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不育症の原因について|男性に原因が?肥満との関係性は?

2016/11/10

2016/11/10

2回以上の流産を繰り返してしまう「不育症」は、女性側に原因があると思われがちなようです。しかし、男性側がリスク因子を持っている可能性も0ではないため、しっかりと夫婦揃って検査を受けることも重要だと言えそうです。
今回は、不育症の原因や、男性側のリスク因子、肥満との関連性についてまとめています。

検査でわかる不育症の原因とは?

不育症の可能性が疑われる場合には、原因が明確なものと原因不明のもの、あるいはリスク因子として考えられるものなど多岐に渡ります。偶然赤ちゃん自身の染色体異常が2回以上重なり、流産してしまうケースがほとんどだと言われていますが、中には流産を繰り返す原因が潜んでいる場合もあるそうです。
そういった、流産を繰り返してしまうリスク因子がある場合、不育症検査では下記の原因を調べることができるようです

1.子宮形態異常
子宮筋腫や子宮奇形、子宮頸管無力症、子宮腔癒着症などといった子宮形態の異常が原因で着床障害が発生する症状です。

2.内分泌代謝異常
糖尿病や黄体機能不全、高プロラクチン血症、甲状腺機能の異常などによりホルモンバランスが乱れてしまい、赤ちゃんが正常に成長出来なくなる原因です。

3.免疫異常
抗リン脂質抗体症候群を始めとする、自己免疫疾患が原因で免疫が攻撃する矛先が自分自身の体や胎児に向かってしまう症状です。

4.血液凝固異常
プロテインS欠乏症や第Ⅶ因子欠乏症、抗リン脂質抗体症候群などが原因で血液が固まりやすくなるのが原因で、血流が悪くなり赤ちゃんに栄養や酸素が行き届かず発育不全を起こす症状です。

5.感染症
子宮頸管や子宮内で、クラミジアを始めとする感染症が発生するのが流産の原因となる症状です。もしも、リスク因子が見つかったとしても100%流産や死産に繋がってしまう訳ではないため、医師と相談し適切な治療を受けることが出産するためにも大切です。

男性側に不育症の原因がある場合

上記の不育症の原因は、女性側によるものですが、男性側が不育症因子を持っている場合もあるようです。それは染色体異常の場合で、老化による精子や卵子の染色体異常が胎児の発育を妨げてしまうという原因によるものです。
夫婦の男性(または、女性も)に染色体異常がある場合には、一定の確率で受精卵に染色体異常が生じ、最終的に流産してしまうことがあります。この場合、主に妊娠の初期段階に流産することが多く、不育症のうち約10%もの方が該当すると言われています。男性の染色体異常は、流産や不育症につながる男性側の原因の中でも、男性側にある主な原因と考えられています。

染色体異常が流産に繋がる場合


自然流産を何度も繰り返してしまうカップル1639組を対象に、染色体異常の有無があるか過去に行われた調査があります。結果によれば、男性側に63例(3.8%)、女性側に96例(5.9%)、男女ともで約10%の染色体異常が確認されたそうです。異常の過半数は、染色体の1部がちぎれて他の染色体に結合してしまっている「転座」による異常で、これらの異常が確認されたカップルは、その後も流産する確率が高く、80%と極めて高い結果でした。
不育症の知識が豊富な医師であれば、流産を繰り返してしまう方の問診で、カップルの男女それぞれの母親の出産状況を確認することがあります。これは、どちらかの母親が流産を経験していれば、不育症の原因が遺伝による染色体異常だと推測出来るためです。
いずれにせよ、自然流産を繰り返してしまうカップルの約10%は、男女どちらかに染色体異常を持っている可能性があることは理解しておいた方が良いかもしれません。

肥満は不育症を招く?

不妊症の原因の1つに、「痩せすぎ太り過ぎなどBMIが標準値から遠い場合に、不妊症の確率が高まる」ことが挙げられますが、不育症の場合にも肥満が関連するのか気になるという方もいるかもしれません。実は、過去に自然流産を繰り返す方に対し、「痩せ気味」「低体重」「太り気味」といった体重がどのような影響を与えているのか調査が行われています。
反復流産を繰り返す方491名、844例を対象に、BMI値が正常(19.0~24.9)な方と「肥満」「低体重」「太り気味」の方を比較調査したものです。

1)肥満の方 BMI30以上
肥満の場合、流産のリスクは有意に上昇し、比率は1.71倍
2)低体重の方 BMI19.0以下
低体重の場合、流産リスクは有意に上昇し、比率は3.98倍
3)太り気味の方 BMI25.0~29.9
太り気味の方は、流産リスクの変化はなし。比率は1.02倍

この結論から、反復流産の方にとってはBMIが少し上昇している程度の太り気味においては、流産のリスクは上昇しませんが、肥満や低体重の場合流産のリスクが有意に上昇したということがわかっています。不妊症においても同じ事が言えますが、不育症によって出産までなかなか辿りつけない場合には、規則正しい生活や食習慣の他、身長に対して適正な体重をキープすることが妊娠、出産を叶えるには重要だと言えそうです。