
結婚前でも不妊の検査は受けられる?ブライダルチェックとの違いは?
2019/03/15
2021/06/07
「結婚はまだだけど、将来は子どもがほしいから今のうちから不妊の可能性がないかどうか検査しておきたい」。そんな風に感じている未婚女性も多いのではないでしょうか。不妊検査は妊活をして、なかなか授からない夫婦が受けるもの、というイメージがあるかもしれません。
今回は未婚でも不妊の検査ができるのか、どういった検査の項目があるのか、また、結婚前の女性の検査として知られる「ブライダルチェック」との違いについても解説します。
不妊の検査は結婚前でも受けられる?
不妊の検査は、一般的に次のような人が必要といわれています。
・30歳未満で結婚後、2年以上が経過している妊娠希望の方
・30歳以上で結婚しており、半年以上経過している妊娠希望の方
・30歳以上で結婚しておらず、結婚後に妊娠を希望している方
・年齢に関係なく、妊娠できる可能性を確認しておきたい方
このように、不妊検査は結婚の前後を問わず受けることが可能です。また、現時点で妊娠を希望していない方でも、不妊の検査を受けることが可能です。
「出典: 神奈川レディースクリニック 一般不妊検査 http://www.klc.jp/cure/cure1.html 最終閲覧日 2018年3月5日」
不妊検査の項目は?
不妊検査は、男性と女性で内容が異なります。それぞれ、どのような検査をするのかみていきましょう。
不妊の検査項目(男性)
男性の不妊検査には、精液検査と、泌尿器科的な検査があります。
・精液検査
マスターベーションなどで採取した精液の量や精液に含まれる精子の濃度、運動率、形態などを調べます。精液の状態は日によって異なるため、基準値を下回る結果が出ても、別の日に再検査すると数値が変わる可能性があります。
・泌尿器科的検査
精液検査で異常が認められた場合にのみ行われます。こう丸などの見た目やサイズをチェックし、さらに男性不妊を引き起こし得る精索静脈瘤などを調べます。 また、血液検査で血液中に含まれる男性ホルモンや性腺刺激ホルモンの量などを調べることもあります。
このような検査によって、精液の異常の原因究明が可能です。 精子の数が非常に少なかったり、精子が精液に含まれていなかったりした場合には、染色体や遺伝子の検査が勧められます。その他にも、精嚢や射精管の形態を調べるためにMRIを受けたり、勃起能力を調べたりすることもあります。
「出典:一般社団法人日本生殖医学会 検査http://www.jsrm.or.jp/public/funinsho_qa07.html 最終閲覧日2019年3月12日」
不妊の検査項目(女性)
女性の不妊検査の種類は非常に多く、医療機関によって行われる検査が異なります。一般的に行われている検査は次のとおりです。
・基礎体温
・超音波検査
・抗精子抗体検査
・子宮頚管粘液検査
・フーナーテスト
・通気検査
・子宮卵管造影検査
・各種ホルモン検査
・子宮鏡検査
・クラミジア検査
女性の年齢や体質、現在の状態などを踏まえて、必要とされる検査が提案されます。
不妊検査とブライダルチェックの違いは?
不妊検査とブライダルチェックは、検査の目的が異なります。ブライダルチェックは、結婚後に妊娠することを前提としており、そのまま妊娠することでトラブルが起こらないかを調べます。
ブライダルチェックで問題が見つかった場合は、妊娠中に赤ちゃんの健康に悪影響が及ばないように、治療を受けることになります。不妊の有無や不妊の原因を調べる検査ではないため、ブライダルチェックで問題が見つからなくても、不妊症ではないとは限りません。
不妊検査は、不妊の有無や原因を調べます。原因を調べることで、不妊症の改善の糸口が見つかる可能性があります。
また、検査結果に応じて、タイミング法や人工授精、体外受精、顕微授精など、不妊治療の方法を選択します。
ブライダルチェックの検査内容は?
医療機関によって、ブライダルチェックの内容が異なります。
一般的には、問診や内診、血液検査、超音波検査、子宮がん検査などを行います。
・問診
月経周期や病歴、妊娠や流産の経験の有無、生活習慣などを尋ねられます。身体の不調など気になることがある場合は、医師に伝えておきましょう。
・内診
膣内や外陰部、卵巣や子宮の状態を診る、もしくは触れて調べます。ブライダルチェックでは、内診を希望しない場合は行われないケースもあるため、事前に確認しておきましょう。
・血液検査
風疹ウイルスに対する免疫を調べます。風疹は、妊娠初期にかかると赤ちゃんに先天性異常が起こり得るため、妊娠前の検査が重要です。同じく梅毒も退治に感染する恐れがあるため、一緒に調べます。その他、ウイルス性肝炎やエイズ、クラミジア抗体などの検査も兼ねています。
・超音波検査
不妊や流産に繋がる原因がないか卵巣や子宮を調べます。超音波検査には、膣に機器を挿入する方法とお腹の上から当てる方法があります。
・尿検査
クラミジアに現時点で感染しているかどうかを調べられます。
・子宮がん検査
早期発見が重要な子宮がんの有無を調べます。 全ての検査を必ず受ける必要があるわけではないため、特別な事情により受けたくない検査がある場合は、医師にその旨を伝えましょう。
不妊検査はどこで受けられる?
不妊・妊活関連の検査は、クリニックによっては「不妊ドッグ」や「プレコンセプションケア」などの名称で行われています。必要な検査をパック式で提供しているクリニックも多いので、チェックしておきましょう。東京都内で不妊関連の検査を受けられるクリニックをいくつかご紹介します。
不妊関連の検査が受けられる都内のクリニック5選
・はるねクリニック銀座ー不妊ドック
・杉山産婦人科 新宿ー不妊ドック
・はらメディカルクリニックー不妊検査
・松本レディスクリニック 不妊センターー妊活検査パック
・フィーカ レディースクリニックープレコンセプションケア
妊活中でなくても、将来の妊娠のために今から自分の体をチェックしておきたいという方であれば、「プレコンセプションケア」の検査を行なっているクリニックが受診しやすいかもしれません。
また、不妊検査は助成の対象となる場合もあるので、助成対象の指定医療機関であるかどうかも検査を受ける病院選びのポイントになるでしょう。
執筆者
加藤良大 医療ライター。医療機関のHP・ブログ・情報サイトの記事執筆経験10,000本以上。不妊治療・婦人科・美容医療・歯科など様々なジャンルの記事を執筆中