胚培養士直伝!男性妊活4か条
2024/02/12
2024/02/13
「妊活、実際何をしたらいいのか分からない・・・」
そんな男性の方、パートナーと一緒に読んでいただきたい男性視点の内容となっています。
ぜひ参考にしてみてください!!
其の1.妊娠や出産などに対する知識を身に付ける
男性で妊娠や出産などのことを知っている人はあまり多くはないと思います。
以下の内容はほんの一部ですが、これらの知識を理解しておくとパートナーとの絆がより深まるかもしれません。
妊娠~出産までの流れ
・妊娠はどのように成立するか知っていますか?
・妊娠から赤ちゃんはどれくらいで生まれてくるか知っていますか?
・「月経」や「排卵」とはどんなものですか?
・年齢別の自然妊娠の確率は?
・年齢別で妊活の期間の目安は?
・妊娠はすぐできる、簡単に子供を授かることができると思っていませんか?
不妊治療のこと
・体外受精で生まれてくる子どもの割合は?
・年齢別、体外受精の妊娠率は?
・体外受精って費用がいくらくらいかかるか?
まずは、こちらを参照してみてください。
日本生殖医学会 生殖医療Q&A
http://www.jsrm.or.jp/public/index.html
其の2.パートナーと話し合う、計画を経てる
知識を理解した上で、お互いの考え方を共有して話し合うことも立派な妊活のひとつです。
これからの家族について、とても重要なことですのでしっかりとコミュニケーションをとるようにしてくださいね。
ライフプランについて(妊娠までのこと・妊娠中・子供が生まれた後など)
・子供はいつ頃(何歳)までに何人欲しいか?
・子供が生まれたら、家のことはどうするか?
・方働きか、共働きか?
・家族が増えても家計は大丈夫か?
不妊治療ついて
・必要であれば治療もする?しない?
・治療期間はどれくらい?
(期間は?何歳まで?タイミング?人工授精?体外受精?)
・治療コストについて
其の3.健康度・男性不妊チェック
不妊症、自分は大丈夫と思っていませんか?
男性に何らかの不妊の原因がある割合は、実は約50%もあると言われています。
男性不妊チェック(ブライダルチェック)の内容
ひと昔前までは、産婦人科でパートナーと一緒に受けることが一般的でしたが、泌尿器科など一人でも受けることが出来るところが増えてきています。
事前にホームページの確認や問い合わせなどするとよいでしょう。
・目視で行う一般精液検査(精液量、精子数、精液濃度、運動率など)
・特別な機械で測定する精子機能検査(DNAの損傷率、酸化ストレス、運動精子の速度など)
・血液検査(HIV、クラミジア、淋菌などの性感染症)
・ホルモン検査(男性ホルモンと呼ばれるテストステロン、甲状腺ホルモンなど)
精液検査セルフチェック
「仕事で忙しくなかなか病院に行けない」、「病院に行くことにちょっと抵抗あるな」というかたは、自分で出来る精液検査キットというものがネットなどで販売されています。
検査キットによって多少の精度にばらつきがあるようですが、おおまかな精液所見として確認することができますし、受診するきっかけにもなるのではないでしょうか。
男性不妊の原因
①病気
生殖機能の異常は、男性に限ったことではありませんが妊活にとって最も致命的となります。
妊活をいま考えていない方でも、将来する可能性があるなら出来る限り早めに発見・治療をおすすめします。
・精液の異常(造精機能障害)
男性不妊の病気で最も多く、およそ80%を占めると言われています。
精子の数が少ない、精子の運動性が低い、精子がまったく造られないなどとなります。
・精路の異常(精路通過障害)
精子の通り道が狭くなっていたり、塞がっていたりすることが原因で正常な精子が排出されなくなります。
先天性、後天性など様々な原因がありますが、その原因によって適切な治療の見極めが重要となります。
・勃起・射精の異常(性機能障害)
最近増えているのが、勃起しない、射精できないという症状です。特に妊活を始めると女性の排卵日に合わせて性交をしようとする際、プレッシャーを感じてしまい勃起できなかったり、射精がうまくできなかったりする方も増えているようです。
また、陰嚢の静脈が拡張してしまう「精索静脈瘤」という病気がありますが、これは手術することで精液所見が改善することが多くみられます。
②セックスレスの夫婦が増加
日本人は、世界的にもセックスレスの夫婦が多いことが分かっています。
使わない機能は衰えていくため、長い間セックスをしていないと勃起力は維持しづらくなります。
また、精子は毎日作られますので、あまりに禁欲期間が長い場合では古い精子が残ってしまい新しく造られた精子にも悪影響を及ぼしてしまい精子の質が低下してしまいます。
妊活の時だけでなくとも普段から夫婦間のコミュニケーションは必要です。
③加齢・晩婚化
日本では晩婚化、少子化が進んでよくニュースなどでも話題になっていて、なかには妊活になかなか踏み込めないご夫婦もいらっしゃるようです。
これは、経済的な問題や女性の社会進出などが挙げられるようですが、男性でも女性でも仕事も家庭(家事など)も共に協力すれば解決できる問題なのかもしれませんね。
年齢が上がると女性だけでなく男性側も妊娠力の低下傾向にあるため「いつかは子供が欲しい」ではなく結婚や妊活は出来るだけ早く取り組むべきだと考えます。
其の4.生活習慣の改善
妊活のために今日からできることは、ライフスタイルを整えることといえます。
また、妊活だけでなくいつまでも健康な身体を維持できるようにしましょう。
①ストレス
単に精神的なものだけでなく過度な運動や仕事の疲労、偏った食事などによる身体的なものもあり、ストレスは身体の様々な細胞を傷つけることが分かっています。
もちろん造精機能や精子細胞に対しても例外ではなく、特に精子の質が悪くなるといわれています。
また、ストレスが増える要因としては、活性酸素と抗酸化作用のバランスが崩れることといわれています。抗酸化作用を含む食品(緑黄色野菜、海藻・海鮮類など)やサプリメント(コエンザイムQ10など)を積極的にとるようにしましょう。
②食生活
主に外食や好きなものしか食べていないなどの脂っこいものや甘いもののとり過ぎなど偏った食生活を続けていると、不妊だけでなく肥満や糖尿病などを引き起こす可能性もありますので、バランスのいい食生活を心がけるようにしてください。
③適度な運動
先ほど、年齢が上がると妊娠力が低下するという説明をしましたが、その根本の原因は運動不足や体力・代謝の低下とも言えると思っています。
いくら若くても代謝が低く運動不足や肥満傾向であれば精子力は低い傾向にあるでしょうし、定期的に運動を続けている人は、いつまでも若々しく精子力も高いともいえます。
国民栄養調査では、「週2回以上、1回30分以上、1年以上、運動している者」を運動習慣者と定義しており、日常生活における歩数の目標値として「男性:9,200歩、女性:8,300歩」されています。
厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/www1/topics/kenko21_11/b2.html
④喫煙、過度なアルコールを控える
喫煙や過度な飲酒は造精機能や精子の運動率に悪影響を及ぼすことが分かっています。
また、これは睡眠の質にも影響しますのでできるだけ控えるよう心がけてください。
⑤生活のリズム(規則正しい起床・就寝・睡眠時間)
いい精子を造るためには、男性ホルモンを増やすこと、つまりは質のいい睡眠が大事になってきます。
いつも同じ時間に起床・就寝をするようにして、質の高い睡眠をとるようにしましょう。
⑥長期間の禁欲は避ける
前述でも説明しましたが、長期間の禁欲は新しく造られた精子にも悪影響を及ぼしますので、定期的(1~2週間)に一回程度は射精を行うようにしてください。
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