男性不妊検査の実態|初回問診と問診票
2016/01/22
2016/01/22
男性不妊で悩む方の数は、実は不妊症で悩む女性の数と同じくらいになるそうです。一方、男性不妊の検査や治療内容がわからないことが理由で、男性不妊患者のクリニック通院率は女性に比べると圧倒的に下回っているようです。今回は、そんな男性不妊患者の不妊検査や治療に対する不安を軽減するため、男性不妊検査の初回問診の内容についてまとめました。
男性不妊検査の必要性
一口に男性不妊と言っても、原因や症例は多々あるようです。先天的なものからストレスに起因する一時的なものまで、一般に思われているよりも男性不妊は幅広い可能性を探っていく必要があると言われています。男性不妊は、不妊治療専門の婦人科クリニックや泌尿器科の男性不妊外来で治療をすることが多いようです。主に精液や睾丸の状態などを見ていますが、問診票も重要なデータになるといいます。
問診は他の病気にかかった際と同じように、現在の症状や過去の病歴などから現状を正しく捉え、最適な男性不妊の検査方法や治療方法を選択するために行う大切なものだと言われています。そのため、問診の資料として生まれや過去の出来事、どのような体や心の状態であるかを確認する問診票は正確に書き、医師に自分の状態を伝える必要があるそうです。
男性不妊検査 問診項目①:既往歴について
男性不妊の問診では初めに既往歴について深く聞かれることが多いようです。その理由としては以前に受けたことのある手術や持っている疾患が男性不妊の原因になっている可能性があるからです。もし、下記に当てはまり男性不妊の原因となるようであれば、まずはそれらの治療が最優先されるといいます。男性不妊は、幼児期からの疾患に端を発している場合もあるようですが、幼児期からの疾患は本人が自覚をしていないこともあるので確認しておくのが良いかもしれません。
・男性不妊に関連する手術について
鼠径ヘルニア根治術・精索や陰嚢内手術・膀胱尿道の手術・脳下垂体の手術・がん治療のためのリンパ郭清術等の手術実績
・男性不妊に関連する疾患について
停留精巣(精巣が陰嚢内に降りてこない)・外傷・精巣捻転症・耳下腺炎性精巣炎・前立腺炎・脊髄損傷・慢性呼吸器疾患・糖尿病・性感染症・長期の発熱等
男性不妊検査 問診項目②:日常生活について
・夫婦生活について
男性不妊の問診の際には、夫婦生活について聞かれるそうです。夫婦間での性行為がどのくらいの頻度でおこなわれているか、性欲があるかどうか、勃起から射精までがスムーズにおこなわれているかなどの質問が多いといいます。少し答えにくい質問もあるかもしれませんが、どれも男性不妊を解消するためには欠かせない質問項目です。
・生活習慣について
男性不妊は普段の生活習慣が原因になっていることもあると言われています。例えば、精子は熱に弱いため、睾丸の温度環境が男性不妊を引き起こすそうです。そのため温泉やサウナに通う頻度についての質問をすることで男性不妊の原因を探っていくことになります。
・服薬について
普段、服用している薬やよく利用する薬があれば予めメモしておくようにしましょう。薬に含まれる成分によっては、精子に影響を与える場合があるようで、男性不妊の原因になると言われています。
男性不妊検査 問診項目③:性機能について
男性不妊の問診では、勃起や射精などの性機能が正常かどうかの質問項目もあるそうです。その際、精子を弱らせるような行為(潤滑剤などの使用)がないかも確認することになるといいます。勃起に関して問題があるようならば、国際勃起機能スコア(勃起機能を点数化する診断)を行い、男性不妊を改善していくそうです。
また、近年では陰茎への過度な刺激によるマスターベーションが原因で膣内射精ができないのが原因の男性不妊も増えているそうです。男性不妊外来の相談者の約2割が「中折れ」に悩んでいるという統計データもあると言われています。
以上のように男性不妊の問診では様々な質問項目があります。自分のことでも時間をおおいて考えたり、調べたりしないとわからないことがあるかもしれません。最近では、事前に問診表をダウンロードして自宅で記載できるようにしているクリニックや病院も増えているようです。正しい男性不妊の治療を進めていくために問診では正確な情報を伝えられるようにしましょう。
男性不妊検査 問診票項目リスト
一般的に、問診票には以下のような項目が設定されている場合が多いようです。主に、遺伝的要因や先天的な問題、男性ホルモンの分泌や後天的な心身の問題、置かれている環境の影響などを調べる目的の項目になっています。自分の記憶にないような項目もあって戸惑うこともあるかもしれませんが、出来る限り細かく記入出来ると良いでしょう。
- 出生地
- 出生時の両親の年齢
- ご自身を含む生存兄弟姉妹の人数
- 死去された兄弟の有無
- 結婚して子供のいない兄弟姉妹の有無
- 血縁者中の病気の方の有無
- 家族の遺伝的な病気の有無
- 血族結婚の有無
- 幼少期から現在までにかかった大きな病気
- 現在までに受けた手術
- 過去に精液検査の結果
- 過去にホルモン治療を受けたことがあるか。
- 睾丸を蹴られたり、ボールが当たったことはあるか
- 学童期にクラスで背は高い方だったか
- 陰毛が生え、声変わりした年齢
- 初めて射精を経験した年齢
- 初めて性交をした年齢
- 結婚した年齢
- 結婚してからの年数
- 避妊期間の有無と長さ
- 現在の性欲の程度(強い/普通/弱い)
- 現在の性交の頻度
- 性交が満足に進行できるか
- ヒゲを剃る頻度
- 現在の職業区分は以下のどれか( 事務職 ・ 半事務的半肉体労働 ・ 肉体労働 )
- 過去や現在の職業で、以下の物質に接することはあるか(鉛・水銀・砒素・一酸化炭素・カドミウム・高熱環境・低温環境・放射能・酸素不足の状態)
- 現在の健康状態、病気の有無
- 妻の健康状態
男性不妊検査 問診票記入上の注意点
個人的な事柄が多く含まれており、正直に書くのをためらってしまう方が多いかもしれません。しかし、今後の男性不妊検査や治療を適切に受けるためには、医師に自分の状態を正しく知ってもらうことが重要だといいます。情報が外部に漏れることはありませんので、可能な限り正直に書くと良いそうです。男性と同じように女性の問診票にも様々な問診項目や検査があるようです。検査に進んでも、男性の検査は女性の検査よりも手軽に済むことが多いと言われています。不妊症を乗り越えるためにも、男性は自分のことに気を配りつつ、女性を支えていくことが大切でしょう。
また、病院によってはインターネット上に男性不妊用の問診票がアップロードされているところもあるようです。通院を検討している病院が男性不妊問診票をアップロードしていたら、事前に書いて持っていくと良いかもしれません。待ち時間の短縮にもなりますし、事前に内容を知っておくことでより詳しい情報を医師に伝えることができます。問診票を記入する時に、自分の状態と向き合わなければ記入できない項目があるそうです。時に辛くなることもあるようですが、パートナーや医師など、相談できる相手を見つけておくのが良いかもしれません。
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