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不育症とは|症状や不妊症との違いは?妊娠はできる?

   

ELL86_yasasiihikari

赤ちゃんを望んで妊娠が叶っても、およそ10%~20%の方は自然流産をしてしまうそうです自然流産の原因の多くは、偶然に起こる「染色体異常」だと言われていますが、一般的に流産をしてしまった後でも、次の妊娠で元気な赤ちゃんを出産することが可能です。しかし、妊娠しても何度も流産を繰り返してしまう「不育症」という症状があります。不育症の可能性が考えられる場合には、原因を特定し治療が必要になることもあります。
今回は、不育症とはどういった病気なのか、症状や不妊症との違いなどについてまとめています。

不育症の症状とは

不育症とは、妊娠が継続できない状態が複数回以上続く状態のようです。つまり、妊娠するものの「流産」や妊娠22週以降の「死産」、生後1週間以内の「新生児死亡」を2回以上繰り返してしまい、結果的に子供を持つことができない状態を指します。
また、流産を2回繰り返すことを「反復流産」と言い、3回以上繰り返すことを「習慣流産」と呼ぶことがあり、こちらも不育症とほぼ同じ意味の言葉として使われています。
ただ実は、何度流産を繰り返した場合に「不育症」と定義するかは学会でも現時点で決まっていません。
そのため、「不育症」については、治療する医師によって見解が異なる場合があり、妊娠の陽性反応が出た後に胎嚢が確認出来なくなる「科学流産」も不育症に含めるべきという意見も少なくないそうです。
いずれにしても多くの場合は、2回連続して流産や死産をしてしまった場合に「不育症」を疑い、細かい検査で原因を特定していき、必要に応じて不育症治療が行われるようです
また、1人目の赤ちゃんを正常に出産していても、2人目、3人目を続けて流産、死産してしまう場合もあり、その際は「続発性不育症」と診断し不育症検査を行います。

不妊症との違いは?

結果的に出産に至らないことに変わりはないものの、不育症は妊娠ができる状態なので、不妊症とは異なります。

どこまでが不妊症?

妊娠が成立するまでには、「排卵」または「採卵」があり、精子と卵子が「受精」し、「着床」といった段階を踏みます。その後、「妊娠判定」が行われ、赤ちゃんの袋である「胎嚢」が見えるようになり、「心拍確認」と診察が進められていきます。ここで、胎嚢確認の後に赤ちゃんが育たなくなった場合を「流産」、妊娠反応の後に赤ちゃんが確認出来なくなることを「科学流産」としています。
現在、この2つが2回以上続く状態を、広い意味で不育症と診断しているようです。この時点で初めて、不育症検査を提案し結果に応じて必要な治療がすすめられますが、医師によって「妊娠」のスタート時期の考え方が違うため、そのタイミングは異なります。
現在の医学的な観点では、hCG陽性反応が出る前までに何らかの原因で妊娠継続が出来ないことを不妊症と呼び、陽性反応が出た後に妊娠を継続できない状態が複数回続くことを不育症としています。しかし、本来は着床した時点で母体と赤ちゃんの間で血液交換が行われるようになり、赤ちゃんは母体から栄養や酸素を供給してもらい、老廃物の排泄を行うようになるそうです。そのため、着床した時点で妊娠が始まったと考えるべきでは、という意見もあります。
この定義で考えると、着床前までを不妊症、着床の後からが不育症という考え方になるべきではないか、と指摘する医師も多いそうです。

着床したかどうかは現代の医学ではわからない

着床を、不育症と不妊症の境界線にすべきという指摘をする医師もいますが、残念ながら現代の医学では「着床したかどうか」を確認する方法がないそうです。
着床後、hCG陽性反応が出るまでにはタイムラグがあり、妊娠陽性が出る前に実は着床していたけれど「化学流産」をしていたという「潜在的な科学流産」も可能性として考えられます。
しかし、着床時に出る物質などがわかっていないため、着床したかを調べる術がなく、体外受精の胚移植後に妊娠反応が出ない方が、本当に着床していなかったのかは明確にはわからないと言われております。
そこで、一部の病院では不妊症で何年も通院している方にも、不育症検査を提案しています。
もしも着床後に胚が育たなくなる事実が見つかれば、適切な治療の上、「潜在的な科学流産」や今まで通りの化学流産、流産のリスクを下げることができるかもしれないのです。
そうなれば、妊娠、出産を現実のものにする確率を高めることができるでしょう。

不育症でも妊娠はできる?

不育症と診断された場合でも、出産できる可能性は大いにあるようです。不育症とは、妊娠しても赤ちゃんが育たずに妊娠を継続できない状態ですので、不育症と診断されても妊娠は可能だと言えるでしょう。また、現在では不育症の治療の末、元気な赤ちゃんを出産している方もたくさんいらっしゃいます。
ただし、赤ちゃんを強く希望しているのに「流産」や「死産」を繰り返してしまう状況は、母体の心身ともに相当なストレスをかけるのも事実です。不育症の原因に対する適切な治療を受けながら、パートナーと協力しながら心のケアもしてみてはいかがでしょうか。辛く悲しい気持ちやストレスを1人で抱え込まずに、夫婦や他の家族と協力しながら前を向いて乗り越えていくことが大切だと言われています。
長年不妊治療を続けてもなかなか妊娠に至らないという場合には、不育症検査を一度検討してみるのも良いかもしれません。