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~漢方で考える~妊活と子宮内膜症

2020/05/12

2020/05/12

こんにちは。誠心堂薬局の西野です。
今回は子宮内膜症についてお話しします。

西野 裕一

薬剤師・鍼灸師・国際中医師認定A級 株式会社誠心堂薬局代表取締役 一般社団法人日本中医学会理事 一般社団法人統合医療生殖学会理事 中国漢方普及協会会長 北里大学薬学部薬学科卒/東京医療福祉専門学校卒 6か月間の中医学子宝治療で60%妊娠実績を持つ(*) *2016年ポータルサイトジネコモニターによる

子宮内膜症とは

20~30代の女性で発症することが多く、そのピークは30~34歳にあるといわれています。子宮周囲の組織と癒着をおこして生理痛などのさまざまな痛みをもたらしたりします。
また、不妊症の方の50%近くに存在するとされています。
子宮内膜症は現在でも enigmatic disease(原因不明の病気)とされています。しかし、子宮内膜移植説が有力といわれています。
子宮内膜症による嚢胞(のうほう)は、発症することで卵巣機能の低下をきたしたり、精子の運動障害、受精障害、胚の発育障害になります。
妊活をされる方には、子宮内膜症は妊活中に治療をする重要な疾患であると言えます。
特に、卵巣子宮内膜症(チョコレート嚢腫)がある方の場合には、卵巣機能に影響が出やすいので早めに対策が必要です。
嚢腫の大きさ(4cm以上)によっては手術で摘出するケースもありますが、手術によって、さらに卵巣機能が低下することもあるので妊活中の方はできるだけ手術をしないですむようにしたいです。

中医学で考える対策

中医学では、内膜症の嚢胞を「瘀血(おけつ)」「痰湿(たんしつ)」と考えています。
「瘀血」とは、スムーズに流れて全身に酸素や栄養を運び、老廃物を回収しているはずの「血(けつ)」という栄養物質が様々な要因で滞っている状態のことです。また「痰湿」とは、「血」と同じようにして体を潤し滋養している「津液(しんえき)」という栄養物質が滞って水分代謝の巡りが悪くなっている状態のことを言います。
中医学では「瘀血」や「痰湿」となっている原因や体質に対して治療する方法(根治)と、症状(生理痛や排卵障害、月経不順)を緩和する方法(標治)を組み合わせて治療していきます。
さらに、漢方だけではなく、ツボ治療を組み合わせると相乗効果があります。
ツボも組み合わせ方でその働きが変わります。

代表的な漢方薬

 

具体的には、漢方薬では「活血薬(かっけつやく)」「化痰薬(かたんやく)」「補腎薬(ほじんやく)」を組み合わせることが多いです。
生理痛が酷い場合には、芎帰調血飲第一加減(きゅうきちょうけついんだいいちかげん)や折衝飲(せっしょういん)など。
チョコレート嚢腫などには、桂枝茯苓丸加ヨクイニン(けいしぶくりょうがんかよくいにん)、大黄牡丹皮湯(だいおうぼたんぴとう)など。
腺筋症などには、血府逐瘀血湯(けっぷちくおとう)などをよく使います。

 

よく使うツボ お灸は家庭でもできる

お灸は家庭でもできるためぜひ取り入れていただきたいと思います。
三陰交(さんいんこう)、子宮穴(しきゅうけつ)へのお灸や、次髎(じりょう)への刺激などがお勧めです。

中医学では、辛い症状を軽減することはもちろんですが、体質改善により子宮の環境を整えることができます。経血の質が気になる方はぜひ漢方薬や鍼灸も取り入れてみてください。