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不妊症の定義とは?自分でできる不妊症チェック

2019/01/28

2021/06/07

避妊をやめてしばらく経っても妊娠しないと、不妊症ではないかと不安になるのではないでしょうか。周りから「それって不妊症じゃない?」と言われて心配になったという方もいらっしゃるようです。では、不妊症とは具体的にどんな状態なのでしょうか?

不妊症の定義

日本産科婦人科学会での不妊の定義は、「健康的な男女が避妊をせずに性行為をしても、妊娠しない状態が1年になる」としています。

不妊の原因が特定されなくても「妊娠を希望しながら1年以上自然妊娠しない」と不妊と診断されます。逆に妊娠しない期間が1年に満たなくても、不妊を疑って早めに検査をしてみたら、不妊症と診断されたということもあります。

妊娠を希望するカップルが自然妊娠をする割合は1ヶ月で約25%、1年で約80%、2年で約90%です。年齢を重ねるとさらに妊娠率は低下しますが、一般的に約10〜15%が不妊症の可能性があります。

出典: 公益社団法人 日本産科婦人科学会 不妊症 http://www.jsog.or.jp/modules/diseases/index.php?content_id=15 最終閲覧日 2019年1月23日 願う時に「こうのとり」は来ますか Q2そもそも不妊って何? http://www.9tokenshi-syunoukaigi.jp/06-5saitapref_70.pdf 最終閲覧日 2019年1月25日 公益社団法人 日本産婦人科医会 5.不妊の原因ち検査 http://www.jaog.or.jp/lecture/5-不妊の原因と検査/ 最終閲覧日 2019年1月25日

1年経たないと病院に行ってはいけないの?

不妊の定義では「1年」と定めていますが、不安であれば1年以上待つ必要は全くありません。特に35歳以上の女性や子宮や卵巣に異常を感じているなら、3〜6ヶ月を目安に受診してみましょう。

自分でできる不妊症チェック

もしかして不妊症かもしれないと感じているなら、下記の当てはまる項目にチェックをしてみてください。

・生理不順である

・月経痛があり、痛み止めが手放せない

・クラミジアなどの性感染症にかかったことがある

・おりものに異常な量・色・においを感じることがある

・性交痛がある

・女性が35歳以上である

・肥満(BMI:27以上)もしくは痩せすぎ(BMI:17以下)である

・性行為の頻度が少ない

・家族に不妊・婦人科系疾患にかかったことがある人がいる

・喫煙している家族がいる

いくつ当てはまりましたか? これらのチェック項目に1つでもチェックがつけば、不妊の可能性があると考えられます。

不妊症の原因

「不妊症チェック」の項目は、“不妊症になる可能性が考えられる原因”と関係が深い事柄です。それぞれの項目が不妊とどのように関わっているのか、簡単に説明していきます。

生理不順や月経痛、性交痛では卵巣の機能低下や子宮筋腫・子宮内膜症などの異常が考えられます。また以前にクラミジアや梅毒などの性感染症にかかったことがあると、妊娠しにくいことがあります。

男女共に年齢を重ねると精巣や卵巣の機能が低下するので、急激に妊娠率が下がります。特に女性は35歳を過ぎると、不妊治療でも妊娠する確率が下がるため早い段階で治療を進めることが大切。

肥満・痩せすぎの場合は、ホルモンバランスが崩れがちなことがあります。定期的な排卵が起きない原因にもなります。食事や運動による過度なダイエットにも注意しましょう。

避妊をしていなくても、性交の回数が少ないと妊娠の確率を下げてしまいます。妊娠するためには、排卵の時期と性交のタイミングも重要です。さらに、精子の量や活動率が少ない不妊症は、子に遺伝することがあります。

喫煙は流産の確率が高くなります。母体である女性が直接タバコを吸わなくても、副流煙にも有害物質は多く含まれます。男性であれば、精子の数が減るなど性機能が低下するリスクもあります。妊娠を希望しているなら、家族みんなで禁煙に取り組みましょう。

女性側の原因

女性の不妊原因で多いのが排卵障害、卵管障害、子宮の異常です。

ホルモンバランスや卵巣の機能が低下していると、卵子の元が成長しません。卵子が成熟しないと、排卵がおきないので妊娠できないのです。

排卵があっても、卵管が狭い・塞がっていては卵子を子宮に届けることができません。 子宮の異常は、奇形や子宮の病気(子宮筋腫、子宮内膜症など)のことです。排卵日の前後になると、妊娠の準備をするために子宮は受精卵が着床しやすい状態に変化します。ところが、異常があるとうまく着床ができないのです。

また、頸管粘液(けいかんねんえき)が少ないことや精子に対して抗体が働くことで、精子が子宮内に到達できなくなることがあります。ほかにも、特別な検査をしないと分からない原因もあります。

男性側の原因

男性の不妊原因はおおまかに造精機能障害、精路通過障害、性機能障害です。

精子をつくる働きに異常があると、精子の数が少ない(全くない)、または運動性のない精子がつくられます。これでは、卵子に到達して妊娠することは非常に難しいです。

活発な精子が十分につくられても、精管が狭い ・塞がっていると精子を膣に届けることができません。

性機能障害は、性行為(膣内に射精) ができない状態です。勃起不全や射精障害が代表に挙げられます。プレッシャー、ストレスなど精神的な要素が深く関わっていますが、疲労や病気が原因になっていることもあるといわれています。

不妊症の原因の割合

不妊症の原因はいくつもあり、それらが複雑に関わり合っています。WHOの調べでは、不妊の約40%が女性のみ、約25%が男女両方、約25%が男性のみに原因があるとしています。

スクリーンショット 2019-01-28 14.52.39 また、日本受精着床学会のアンケート調査によると、不妊治療中の21%が卵巣、20%が卵管、18%が子宮になんらかの原因がありました。また、免疫が原因の場合は5%が挙げられ、男性側に原因があるとしたのは33%でした。

出典:公益社団法人 日本産婦人科医会 5.不妊の原因と検査 http://www.jaog.or.jp/lecture/5-不妊の原因と検査/ 最終閲覧日 2019年1月25日

不妊症は原因が分かればそれに応じて治療ができますが、特定の原因が分からないことも多いのです。原因が特定できないときには、排卵を促して受精しやすい治療を探っていくことになります。

基本的には「タイミング法」「排卵誘発剤の使用」「人工授精」「体外受精」の順で、不妊治療 をステップアップしていきます。同じ治療を4〜6回行なって妊娠しなければ、次の治療を検討する時期です。

不妊症の検査

aerial-view-3292550_640 不妊の原因を明らかにして適した治療を受けるためには、女性と男性のどちらも検査をする必要があります。

女性側の検査

排卵の状況は、血液検査や超音波検査などでホルモンバランスや卵巣の機能を調べます。

子宮や卵管の形をみるには、「子宮卵管造影検査」や「子宮鏡検査」、「腹腔鏡検査」があります。クラミジアに関する検査では、以前にかかったかどうかを調べて卵管に異常がある確率を推測できるのです。

膣に排出された精子と頚管粘液との相性を検査する「フーナーテスト」をすることもあります。

これらの検査を一度にすべて行うことは少なく、まずは血液検査や超音波検査といった基本的な検査から行われます。

男性側の検査

男性の不妊検査ではほとんどの場合、顕微鏡を使った「精液検査」を行います。精子の量や運動率、奇形を確認するためです。検査結果は日常のさまざまなことに左右されるので、異常があれば数回実施します。

ほかにも血液検査や遺伝子検査、超音波検査などで、不妊の原因を追求することがあります。

検査の結果によって今後どのように治療していくかを決めていくので、男女ともに検査を受けることはとても大切です。

出典:一般社団法人 日本生殖医学会 Q7不妊症の検査はどこでどんなことをするの http://www.jsrm.or.jp/public/funinsho_qa07.html 最終閲覧日 2019年1月25日

執筆者

小坂 恵 看護師。総合病院(婦人科、外科、脳神経外科、整形外科、放射線科など経験)で6年勤務し、出産を機に退職。その後、美容皮膚科・形成外科クリニックと訪問看護ステーション(ダブルワーク)で看護師として復職し、現在6年目。看護師を続けながら、Webライターとして美容、医療、健康系の記事を主に執筆。美容の認定専門家として記事監修・コメント執筆を行っている。