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採卵って痛いの?

2024/01/29

2024/02/13

 採卵は、不妊治療の大きな砦となる体外受精の中で重要な課程です。
だからこそ、「痛み」に関してみなさんから疑問が集中するポイントでもあります。

 ここでは、採卵においての「痛み」を感じる正体を解明して、痛みを和らげる方法やコツを
みなさんにご紹介したいと思います。

助産師・不妊カウンセラー 橋本 七奈子

思春期から生理不順で婦人科に通い、大学生で卵巣腫瘍、片方摘出、結婚と同時に不妊治療開始、妊娠したら切迫早産になって⻑期入院とずっと産婦人科に通ってきました。どの時も産婦人科の助産師さん、看護師さんが寄り添ってくれました。私は全ての女性の味方になりたいという想いで助産師になりました。頑張りすぎないあなたらしさを大切できるライフステージを一緒に考えましょう。どんな小さなことでもいいです。ぜひあなたのお話聞かせてください。

採卵のプロセス

 まずはじめに、採卵のプロセスについてお話しします。
 採卵は、婦人科の内診時に使われている経膣エコーでモニターを確認しながら、膣から採卵用の針で卵巣の中の卵胞を刺します。卵胞から吸引した卵胞液から卵子を回収していくのが採卵の方法です。

 採卵の所要時間は卵胞の個数や大きさにもよりますが、早いと10分もかからないこともあります。たくさん卵胞が育っていると、その分時間はかかり、30分近くかかることもあります。


 その後は、施設にもよりますが2時間前後は安静にベッドで休んで経過を見ます。この時に、麻酔を使わない採卵をしていると1時間ほどで帰宅できるパターンもあります。

採卵の痛みの本当のところ

 採卵の時に感じる痛みの正体は、採卵針を膣壁から卵巣に刺す時に感じます。
しかし、卵巣や膣壁は痛みを感じにくい部分で、特に膣壁はお産をする時に痛みを感じにくくできている臓器です。卵胞の個数が少ないなどのすぐに終わるような場合は麻酔を使わずに行われることもあります。


 ただ、痛みの感じ方は人それぞれで、特に発育した卵胞の数が多い場合は針を刺す回数が多くなり、痛みが強くなります。
 また、卵巣や子宮筋腫、子宮内膜症などの癒着によって、採卵の針を刺すことが難しいこともあり、それに伴って痛みを感じることもあるようです。

患者の経験談

 私は採卵の現場で看護をしてきたので、実際に行うことや内容、様子などは理解しています。
 しかしながら、私自身採卵を経験することとなり、今まで関わってきた採卵を受けてきた方の気持ちや心情がさらに深まった気がしました。


 私の経験談に関しては、また別のコラムでまとめてみたので、もしよろしければご覧ください。
 実際に採卵を受けた方を看護していく中で私が感じることは、ほとんどの方が、当日採卵の痛みに対して緊張しているのは本当に直前の少しの時間で、1番の緊張の理由は、「どれだけ採卵できるか、いい卵がとれるか」ということです。

 採卵当日に来院されて、血圧測定や点滴の準備をしながらみなさんとお話しさせていただくことが多いのですが、「昨日は卵がちゃんと取れるか心配で寝れませんでした」「もし卵が取れなかったら今後の治療はどうなりますか」「卵が一つでも取れたら次のステップにすぐ進めますか」こういった感じです。

 採卵室に入ると、採卵室の雰囲気で少し緊張される方がいらっしゃいますが、大体は看護師がすぐそばにいますし、あっという間に麻酔や痛み止めが効いている合間に採卵が終わってしまうことがほとんどです。
 

 痛みに対して不安や心配がある方は、医師と相談してみてください。ご自身の状態とあった痛みの緩和方法で採卵を安心して受けましょう。

採卵時の痛み

 痛みへの対策については、採卵の時に採卵針を刺す卵巣や膣壁が痛みを感じにくい部分であるため、麻酔を使わなくても採卵を受けることはできます。
 

 実際には麻酔を使う施設が大多数ですが、少ない卵胞であれば短時間で採卵ができるため、麻酔を使わずに早めに帰宅できる施設もあります。


 採卵を受けるかたにとってはかたにとっては、麻酔を使うことで痛みを感じることはないですが、医師やスタッフとの会話がうまくできなくなる時間が⻑くなったり、採卵中にエコーのモニターを見るなどができなくなります。

 また、麻酔を使用すると、採卵後の安静時間を⻑くして麻酔が切れるまでゆっくり休んでもらうようにしたり、麻酔を使用しない場合だと、採卵針をより細いものを使用するなどの配慮で、痛みの緩和対策もかねて痛みに対する痛みへの不安の緩和も同時に行われています。

採卵時の痛みを緩和できる方法とは?

 採卵時は、痛みをできるだけない状態で行えるように、施設によってもちがいはありますが、麻酔や鎮痛剤を使用することが多いです。

 痛みを取るために使用している方法は、鎮痛剤・局所麻酔・静脈麻酔の3つの方法であるこ
とが多いです。


鎮痛剤:

 採卵の前に坐薬を挿入して少しお薬が効いてきた頃に採卵を始めます。個数が2−3個など限られている時に使用されることが多いです。お薬を使う時もすぐに使用でき、麻酔を使った後の副作用なども感じることなく、採卵後は出血など問題がなければ早めに帰宅できます。

 


局所麻酔:

 鎮痛剤と一緒に使うことが多いですが、直接膣壁へ注射をして痛みを感じにくくします。注射の時のちくっという痛みだけで採卵を受けることができます。
 また、意識もあるので、医師や培養士と一緒にモニターを見ながら採卵を受けることができる施設もあるようです。

 


静脈麻酔:

 卵胞がたくさん育った時や希望があれば使用します。静脈麻酔でうとうと、もしくは意識がない中で採卵を受けることができるので、採卵時の痛みに不安がある方には安心に感じるかもしれません。
 私が勤めてきた施設では、この静脈麻酔を利用することが多く、大多数の方が採卵中に寝て目覚めた頃には採卵が終わっているケースがほとんどです。

 

採卵後の痛みについて

 麻酔を使用して採卵を無事に終えることができると、麻酔が切れることを確認するためにも休息時間があります。
 この時期に生理痛のような腹痛や腰痛を訴える方もいますが、医師と相談し鎮痛剤を使用することで痛みは落ちつく程度です。


 麻酔が切れて腹痛、出血や気分不良、お手洗いに行けることなどを確認できたら帰宅できることがほとんどです。
 帰宅した後も、当日は無理をせずゆっくり休む方がいいでしょう。

結論

 採卵をすることが決まった時。
みなさんはどんなことを考えるでしょうか。ステップアップしたことでママになれる日が近づいてきた嬉しさや、採卵自体に対する不安もあるかと思います。


 採卵の時の痛みは意外に感じることなく終わってしまうという感想を持っている方が多いなというのが現場で勤務していた私の感想です。
 しかしながら、採卵に対しての不安や疑問はその都度医師や看護師、培養士へ相談することが1番です。

 自分に合ったプランで採卵周期を過ごせるように、もし痛みに対しての不安や心配があれば、早めに相談してみてください。施設によって、医師によっても多少の違いはあります。
 ですが、早めにご相談していただくことで、安心して、卵の成⻑だけに集中して採卵周期を過ごすことができますよ。