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不育症の治療とは|克服方法や費用は?病院の選び方は?

   

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赤ちゃんを妊娠しても、流産を2回以上繰り返してしまった場合、一般的には「不育症」の可能性を疑います。しかし、「不育症」の場合どんな治療を行うのかは、まだあまり広く知られていません。
今回は、不育症の治療や克服方法、費用や不育症治療の病院の選び方についてまとめています。

不育症の治療について

不育症検査の結果、原因が明確であった場合にはそれぞれの症状に応じた治療が進められます。
1.夫婦の染色体異常の治療
染色体異常に関しては、根本的な治療方法はないようです。出産できる可能性や遺伝の確率については、種類によって異なるため、夫婦で遺伝子異常について医師とよく相談することが望ましいでしょう。
2.子宮形態異常の治療
子宮奇形の場合に100%流産してしまうという訳ではなく、治療しなくても約80%近くの方は無事に出産しているようです。子宮奇形や、子宮筋腫などの子宮形態異常が見つかった場合、基本的には手術による治療が行われます。手術をするべきかどうかというのは、症状に応じて医師とよく相談するのがよいでしょう。
3.内分泌代謝異常の治療
糖尿病や甲状腺機能異常を持つ場合、正常に戻してからまたは、病気をコントロールできるようになってから妊娠計画をすることが重要です。食事療法や、薬物療法による治療が進められます。
4.血液凝固異常の治療
血液が固まって出来てしまう「血栓」の治療のため、アスピリンやへパリンなどの薬物による治療が行われます。
5.感染症
クラミジア感染症を始めとする感染症は、妊娠前に感染症治療を行います。

不育症の克服方法について

「不育症」と診断されても、全体の半数ほどのカップルは何も治療をせずに妊娠できる可能性が高いと言われています。しかし、赤ちゃんを強く望むカップルにとって、「流産」は精神的なショックだけでなく身体的にも負担がかかり、なかなかその悲しみから抜け出すことができません。流産のショックから、うつ病や不安障害を発症してしまい、妊娠自体を諦める女性も少なくないそうです。
海外のあるデータによれば、流産した後の早期段階では、約20%~40%の女性が、不安症状に陥るという報告もあります。日本では、「流産」したことを隠して気丈に振る舞ってしまう女性が多く、そうなると周りも気が付きにくいため充分なフォローが出来ず、流産後早期の段階で約28%の女性が抑うつの症状を持つと言われています。
これは、一般女性の4倍ともなる数字で、流産から12ヶ月後でもおよそ9%の女性にはうつ症状が見られるというデータもあります。

不育症の克服には夫婦で協力することが大切

たとえ不育症と診断されても、次の妊娠で不育症を克服し妊娠することは充分可能だと言われています。まずは夫婦で検査を受け、異常がないか早期に検査をしておくのがよいでしょう。また、不育症検査で問題が見つからなくても、カウンセリングを受けることで赤ちゃんを無事出産できる確率が上がるという研究結果もあるそうです。
カウンセリングだけで妊娠を継続することが出来るかは明確でないものの、カップルの精神的苦痛の緩和や「自分でできること」をつかむきっかけになり、良い方向に向いていける可能性もあります。
現時点で、不育症専門の外来はまだまだ少ないのですが、不育症外来を行う病院は、カウンセリングも実施していることが多く、不育症の克服に有効だと考えられます。

不育症治療の費用は?病院はどう選ぶ?

不育症の治療にはたくさんの費用がかかると想定されますが、不育症の原因によって進められる治療も様々ですので、治療費はそれぞれ異なります。一般的に出産時にかかる費用は平均して60万円ほどと言われていますが、不育症の方が無事出産を終えるまでには、出産と不育症治療費を合わせて120万円程の費用がかかる場合もあるそうです。不育症治療は、保険適用の項目もまだ少なく、自己負担のものが多いため、ある程度の費用が掛かることは想定しておいた方が良いでしょう。
ただし、家庭の経済負担を考慮し、自治体によっては不育症の治療に対する「助成金制度」を設けている場合があります。
まだまだ少ないのが現状ですが、徐々に増えつつあるそうですので、治療を検討されている方は一度、お住まいの市区町村役所に問い合わせてみると良いかもしれません。

病院の選び方

不育症を専門に扱う病院は、残念ながら今のところ全国的にも多くはありません。そのため、産婦人科付属の婦人科から、不妊症の専門外来を紹介されることもありますが、不妊症外来ではあまり不育症に関する知識がない場合も多く、不育症の治療のために病院を選ぶ際は、不育症の専門外来がある所を選んだほうが良いようです。
大学病院で専門外来を設けている病院もありますし、不育症専門クリニックとして専門外来を開設している病院もあります。不妊症の治療を勧めていく中で、不育症が判明する場合もあるため、不妊治療と不育治療を並行して行っている病院が理想的でしょう。