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体外受精のショート法、ロング法とは?|採卵日はいつ?妊娠しやすい?

2016/11/10

2016/11/10

体外受精で妊娠するためには、できるだけ質の良い卵子をたくさん採卵することが大切だと言われています。しかし、本来人間の体は1回の月経周期に1つだけの卵子が排卵されるため、1回の採卵でたくさんの卵子を採るためにも、薬や注射を用い人工的に排卵数を増やす治療が行われます。

この排卵誘発には様々な方法がありますが、今回は代表的な「ショート法」や「ロング法」の採卵日やスケジュール、妊娠についてまとめています。

体外受精の「ショート法」と「ロング法」|使い分けの基準とは?

体外受精の排卵誘発で、「ショート法」「ロング法」のどちらを用いるかは、女性の卵巣機能によって使いわけられるそうです。たとえば、AMH(抗ミュラー管ホルモン)の値が低く、卵巣に残っている卵子の数が少ない事が想定される時や、FSH(卵巣刺激ホルモン)の値が高く、卵子が発育しにくい状態であれば、「ショート法」が選択されるようです。

また、AMHやFSHは年齢とも深く関係していると言われているため、37歳以下であればロング法を、38歳以上であればショート法を用いるというのが一般的とされているようです。

ショート法の採卵日や妊娠について|体外受精のショート法とロング法

体外受精に用いられるショート法は、ロング法と比較すると薬の投与期間が短く、体への負担が比較的軽く済む排卵誘発方法と言われてます。GnRHアゴニスト薬を使用した直後から、大量の性腺刺激ホルモンが分泌されるため、短期間で卵胞を成長させられるという特徴があります。ショート法は、ロング法よりも排卵をコントロールしにくい面があるのですが、仕事が忙しくこまめな通院が難しい方には向いていると言えるでしょう。

○ショート法のメリット
・治療期間は短く、薬の量も少ないため、卵巣や体への負担が少ない
・短期間の間に卵胞が育つ
・OHSS(卵巣過剰刺激症候群)になりにくい
・ロング法よりも多くの卵子が採れる

○ショート法のデメリット
・ホルモンの大量分泌によって、悪影響を及ぼすリスクがある
・治療の効果を事前予測しにくい
・卵子の質が低下しやすい

○ショート法の投薬スケジュール
ショート法は、体外受精を行う周期の中で実施します。

1.ピルの服用
ピルの服用は、状況に応じて医師の判断で行われます。

2.排卵抑制剤
月経開始1~2日目から、GnRHアゴニスト製剤で排卵を抑制します。
このGnRHアゴニスト製剤は点鼻薬タイプで、1日3回排卵促進剤の投与まで噴霧する必要があります。

3.排卵誘発剤
排卵抑制剤を使い始めた翌日より、hMG製剤を毎日注射し排卵誘発を行います。
一般的に注射は、7回位が多いそうで、指定期間中は毎日打ちます。
排卵誘発剤を注射している期間中、同時に通院もし、超音波検査で卵胞の大きさもチェックしていきます。
排卵誘発剤は、自己注射も可能です。

4.排卵促進剤
複数の卵胞が18mm程度に育ったら、排卵促進剤のhCG製剤を注射します。
注射から36~40時間後に排卵が起こるため、34~36時間後に採卵を行います。
一般的には、生理開始から13日目頃に採卵を行う事が多いようです。
採卵後、精子と受精させ、培養した受精卵を子宮に戻し妊娠を試みます。

ロング法の採卵日や妊娠について|体外受精のショート法とロング法

体外受精に用いられるロング法は、長期間の間ホルモン剤を投与する排卵誘発方法だとされているようです。薬の量と使用期間が長いのが特徴で、採卵日のコントロールはしやすいのですが、ショート法に比べて体には負担がかかるかもしれません。薬の投与は、採卵予定周期の前周期から、点鼻薬で自然な排卵を抑制しつつ卵子を成熟させていきます。投与される薬の量が多いため、比較的年齢が若く、確実にたくさんの卵子を採卵したい方に向いていると言えるでしょう。

○ロング法のメリット
・採卵日をコントロールしやすい
・卵胞が成熟していても、自然に排卵してしまう可能性がほぼない
・卵胞が複数個あっても、発育が均一で質の良い卵子が採れやすい

○ロング法のデメリット
・注射量が多く、治療費が高くなる
・前周期は避妊が必要となる
・卵巣への刺激が強いためOHSS(卵巣過剰刺激症候群)のリスクが高い
・ショート法に比べ、採卵数は少ない

○ロング法の投薬スケジュール
ロング法は、体外受精を行う前の生理周期から開始されます。

1.ピルの服用
ロング法の場合もピルの服用をしない事もありますが、必要な場合は、前周期の高温期から服用します。ピルを服用すると、前周期に育ったまま体内に残った卵胞を取り除いたり、排卵スケジュールをコントールすることができるようです。ピルの服用をやめると、2~3日後に生理が来ると言われています。

2.排卵抑制剤
前周期の高温期から、GnRHアゴニスト製剤の点鼻薬を使用し、排卵を抑制します。1日2~3回鼻に噴霧し、排卵促進剤の投与が始まるまで続けます。

3.排卵誘発剤
月経開始3日目から、hMG製剤を注射し排卵を誘発します。7回~9回をほぼ毎日打つのですが、ショート法と同じく排卵誘発剤の投薬中に通院し、超音波検査で卵胞の大きさを確認していきます。自己注射も可能ですので、医師に相談してみると良いでしょう。

4.排卵促進剤
複数の卵胞が18mm程度まで成長したら、hCG製剤注射で排卵を促進します。ここはショート法と同じで、注射から36~40時間後に排卵が起こるため、34~36時間後に採卵を行います。一般的には、生理開始から13日目頃に採卵を行うことが多いようです。採卵後、精子と受精させ培養した受精卵を子宮に移植して妊娠を試みます。

ちなみに体外受精で使用する排卵に関連する薬は、排卵促進剤の「hCG製剤」と、排卵誘発剤の「hMG製剤」で別の薬になりますので、間違えないよう注意が必要だと言えるでしょう。