卵管因子の原因!!?不妊症とクラミジアの関係性とは
2024/12/12
2024/12/12
不妊症の原因の中でも大きなウエイトを占めている卵管因子ですが、主な原因はクラミジアと呼ばれる病原菌と言われています。
この病原菌は自覚症状がないことから検査を受けるまで気づかないことが多く、卵管にフィルムのような癒着を引き起こし閉塞させる可能性があります。
卵管が詰まると自然妊娠ができず、多くの人が気づかないまま不妊症となっています。
今回はクラミジアがどのようなもので不妊症を含めどのように体に害をなすのか調べていきましょう。
クラミジアとは
クラミジアと一言で言っても実はクラミジアには様々な種類があります。
その中で問題になっているのが、性感染症を引き起こすクラミジア・トラコマティスという病原体です。
クラミジアは一度の性行為で30〜50%程度の確率で感染するといわれており、1度の性行為で感染する可能性があります。
クラミジアは生きた細胞に入り込み細胞の中で分裂増殖を行い、増殖したのちに生きた細胞を破壊し、細胞外へと拡散してからまた生きた細胞に侵入し拡大をし続けます。
クラミジアは感染してから症状が現れるまでの潜伏期間は1週間~3週間と言われていますが、感染しても自覚症状がないことが多い感染症です。
感染しているのに気づいていないため感染が広がり、最も感染が広がっている感染症と言われています。
近年では性行為の若年化に伴い10~に10~20代も感染が広がっています。
感染方法
クラミジアは感染した人の精液・腟分泌液などに存在し、主にセックス・オーラルセックスなどの性行為により感染します。
コロナやO157のようにウイルスが空中に浮遊し吸い込んだり、肌の接触などでは感染しにくいためプールや大衆浴場、トイレなどでの感染はありません。
クラミジアは女性の感染率が高いといわれており、クラミジア感染者と性交渉を行った場合50%以上の感染率と言われています。
不妊症とクラミジア
女性
女性がクラミジアに感染するとおりものの量や色の変化や不正出血、下腹部痛の症状に異常が見られることがあります。
クラミジアは自覚症状が乏しいため、症状が出ないことが多く感染していることに検査を行うまで気づかない人が多くいます。
しかし、感染が子宮内膜や卵管に進行すると卵管因子と呼ばれる不妊症の原因の30%を占める症状の原因となってしまいます。(卵管因子の原因の60%ほどがクラミジアと言われています)。
感染が卵管まで広がると卵管に炎症やフィルムのような癒着を引き起こし、狭くなったり、閉塞することがあります。
卵管が閉塞してしまうと精子が受精のために卵管を通過できないため卵子と受精することができなくなり、自然妊娠ができなくなってしまいます。
また、もしも妊娠できた場合でもクラミジアに感染していた場合には流産や早産の原因となり、母子感染により赤ちゃんが肺炎や結膜炎を起こすことがあります。
妊娠中でもクラミジアの治療は可能ですので、抗生物質を内服し完治してから分娩に臨むことが大切です。
また、妊婦さんがクラミジアに感染している場合はパートナーも高確率でクラミジアに感染しています。カップル両方がクラミジアの治療をすることが必要です。
男性
尿道に炎症を起こすことで精巣上体にはれができたり、排尿痛、発熱、かゆみが引き起る可能性があります。
また、尿道炎が起こりサラサラとした尿道分泌液が出てくる可能性があり、下着に跡が残るようになります。
感染を放置しておくと、パートナーに感染して卵管因子の原因を作ったり男性不妊の原因となることがあります。
不妊症以外の感染症状
女性
女性は男性よりも症状が軽く、合併症・後遺症リスクが高い傾向にあります。
- 子宮頸管炎
子宮頸管炎とは、子宮頸部の病気で、病原菌に感染して炎症を起こします。
子宮頚管炎にクラミジアが感染した場合において、半分の方が無症状と言われています。
子宮頸管に感染した場合には、卵管炎や腹腔内へ感染が広がる可能性があります。また子宮頸がんの原因菌であるヒト・パピローマウィルス(HPV)に感染しやすくなるといわれています。
- 肝周囲炎
肝周囲炎とは、クラミジアが卵管を経由して腹腔内に侵入し炎症を起こす疾患です。骨盤内から上腹部までに炎症が起きることで肝臓周辺に炎症が引き起ります。
肝周囲炎の症状には、発熱や右上腹部痛、身体を動かすことで生じる痛みなどがあります。また、バイオリン・ストリングと呼ばれる肝臓表面と腹壁の間にひも状のようなものができたりします。
発症した直後では新しい上腹部の痛みが伴い内科や外科などの診療でクラミジア感染が判明することが多いようです。しかし、内科や外科ではクラミジアの感染が原因とはわかるまで時間がかかることが多く、クラミジアの治療が遅れることがあります。
- 骨盤腹膜炎
炎症が骨盤まで広がると骨盤腹膜炎が起こることがあります。
症状としては、高熱や下腹部痛、おりものの増加、不正出血が増加します。とくに下腹部の痛みは歩くと響くような激痛と言われており、重症の方は救急外来で受診をしなければいけないほどです。
感染症の中でも診断基準を決めることが難しい症状で、すぐに原因が特定できない可能性があります。
炎症が広がると、卵管や骨盤の癒着が併発し、卵管が閉塞する卵管因子の原因となります。
- 咽頭感染
オーラルセックスを通して感染する場合、咽頭感染を引き起こすことがあります。
近年では、情報が簡単に閲覧できることや性行為の貞操観念がなくなってきたことや、オーラルセックスに対する抵抗感が弱まったことで増加しています。
咽頭クラミジアは、症状が乏しく症状がでてものどの腫れや痛みなど風邪と似たような症状のため気づかない人が多いです。
咽頭クラミジアは性器へ感染した場合よりも治療に時間がかかるといわれています。
クラミジアの検査法
クラミジアの検査は尿や分泌液、うがい液などで検査をする抗原検査と採血により血液中のタンパク質を調べる抗体検査が主流です。
性器部分でのクラミジアの検査では綿棒などで膣からの分泌液を採取したり男性は尿検査を行います。
咽頭クラミジアの場合は生理食塩水でうがいを行い検査していきます。
クラミジアの治療法
クラミジアの治療はジスロマックやクラビット、アジスロマイシン、ミノマイシンなどの抗生物質の服薬になります。
クリニックにより処方する薬が違いますので、効果や副作用など説明を良く聞いて服薬を開始してください。
クラミジアの抗生物質は販売をしていません。医師の処方がなければ手に入れることができませんのでインターネットなどでの販売はご注意ください。
基本的には薬を1日~7日服薬し(薬により1日服薬するだけで1週間効き目があるものがあります)、2週間ほど空けてクラミジアが完全に治療できているかを検査していきます。
クラミジアが完全に治るまで性行為は行わないように注意が必要です。
まとめ
クラミジア感染症は、近年では感染しないようにすることの方が難しいほど流行しています。
ピンポン感染、という言葉があります。これは、自分1人が治療しても性的パートナーが感染源だった場合に性感染症を再び移し合うことになってしまう、まるで卓球のラリーのような病気のやり取りが起こることからこのような名称がついています。。
もしも織物や精液などに異常が見つかった場合などはクリニックに相談し、早めの治療を心がけましょう。
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