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不妊治療とは

そもそも不妊治療とはなんなのか、検査や治療内容はどのような事をするのか、
開始時期はいつが良いのか、など不妊治療について説明します。

不妊治療とは

不妊治療とは妊娠に至るために必要な要素である卵子・精子・卵管・子宮などの状況と、不妊検査で明らかにした上で、適切な治療を行っていくことです。
不妊の原因は人によって異なるため、不妊の検査により、個別の治療方法を行うことになります。検査によって、なにかしらの障害があった場合は、その障害に対する治療が必要になります。
明確な不妊原因が認められない場合は、卵胞の成熟度に合わせて性交を行う「タイミング法」、排卵日に合わせて精子を子宮に注入する「人工授精」といった一般不妊治療から始めて、妊娠に至らない場合には「体外受精」「顕微授精」といった生殖補助医療(ART)にステップアップしていくのが一般的です。 次に不妊検査の流れやそれぞれの治療方法について詳しく説明していきます。

≫ 不妊症とは

不妊治療の流れ│男女で異なる検査内容

1.不妊検査について

まず、不妊の原因を知るために、不妊検査を行います。検査にも様々な検査がありますが、個人の状況に合わせて行う検査は異なります。ここでは一般的に行われる検査について、ご紹介します。

女性の場合
(1)内診・超音波検査

診察台にて、子宮・膣内に異常がないか調べます。また、超音波プロープを膣内に挿入し、子宮筋腫、子宮内膜症などの異常がないかを確認します。

(2)血液検査

採血による、ホルモン検査を行います。妊娠と深くかかわる女性ホルモン(エストロゲン)、 卵巣を刺激する卵胞刺激ホルモン・黄体形成ホルモンなどを調べることによって排卵の異常や、卵巣の機能を確認します。

(3)子宮卵管造影検査

卵子の通り道でもある卵管に異常がないか調べる検査です。卵管の詰まりや閉塞の有無を調べます。 卵管の通りを良くすることで着床がしやすくなります。なお、卵管が詰まっている場合、カテーテルを使って卵管を押し広げる卵管鏡下卵管形成術(FT)という手術もあります。 術後、妊娠率が低くないことも特徴です。

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(4)フーナーテスト

性交後、精子が頸管粘膜液中に侵入したことを確かめる検査です。頸管粘膜が精子を受け入れる能力と、精子が頸管粘膜液に達成して生存できる能力を調べます。

≫ 不妊検査前にしておきたい|治療をスムーズにすすめる準備 ≫ 不妊検査の第一歩。女性が初診で受ける不妊検査って?
男性の場合
(1)精液検査

2~7日の禁欲期間(射精をしない期間)を設け、病院の採精室または、自身でマスターベーションを行い、精液を採取します。採取した精液を検査し、精液量、精子の濃度、運動率、精子の奇形率などを調べます。

(2)泌尿器科的検査
① 触診・視診

精液検査で異常があった場合に、泌尿器科的検査を行います。視診・触診で睾丸の位置、硬さ・大きさを測定し、精索静脈瘤の有無などを確認します。

② 尿検査

尿から糖やたんぱくが出ていないかを検査します。他に、膀胱や尿道などに炎症が起こっていないかなどを調べます。

③ 血液検査

採血によるホルモン検査を行います。採血により男性ホルモン(テストステロン)や卵胞刺激ホルモンの「FSH」、黄体化ホルモン「LH」、プロラクチン・乳汁分泌ホルモン「PRL」などを確認し、精液の異常の原因を調べます。

④ 染色体の遺伝子検査

精子形成障害の原因として染色体の変化や遺伝子異常による場合があるため、無精子症の場合などに勧められることがあるようです。

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2.治療方法について

不妊治療の治療方法も個々の不妊の原因によって、変わってきます。なにかしらの障害がある場合は手術などを行う必要もあったり、またそれぞれの治療方法を組み合わせて行うことも少なくありません。ここでは、一般不妊治療と、生殖補助医療(ART)の治療について、それぞれ説明します。

2-1 一般不妊治療

一般不妊治療は、自身の生殖機能で妊娠を目指す治療方法です。

治療方法
  ・ タイミング法

排卵日に合わせて性交をする治療法。自身で基礎体温を記録し、排卵日を予測します。 35歳以上の場合、6か月タイミング法を取って妊娠しなければ、産婦人科を受診したほうがいいと言われています。
自分でも排卵検査薬などを用いて行える方法ですが、病院ではさらに、超音波検査で卵胞の成熟度を調べたり、血液検査でエストロゲンの数値を観測するなどして、 より正確な排卵日を特定することができます。

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  ・ 薬物療法(排卵誘発剤など)

排卵障害の場合に使われる治療法で、経口薬、注射などで排卵を促す投薬治療となります。

  ・ 人工授精

タイミング法でも妊娠に至らなかった場合に行う治療方法です。あらかじめ採取したパートナーの精子を、洗浄・濃縮しカテーテルという細いチューブで子宮、卵管に送り込む方法です。だいたい7回目以内に約80%が妊娠に至ると言われています。

2-2 生殖補助医療(ART)

生殖補助医療(ART)とはタイミング法や、人工授精で思うように結果が出なかった場合に行う体外受精・顕微授精・凍結融解胚移植の一連の治療法を指します。 卵子を取り出し体外で受精させて数日後に子宮内に戻す、という治療方法です。

体外受精・顕微授精で生まれる子は27人に1人。
日本産婦人科学会によると、生殖補助医療によって生まれた出生児の総数は2002年~2012年の10年でおよそ2.5倍に増加しており、その数は累計25.6万人となっています。 今や総出生児の27人に1人は体外受精で生まれています。(2012年時点 日本産婦人科協会データによる)

不妊治療の開始時期|いつから開始するべき?

妊娠を望んでいて以下に該当する方は、早期に不妊の検査および不妊治療を開始するという考えが一般的です。
・妊娠を望んで避妊をせず性交をしているにもかかわらず1年以内に妊娠しない不妊の状態
・年齢が35歳以上

不妊治療を早期に始めたほうが良い理由