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体外受精の移植後の過ごし方は?安静にするべき?症状と妊娠判定

2019/02/22

2019/02/22

体外受精の移植後の過ごし方について、「少しでも妊娠率があがるために正しい過ごし方を知りたい」と思っている方も多いのではないでしょうか。今回は移植後の生活で注意すべきことや妊娠の症状、妊娠判定までを徹底解説します。

体外受精の移植後の過ごし方

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胚移植後は安静にするべき?

体外受精の胚移植が終わり、気になるのがその後の過ごし方ですよね。すぐにいつも通り生活できるのか、しばらく安静にした方が良いのか、仕事や運動などのスケジュールとの兼ね合いも気になるところではないでしょうか。 クリニックによって胚移植後の流れは異なりますが、胚移植後に10~60分程度の安静時間をとるクリニックもあります。この胚移植後の過ごし方について、海外では興味深い研究がされていました。 ”体外受精の胚移植後30分間、ベットで安静にした群と、すぐに病院を後にした群の計164症例を比較した結果、臨床的妊娠率に差はなかった(50% :46.3%)”というものです。 (Purcell KJ et al. Bed rest after embryo transfer: a randomized controlled trial. Fertil Steril. 2007 Jun;87(6):1322-6.)

「出典:Bed rest after embryo transfer: a randomized controlled trial. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/17362946(最終確認 日:2019年2月7日)」

ほかにも、胚移植後の安静時間と妊娠率は関係がないという研究がいくつか報告されています。移植後でも、仕事や運動など、激しすぎない活動量であれば問題ないでしょう。 最近では胚移植後でも、安静な時間をとることなく帰宅できるクリニックも増えています。事前に移植当日の安静の有無を確認しておくと、そのあとのスケジュール調整がスムーズかもしれませんね。 適度な運動や十分な休息の時間がとれるようにすることも大切です。疲れやストレスをためないようにすることで、ホルモンバランスの乱れも少なくなります。

体外受精の移植後|注意すべきこと

・移植当日は入浴・水泳を避ける 体外受精の胚移植は子宮口に管を通して受精卵を注入するため、事前に子宮の口を少し開いた状態にしているのです。 通常、子宮口は固く閉じているのですが、子宮口が開いた状態でお風呂やプールに浸かると、子宮の中に水が入りこんでしまう可能性があります。また、処置の際に膣や子宮内膜に傷がついていることも。 お風呂やプールの水はたくさんの雑菌がいるので、さまざまな感染のリスクが高まります。シャワーや足湯であれば問題ありません。 ・カフェイン・アルコールは摂り過ぎない カフェインやアルコールは、胎児の発育に悪い影響を与える可能性が高い成分です。だからといって、胚移植をした後にまったく摂取してはいけないということでもないようです。 コーヒーであれば1日2~3杯。アルコールであれば乾杯程度なら良しとしているクリニックもあります。しかし、妊娠したいという希望があるなら、アルコールは日頃から控えておくと良いでしょう。

「出典:英ウィメンズクリニック / はなふさブログ / 妊活中にコーヒーはダメ? https://www.hanabusaclinic.com/weblog/2018/06/04/妊活中にコーヒーはダメ?/ (最終確認日:2019年2月7日)」

・たばこを吸わない たばこには胎児の発育に悪い影響を与えるだけでなく、流産の原因にもなるタールやニコチンなどの有害物質が多く含まれています。 たばこは女性だけが禁煙をしても意味はなく、副流煙も吸わないことが大切です。赤ちゃんの健全な発育、流産の予防のために、パートナーを含めて同居の家族にも禁煙に協力してもらいましょう。 ・夫婦生活は? 基本的には胚移植をした当日でも、特に制限はありません。夫婦生活が着床に影響することはないので、いつも通りに過ごしてください。 クリニックによっては、移植後2~3日は夫婦生活を控えるように説明されるところもあります。出血などの子宮への負担を考えてのことだと予測されますが、気になるのであれば医師に相談しましょう。

移植後の過ごし方と妊娠率

移植後のストレス度合いが妊娠率に影響?

移植後の過ごし方によって、妊娠率に差があるのなら知りたいところですよね。 冒頭でも胚移植後の安静と妊娠率には関係がないと説明しましたが、「移植後の過ごし方によって妊娠率がかわる」という因果関係を確証できる医学的なデータはありません。 海外での研究にはなりますが、胚移植後に毎日ピエロが来る病棟群とピエロが来ない病棟群に分けて生活した場合、ピエロが来た群では優位に妊娠率が上がったと報告されています。

「出典:NCBI / The effect of medical clowning on pregnancy rates after in vitro fertilization and embryo transfer. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/21211796 (最終確認日:2019年2月7日)」

むしろ安静にすることでストレスが溜まるくらいなら、しっかりと運動や旅行など、好きなことをして過ごしたほうが良いでしょう。

体外受精の着床時期はいつ?

体外受精の胚移植の時期は、初期胚と胚盤胞によって異なります。しかし、採卵を行ってから着床するまでにかかる日数には違いはありません。

初期胚の場合

初期胚は採卵後2日目にあたる時期まで培養した胚です。2~4分割になった胚を子宮内に注入して移植します。 通常、受精卵は卵管を通りながら分裂を繰り返して胚盤胞になり、子宮に届けられます。移植された初期胚もすぐに着床するわけではなく、子宮内と卵管の間を行き来しながら胚盤胞に成長するのを待ちます。 初期胚は移植後3~5日かけて胚盤胞になり、子宮内膜に着床するのです。中には胚盤胞になる前に成長が止まってしまう初期胚もあります。 初期胚の移植であれば、妊娠判定は移植後12日後にクリニックを受診して検査をします。

「出典:健康新聞メディカルニュース / 胚移植から着床までの日数はどれくらい? https://kenko-np.com/infertility/ivf/2564 (最終確認日:2019年2月7日)」

胚盤胞の場合

初期胚よりも長く培養し、子宮に着床する直前の状態まで成長させたのが胚盤胞です。採卵後5~6日目に移植します。 胚盤胞はすでに着床するための準備が整っているので、移植後すぐに着床できる状態です。ただし、すべての胚盤胞が着床するのではありません。 胚盤胞の移植であれば、妊娠判定は移植後1週間後にクリニックを受診して検査をします。

体外受精の移植後の症状は?

もしも胚移植後に妊娠したときには、身体の中では激しいホルモンの変動が起こります。いつもと違うホルモンの分泌に、身体はさまざまな影響を受けます。 初めのうちはそれほど大きな変化を感じない人もいますが、いつもと違う感じがあれば「妊娠初期症状」かもしれません。 ・胃部不快感、便秘 食欲が落ちたり、食べ物によってはムカムカしたり、便秘や下痢など胃腸の働きが低下することによって起こる症状です。 ・眠気、倦怠感(けんたいかん) 異常な眠気を感じる人もいれば、いつもより身体が疲れやすい、体がだるいといった感覚が強く感じる人も。 ・頭痛 軽い頭痛や頭が重くなることもあります。 ・微熱、ほてり 妊娠を継続するホルモンが大量に分泌されて高温期が続くので、熱っぽい感じやほてりが出ることがあります。 ・腹痛、出血 着床するときに出血することがあります。その際に腹痛を伴うことも。少量の出血であれば、着床出血の可能性も考えられます。 最終月経1日目である妊娠0~15週は「妊娠初期」です。実際に着床して妊娠状態になるのは妊娠3週目から。つわりなどの妊娠症状が出てくるのは、妊娠4週以降が多いでしょう。

体外受精の妊娠判定はいつ?

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妊娠判定日

一般的に採卵後2週間(移植後7~12日後)で妊娠判定を行います。 移植する胚によって移植の時期は異なりますが、採卵から着床までの日数に変わりはありません。

妊娠判定の方法

妊娠判定には、まず採血によるホルモン検査を行います。βhCGの値が陽性になっていれば妊娠している可能性があります。 妊娠が継続できれば、妊娠5週前後には超音波検査で胎嚢(たいのう)という赤ちゃんの袋を確認することができ、妊娠6週ごろには心拍も確認できます。

執筆者

小坂 恵 看護師。総合病院(婦人科、外科、脳神経外科、整形外科、放射線科など経験)で6年勤務し、出産を機に退職。その後、美容皮膚科・形成外科クリニックと訪問看護ステーション(ダブルワーク)で看護師として復職し、現在6年目。看護師を続けながら、Webライターとして美容、医療、健康系の記事を主に執筆。美容の認定専門家として記事監修・コメント執筆を行っている。