの働きを弱める拮抗(きっこう)作用で、脳から分泌されるGnRHやLH、FSHの分泌が増えます。
結果、卵巣では卵胞を成熟させることができるようになり、排卵が起こるのです。

参考:「専攻医教育プログラム7 / 排卵誘発法 / クロミフェン」
http://jsog.umin.ac.jp/66/handout/7_2Dr.kimura.pdf(最終閲覧日 2019年1月31日)

クロミッドの服用方法

クロミッドを使用するタイミングは、一般的には月経周期の5日目からです。内服期間は5日間、通常は1回に1錠ずつ(50㎎/日)服用します。
クロミッドは健康保険が適応されれば、3割負担で300円〜500円。自費なら1000〜1500円程度の負担になるでしょう。
通常、服用が終了して1~2週間後に排卵が起きます。クロミッドの効果を確認するために、排卵期に1度、クリニックで超音波検査を行うことが一般的です。
このとき、卵胞の発育が思わしくない場合には、次回の服用から1回に2錠(100㎎/日)服用することがあります。

不妊治療が6カ月以上続くことはよくありますが、クロミッドを長期内服することによって妊娠しにくくなる可能性も。
クロミッドを継続して使用できる期間は6カ月~1年。治療がそれ以上の期間に及ぶようであれば、薬を変更することになります。

クロミッドの副作用

クロミッドは作用がマイルドな薬なので、比較的身体への負担が少なく副作用が軽いとされています。ただし、長期間にわたって投与を続けると妊娠を妨げる可能性も。
まず副作用に見られる主な症状としては、視界がぼやけて見える、頭痛、イライラ、吐き気・嘔吐、顔が赤くなる、尿量が増える、のどが渇くなど。
視界に症状が現れる人は、車の運転や目を使う作業が必要だと使用できないことがあります。
重大な副作用として注意しておきたいのは、卵巣過剰刺激症候群(OHSS)です。OHSSは薬が刺激を与える作用に対して、卵巣が過剰に反応した状態。

卵巣が腫れてお腹が張ったような不快感に始まり、重症化するとお腹や肺に水が溜まる、血栓症などを引き起こす可能性があります。
とはいえ、クロミッドはほかの排卵誘発剤より卵巣への刺激性が弱く、OHSSの発生率は低いでしょう。
不妊治療が長期になると、1年以上になることがあります。このとき、クロミッドを継続して1年以上服用すると、子宮内側の壁が薄くなる・子宮頸管の分泌量が少なくなることがあります。

受精卵が着床するためには、子宮内膜が厚くふわふわの状態になっていることが大切です。子宮内膜が薄くなってしまうと受精卵が着床しにくくなるので、せっかく受精していても妊娠する可能性が低くなってしまいます。
また、子宮頸管の分泌量が減ると、膣内に排出された精子が十分に活動することができません。そのため、子宮口を突破できなくなり卵子に到達するのが難しくなるのです。

服用の注意点

乳癌や子宮内膜癌は薬の服用によって病状が悪化する可能性があるので、治療した経験がある・疑わしい場合にも服用は避けるべきです。
卵巣腫瘍や多嚢胞性卵巣症候群ではないのに卵巣が腫れている人も、卵巣を刺激することで悪化する可能性があります。
妊娠を希望していない人はもちろんですが、妊婦さんは服用してはいけません。妊娠の可能性があるときは、服用前に必ず医師に相談しましょう。

もしも服用期間中に薬を飲み忘れてしまったり、体調不良などで薬を服用できなかったりしたときには、今後のスケジュールに変更があるかもしれません。すぐに病院に連絡して、対応を確認してくださいね。

参考:「日経メディカル 日経メディカル処方薬辞典 / クロミッド錠」
https://medical.nikkeibp.co.jp/inc/all/drugdic/prd/24/2499009F1080.html (最終閲覧日2019年1月31日)

まとめ

排卵誘発剤でも、よく不妊治療に使用されるクロミッドについて説明しました。排卵効果も高く、副作用も少ないので安心して服用できる薬です。
しかし、人によっても副作用はさまざま。服用中に何か変わったこと、服薬に関して心配なことがあればきちんと医師に確認してから使用するようにしましょう。

執筆者

小坂 恵
看護師。総合病院(婦人科、外科、脳神経外科、整形外科、放射線科など経験)で6年勤務し、出産を機に退職。2人目出産後、美容皮膚科・形成外科クリニックと訪問看護ステーション(ダブルワーク)で看護師として復職し、3〜5人目の妊娠・出産を経て現在6年目。看護師を続けながら、Webライターとして美容、医療、健康系の記事を主に執筆。美容の認定専門家として記事監修・コメント執筆を行っている。