キーワード一覧
閉じる

無精子症の3つの原因と症状/特徴

      2016/02/23

im7436

男性不妊とは、精子が作られない/精子の運動性が悪いなど、男性が原因で不妊症になってしまうことですが、中でも、無精子症(むせいししょう)は、一般男性の100人に1人が該当するほどに大幅に増加し、男性不妊の主要な原因の1つになっています。今回は、無精子症の原因と症状/特徴をまとめました。

無精子症(むせいししょう)3つの原因

近年、無精子症患者は増加傾向にあり、男性の100人に1人が無精子症であるといわれています。無精子症とは、「精液中に精子が全く、あるいはほとんどない状態」のことです。そのため、精液中には精子が無くとも体内では精子が作られている場合もあります。自覚症状がなく、男性自身もなかなか検査を受けようとしないので、気づくのが遅くなってしまうことが多いようです。そのような無精子症の原因は、大きく3つに分類されています。

  • 逆行性射精
  • 閉塞性無精子症
  • 非閉塞性無精子症(クラインフェルター症候群を含む)

男性不妊は精液検査から始まり、無精子症と判断されると精巣に精子があるかどうかを確かめるために精巣組織検査を行います。精巣に精子が見られれば閉塞性無精子症、見られなければ非閉塞性無精子症と判断されることになるようです。

無精子症の原因①:逆行性射精

精子が逆行して膀胱内に流れる症例です。射精して精液が出ても、分泌液成分のみで精液中に精子が含まれず無精子症となるようです。正常であれば膀胱は射精時に閉じているはずですが、膀胱の一部が開いたままになってしまうことによって生じると言われています。

主な原因は糖尿病や脊髄の損傷、特定の薬、前立腺手術、腹部や骨盤部の大手術などです。オルガスムは得られるため不妊以外の害がなく、日常生活や健康には支障がありません。射精後の尿に精液が多く含まれていれば、逆行性射精と診断されるようです。

無精子症の原因②:閉塞性無精子症

閉塞性無精子症とは、精管通過障害の1つで、精巣内で精子は形成されるが精子の通り道が塞がっているために精液には精子が含まれない症状です。射精しても精子が精液に含まれないため無精子症となるようです。ただし、精巣で精子は生成されています。鼠蹊ヘルニアの手術によって精管閉塞を起こしている場合や、避妊の為にパイプカットした場合が主な原因のようです。

無精子症の原因③:非閉塞性無精子症

非閉塞性無精子症とは、精管が塞がっていないにもかかわらず体外に精子が出てこない状態で、精巣内で精子がほとんど、あるいは、全く作られない症状です。無精子症の約8割はこの非閉塞性無精子症といわれています。精巣内の精子の状態も次のように分かれています。

  • 精巣内でわずかに精子がつくられている
  • 成熟停止、精子形成の途中で成熟が止まっている
  • まったく精子がつくられていない(セルトリ細胞単独症)

また、クラインフェルター症候群という特殊な症例も含まれます。これは、通常男性の染色体はXYですが、染色体がXXYとXが多い方の場合にそれが原因で、精子産生機能が低下してしまう症例です。広義には非閉塞性無精子症に含むようですが、狭義では独立した一つの症例と扱われることもあるようです。男性の500人~1000人に1人の割合で該当するとも言われています。

無精子症を早期発見するコツと対処法

最近では「男性が不妊の原因である可能性がある」ということが、少し前よりも認知されています。ただ、まだ自分が不妊症であることを疑うことができなかったり、不妊治療クリニックに行く勇気がでなかったりする方が多いといいます。男性不妊の場合は、泌尿器科でも精液検査を受けることができます。また、最近では自宅での検査キットもありますので、クリニックや病院に行くことなく、無精子症などの男性不妊を検査することができます。不妊治療は時間との勝負と言われることもあるようで、早めの検査が大切になるといいます。不安に思い、悩みを抱えてしまうよりは検査を受けてしまう方が良いかもしれません。

無精子症の場合、自覚的な症状が出にくく、男性不妊であることに気付きにくいとされています。また、原因についても先天的なものもあれば、子供の頃の何らかの病気での後遺症から無精子症になってしまうこともあります。そのため、不妊症かなと思ったタイミングで夫婦一緒に検査を受けることが勧められています。不妊症を疑う目安としては、避妊をせずに性行為をして1年以上妊娠しない場合です。不妊症は女性だけでなく、夫婦一緒に考えることが重要だと言われています。

無精子症と診断された場合、症状に適した治療を受けることが大切だと考えられます。適切な治療を受けるためにも、信頼できるクリニックを探すことが重要だと言えるでしょう。不妊治療をおこなっているクリニックや病院と交流のある泌尿器科なども増えています。泌尿器科で精子を採取するところから、不妊治療のクリニックや病院への搬送まで、一括して行う施設もあるようです。自分に合ったクリニックや病院を見つけることができると不妊治療が進めやすくなるかもしれません。

無精子症の治療方法

・閉塞性無精子症の治療方法

1つ目は精巣や精巣上体内の精子を直接採取し、顕微授精を行う方法です。閉塞性無精子症では精巣内には精子が存在しているため、精子が採取できれば妊娠の可能性があるといいます。

2つ目は精路再建手術により無精子症そのものを治療する方法です。精管精嚢造影検査で精管が塞がっていたり詰まったりしていないかを調べ、症状に応じて手術を進めていきます。手術が成功すると精子の通路が開くため、自然妊娠が可能になるようです。

・非閉塞性無精子症の治療方法

1つ目は、ホルモン異常が原因で精子が作られないタイプの非閉塞無精子症への治療法です。このタイプの非閉塞性無精子症の場合には、ホルモン剤を注射することで精子の形成を試みることになるといいます。

2つ目は、MD-TESEという治療法です。非閉塞性無精子症の方の半数は精巣内の一部分では正常に精子が作られているようで、MD-TESEで精子や精子になる前の細胞を探します。精子が見つかると直接採取して顕微授精が行うことができるので、無精子の方でも妊娠に至ることがあると言われています。また、MD-TESEは医師の経験や技術が結果を左右しやすいと言われているので、できるだけ実績のあるクリニックや病院での治療をするのが良いかもしれません。ただ、MD-TESEは高度な医療技術なので、どうしても費用は高くなってしまいます。夫婦や医師との入念な話し合いの上、夫婦間や医師との入念な話し合いの上、治療を進めていくのがよいでしょう。

無精子症や不妊症は自分とは無関係だと考えてしまいがちですが、数字で見ていくと意外と身近な病気であることがわかります。もし心当たりがある場合、まずは専門医に相談してみるのがよいと思われます。