なぜ35歳以上は不妊症になりやすい?|高齢不妊の原因と治療
2015/10/01
2015/10/01
昨今は晩婚化が進んでいるため、おのずと高齢不妊の方の割合も増加傾向にあるとされています。どうして高齢不妊になるのか、なったらどうすればいいのかをご紹介したいと思います。
高齢不妊の不妊治療①|高齢不妊とは?
高齢不妊とは一般的に、35歳以上の方で通常の不妊症よりも妊娠が難しい症例のことを言います。高齢不妊が35歳以上と定義されているのは、35歳以上から自然妊娠の確率が徐々に低下するからだそうです。ある統計では33歳位から妊娠力が徐々に低下し始め、40歳半ばになると妊娠が難しくなってくるとも言われています。
高齢不妊の不妊治療②|高齢不妊の原因
高齢不妊の原因は様々あります。生理の際には毎月新しい卵が排出されますが、その間隔(月経周期)が年齢とともに徐々に開いていくそうです。月経周期が長くなるとそれによって排卵の回数が少なくなるので、受精するタイミングが少なくなることを意味します。また、卵子の老化も進むため、排卵されても不完全な卵だったり、生理は来てても排卵されてないということも増えてくるようです。
また妊娠には黄体ホルモンが重要になってきますが、加齢に伴ってホルモン分泌が少なくなっていくことも原因の一つです。黄体ホルモンは、受精卵の着床・胎盤形成など妊娠出産において欠かせないホルモンと言われています。黄体ホルモンの分泌が少ないと無事受精しても妊娠の継続が難しくなり、流産してしまうことがあります。高齢妊娠が難しいのは、妊娠しにくいことに加え、流産しやすくなってしまうことが原因のようです。
また、子宮内膜症など、子宮や卵巣の病気は30代から40代の女性に多く発生します。これらの病気が原因で子宮の状態が悪くなると妊娠しにくくなり、また妊娠できたとしても胎盤早期剥離や早産・流産などが発生しやすい子宮筋腫合併妊娠になる可能性が高くなるようです。もちろん、高齢で妊娠を望む方全員が合併症を併発するわけではありません。ただ、35歳以上で妊娠を望む場合は、これらの可能性がある事を把握し、不妊治療の計画を立てていくのがよいでしょう。
高齢不妊の不妊治療③|高齢不妊の治療の進め方
高齢不妊も通常の不妊症と同じ治療を行いますが、進め方が変わってくる場合があります。通常の不妊治療は、タイミング法という自然妊娠に近い形から始めることが多いです。タイミング法は身体的・金銭的負担が少ないので取り組みやすいのですが、一方で、経過の観察期間が基本的に1年ほどかかってしまいます。したがって、高齢不妊の場合は観察期間を待っても妊娠しなかったときに、さらに妊娠の確率が下がってしまうことになります。そのため、高齢不妊では最初のタイミング法を飛ばし、人工授精から始められる方もいます。それ以降も、不妊治療のステップを上げる感覚が通常の不妊症より早いことが多いようです。
このように、高齢不妊の不妊治療を始める際には、自分の年齢や既往歴などを考慮して治療の計画を立てることが重要と言えそうです。